登校の条件
土曜日のテスト勉強で、テストの出題範囲を立花から教えて貰いながら、苦手意識のあった
数学などを勉強していった結果、テストは全教科、赤点は免れた。下條もギリギリではあったが、赤点を回避できて、大変喜んでいた。立花様々だ。残るは今週末に提出する進路希望だけとなった。俺の進路は、もう決まっていて清新大の文学部に進むつもりだ。
そんな、木曜日。後は夏休みに突入して青春を謳歌するだけと思っていたら、朝のホームルームが終わり、咲良先生から呼び出されてしまった。「どうしたんですか咲良先生」まさか、禁断の告白とかですか?ダメですよ。俺たち生徒と教師なんですから。先生はとても魅力的ですけど、俺には心に決めた人が...そんな生徒と教師の恋愛をい妄想させると先生がこう、切り出す。
「藤也くん。お話とゆうのはね、柚木さんのことなの~彼女も二年生なんだからそろそろ卒業後の進路も決めないのよねー」「そうですか、唯依の進路のことですか。」分かっていましたよ。そんなことだろうってことくらい。何も淡い期待をしていたわけじゃない。
唯依だっていつまでも引きこもっていたらこの先の未来が見えないままだ。
唯依がこれから一人で歩んでいく為に引きこもりの最大の難関にして最後の試練を乗り越えていって欲しい。そうして、俺は、放課後に唯依の元へと向かうのだった。
***
もう、いちいちインターホンを押して唯依から出迎えて貰う流れに煩わしさを感じていて、
つい、この間のことで、合い鍵をゲットしていた俺は、インターホン無しで柚木宅にお邪魔する。唯依の私室を開けると彼女は、珍しくテーブルに向かいノートPCで黙々と何か作業していた。「唯依、邪魔しているぞ。ん、何しているんだ?」
PCゲームでもしてたのかと思ったがPCには板タブレットが接続されていた。
「なんだ?イラストの仕事か?」
「まあ、そんなところかな」
「そうか、唯依。ちょっといいか?今学校で進路希望を取っているんだけど、お前は卒業後の進路とか、何か考えているか?」
「んー、別にー。なるようになるんじゃない?」
「真面目に応えろよな!これこら先の人生ずっと引きこもって、いつまでも最底辺の人間でいるつもりか?」
「んー、それならお嫁さん!」
「バカか!そうゆうことを言うのは小学生までにしておきなさい!あと、俺はヒキニートの嫁なんて御免だからな!」
まったく。よくそんな恥ずかしいことを言えるものだ。きっとこの子の頭の中は、小学生レベルでお花畑なんだろう。
「えーそんな、今まで引きこもってきた相手に、卒業後の進路とか訊いちゃう?」
唯依は、頬をフグのように頬を膨らませて不満を全面に出して言う。「ふふ、実はわたしには夢があるんだ。漫画家になるとゆう夢がねー!」
「おい、またふざけて!」俺はすかさず突っ込む。そんな、実現から逸脱した普通に考えて不可能レベルに流石に聞き流せる話題ではなかった。
「そうだったのか。でも、漫画家なんて、競争に勝てるのか?
「おい、またふざけて!」俺はすかさず突っ込む。そんな、実現から逸脱した普通に考えて不可能レベルに流石に聞き流せる話題ではなかった。
「そうだったのか。でも、漫画家なんて、競争率が激しいだろ!連載を勝ち取れるのは、ごく一部の才能のある奴らだけじゃないのか?」
そんな無理ゲーをわざわざやらなくてもいいんじゃないか?
「藤也くん知らないの、最近はツビッターやビクシブに投稿して、人気を集められれば、週刊誌で公式連載に繋げるスタイルだってあるんだよ」
「そんな、無謀な夢負い人みたいな...」
成れるはずないだろ。漫画家なんて......言葉には出さなかったけど、内心はそんな叶わぬ夢に、目をキラキラさせる唯依のことを、「馬鹿かコイツ」みたいに冷めた目で見ていた。
「て言うかそれ、漫画描いているのか?」
「そんなとこ」
「やめとけ、やめとけ。そんな危ない橋を渡らなくてもお前は、もう、立派なイラストレーターだろ?」
もう、既に夢を叶えている唯依が漫画家なんて夢を叶えたら、俺と小説を出す夢が叶わなくなってしまうんじゃ...そう危惧してしまう。
「...からないんだよ」「えっ、なんだって?」「だから、このままずっと引きこもってるわけにはいかないのは分かってるんだけど、夢にすがっていないと、不安で不安でどうしたらいいか分からないの!」と悲痛な声で叫ぶ。
「それなら、尚更のこと、学校へ行けよ!」「そんな、だって学校にはわたしの居場所なんて......」
「それなら俺に頼れよ何か出来ることはないか?」
漫画家の夢の後押しは難しい。どちらかと言うと漫画家だけは辞めておいた方がいいとさえ思っている。でも、一生懸命に登校しようとする姿勢は素直に応援したい。そう言うと唯依は、にんまりと微笑んだ後に「なんでもって言った?それなら学校に行ってもいいけど、一つ、条件があるんだ~」「それは、なんだ?できる限りのことはするよ」
「それじゃあね、学校へ行ってもいいけど藤也くん、わたしの友達になってくれない?クラスで一人で孤立するのは嫌だからさ」
「わかった、そんなことなら、お安い御用だ。あと俺の友達も紹介してやるよ」
「やった。それといくつか協力して欲しいことがあるんだ。わたし学園ラブコメを描きたいんだけど、恋人がいたことがないから恋愛描写をどう描いていいかが分からないんだ。」
「そんな、俺に何をさせるつもりだ?」
なんで俺がコイツの夢の為に...唯依の夢を手伝う義理なんてないし、漫画のストーリー作りのコツなんて言われても、小説を書き始めたばかりの俺では、そんなに力にはなってあげられないだろう。そもそも、俺は、唯依が漫画家を目指すのは反対意見なんだが。
「それはね、一緒に学校に行ったり学校でも話したりとかして、一緒に学食を食べるの」
「学校生活での面倒を見て欲しいとゆうことか?そうなんだな。そうなんだな!」
「えへっ」唯依は、ぺろっと舌を出して認める。
「あと、放課後にわたしともデートをして欲しいの!」と唯依は上目遣いで行ってくる。「なんだ、そんなことか。え??デート?!」
それは、つまり俺と唯依が恋人同士の関係になるってことか?!それは、童貞の俺からしたら、天に舞い上がるほどに嬉しい。俺、変に誤解してしまうぞ!え?もしかして、コイツ俺のこと好きなんじゃないか?って。だって、放課後にデートとか、恋人同士のそれだろ?「それってもしかして、俺のことを......」
「いや、違うよ。何を勘違いしているの?キモイこと言わないで。漫画の題材で恋人とのデートの感じとかを味わいたいだけだから」
「つまりは、お前が漫画家になる夢の為に俺に手伝って欲しいとゆうことか?」
「まあ、そんなところ」
「なんで、俺が、そんなこと!」
「そんなこと言って、藤也くん、女の子とのデートしたいと思わないの?」
「ふん、そんなの立花との放課後デートで経験済みだ。残念だったな!」
「あー、それズルい!わたしともデートしてよ!わたしは、もっとスゴいことをしてあげるんだから!」
「ふーん。どんなのー?言ってみー」。
どうせ、大したことでないのに決まってる。軽く一蹴してやろう。
「それはね、わたしだって放課後デートとしてあげるし、むしろわたしがしたいし。ひ、膝枕をしてあげるんだから-!」
「なん、だと...」
それは、確かに惹かれるものがあるなだって女の子からの膝枕とか男の子の夢じゃないか?
てゆうか放課後デートってお前がしたいだけじゃないか!はい。もう、唯依の勝利ー!
「はは、仕方ないやつだなーそ、そこまで言うなら引き受けててあげなくもいぞ?」
只、俺は、夢に向かってキラキラしている唯依のことが羨ましかったんだ。俺も、WEB小説を書籍化するのが夢だってと言っていたくせに、自分の夢が上手くいかなかったからといって相手の夢に否定的になっていた。こうして、唯依を漫画家にする為に俺も協力することにになった。
「やった!ありがと藤也くん」
「うむ。」
是非、よろしくお願いしまーーす!
こうして俺は、内心テンションMAXになる中、と唯依の二人の間に、可笑しな協定が結ばれたのだった。
」
読んでくれてありがとうございます。ラストスパートです。今後とも、よろしくお願いします!




