特訓とデートプラン
「聞いたわよ藤也くん。小説コンテストに応募するんですって?これは、猛特訓が、調教が必要みたいね」
「あの、別にSMプレイがご所望でないのでお手柔らかにお願いします!」
放課後に、サークルの時間を使い、秋雫先輩の小説の特訓が始まっ始まった。
「ちょっと転に持っていくのが早いわよ。もっと読者を引き付けてから仕掛けなさい。」
「はい!すいませんっ」
「キャラの心情は丁寧にて。あとヒロインの心情を描き過ぎては駄目よ。」
「はい!先輩」
それはあまりにスパルタ指導で、八神に勝つ前に、秋雫先輩の手によって再起不能になってしまう。
「ボロ雑巾になるまでしごいてあげるから覚悟しなさい、藤也くん」
そう言い、鬼の如くしごきに気圧されてしまう。
「それ、完全に悪役のセリフですよね?!完全に潰しに来てますよね」
いったい俺は、この人からどんな指導をされるとゆうんだ。ここで、決して興奮するわけではない。生憎、変態の性癖は持ち合わせていないのでここでは、只単に、緊張の時が流れた
「いいから早く指を動かしなさい!いい一番面白いシーンから初めて序・急・破よ!」
「あの、なんですかそれ?」
「小説家を目指してるのに三幕構成も知らないの?!信じられない!そうね、ド素人に毛が生えた程度の藤也くんにも分かり易く説明するなら、一幕目で転!
一番盛り上がるシーンから作って。その後に起。簡単な世界観の説明はこの幕でするのよ。
そして最後が結。この幕でしっかりと締めるのよ」
「なるほど、なんとなく分かりました。」
「そう上手く伝わって何よりだわでも頭で理解するのと実際に書いてみるのでは、圧倒的に後者の方が実践的よ一見は執筆にしかずよ」
「そ、そうなんですか」
「今ちょっと書いてみてくれるかしら?藤也くんの実力を知っておきたいから」
「いいですけど、俺の実力に驚かないでくださいね」
「大した自信ね。まあ、そのくらい言えるのなら心配はないわね」
そして俺は自分のノートパソコンのWordに一筆たしなめる。
そして書き上がった小説を見て秋雫先輩は絶句する。
「なにこの気持ち悪い文章の羅列は。主人がヒロインとイチャイチャしているだけのゴミの大量生産は。毒にも薬にもならないわね」
「藤也くん。これは本気?あなた短編集書いたことないの?」
「いや~書いたことはあるんですけど、どうも苦手なんですよね」
短い尺の中で物語りを構成すると面白みがなくなっていつも失敗する俺は連作短編の長編ばかり書いていた。
だから、まだ一度も作品を完結させたことがない。
「作品は、完結させてなんぼなのよ。幾つも量を書いて経験を積みなさい。このポンコツ!」と秋雫先輩は毒を吐き、最後にボソッとそうじゃないと成長できないでしょっと言う
そんな秋雫先輩のわずかなデレも聞き逃さずに俺は心の中で、有り難うございます。と返す
「ちょっとわたしにもみせてくれませんか藤也先輩」
横からひょっこり唯一一年のサークルメンバーの恵が顔を出す。
俺のノートパソコンに視線を落として。気持ち悪いようなものを見たように顔をしかめる。
「藤也先輩~これはマズいですよ~。先輩の性癖ダダ漏れじゃないですか!八神先輩に本当に勝てるのかなー」
心配になってきたー。と言い誰もが小説コンテストの勝敗を心配するのだった。
その後も何度か書いてはみたけど、彼女達のOKサインは貰えずにいた。
やっぱり俺には、小説の才能が無いのか……
「わかったわ。藤也くんは恋愛経験が無いからどうしても恋愛描写が薄っぺらいとゆうか、どこかで見たラノベの劣化コピーにしかなってないのよ。あなたのキモイ妄想じゃなくて実体験を元に書いたらいいのよ」
「でも、先輩。俺に美少女の彼女なんていませんよ。いったいどうしろと言うんですか?」
そもそも、陰キャな俺なんかに彼女なんて出来るはずもない。いったい、先輩は、何を言ってるんだ。
「あら目の前に可憐な美少女がいるじゃない。おっぱいも大きくてスタイルの良い女が」
と秋雫先輩は自己アピールしてくる。
「可愛い後輩も居ますよ!」と恵の元気な声が割って入る。
「冗談ですよね......」
「あら、そんなことないわよ。わたしは本気よ」
「すいません。家で少し考えさせてください」
いくら自分の小説を書くのに必要だからって先輩や後輩に恋人役をさせるなんてできるはずがない。好意が無いのに恋人の振りだなんて、俺には出来ない。
全く無いと言ったら嘘になるけど、この恋慕は、そんなんじゃないんだ。
「いいわ。ゆっくり考えなさい。じゃあ、後は簡単な課題を出すから家で書いてきてちょうだい。要するに藤也くんは書いてらっしゃい。」
「色々書き方はあるけど、今あれこれ言っても混乱するだけだと思うから敢えて言わないわ。何を題材にするかは自由よ好きなように書いてきなさい。」
「はい。先輩、俺になんかに面白い作品なんて書けるんでしょうか?」
「書けるのかじゃないのよ。貴方は書かないといけないのよ。柚木さんの為にね」
「重圧重いですよ、先輩」
「せいぜい大事な彼女を取られないように頑張りなさい。
そう言って俺を送り出してくれるのだった。
***
学校から帰り。俺はいつも通り、お隣の208号室の唯依の私室に居た。
小説コンテストにエントリーしている八神の小説を越える物を作る為の作戦会議を行っていた。
「どうも良いアイディアが思いつかない。何を書いていいのか」
「藤也くんはいったい何を書きたいの?」
「俺が書きたい「ものか。唯依、俺は、清楚可憐なお隣さんとのイチャラブ小説が書きたい。だけど、俺の妄想だけじゃどうも上手く 書けないんだ。どうしたらいい?」
「・・・・・・」
何故だか、唯依が急に不機嫌な表情になり、俺を睨み付ける。
いったいどうしたとゆうんだろうと困惑していたら、唯依がごにょごにょと口を開く。
「それって、もしかして、お隣の立花さんのこと言ってる?わたしじゃなくて」
「いや、違うって。確かに、立花は清楚で可憐だけど、俺は唯依みたいな女の子をイメージして言ったんだけど」
「そっ、そうなんだ。わたしみたいな子をイメージしてたんだ!っっ〜〜」
と照れて顔を真っ赤にしてクッションをぶつけてきた。
「こっち見ないでっ!」と照れ隠しで暴力を振るってくる唯依に俺は唯依に何を言ったか理解して思わず鼓動が早くなる。顔の頬も熱くなって火照ってくる。
「それなら、実際にデートしてみようよ。わたし達」
「そう言えば秋雫先輩もそんなこと言ってたな」
唯依と俺は付き合っているわけじゃない。だけどそうゆうことをしてみたいと思うのは唯依となんだよな。
「そうだよ。やってみないと分からないこともあるからさ」
と淡々と提案してくる唯依に俺は狼狽えることになる。
「でも、唯依自身がマンションから出れないんじゃデートなんて出来ないンじゃ...」
と問題を指摘する俺。
「それなら藤也くんがリモートでわたしをデートに連れて行ってよ」と唯依。
「い、いいぞ。俺の理想のデートコースにお前を連れて行ってみたいところがあるんだ。いいか?」
今まで彼女が居なかった俺。もし、彼女が居たら行きたいカフェの一つや二つはある。
でも、唯依は彼女ではない。そんな彼女にオタク男子の理想を押しつけてもいいものかと思ったけ。もし、唯依が嫌がったらどうしよう。
「いいよ。連れて行って」
「わかった。どこに行くかは当日までのお楽しみってことでいいかな」
「いいよ。勿論、お土産も用意してくれるんだよね?」
「はいはい。仰せのままに」
帰ってきたらテイクアウトしたスイーツ広げてうちカフェでお家デートしよ!」そう、満面の笑みで言ってくる唯依。
「わかった。そうしよう」
ッ鼓動が再度早まり、照れを隠すように顔を少し反らして返事をした。
だから、心臓に悪いっての。
こうして唯依をリモートデートをすることになった。
次回は、唯依とのリモートデート回です。
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