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ミケさん奮闘記
「ミケや、この子を見ててくれるかい。」
幼子かい、ご主人の孫だね。
「にゃーにゃ。」
物おじしない子だね、抱きついてきて。
「ま…ま。」
あたしゃ母親じゃないよ。
これ、耳をハムハムするのはおよし。
「まんま。」
ご飯でもないよ!
かいなから逃れ、ひょいとちゃぶ台に。
「おー。」
って、あんた、何をする気だい。
お待ち、跳ぶつもりかい。
それは、あんたには、荷が勝ちすぎるだろう!
よたよたと、ほら、ごっつんこするよって、危ない!
服のたるみを咥えて、懸命にひっぱる。
すとんと尻もち、軟着陸に成功、やれやれ。
「にゃーにゃ。」
また、性懲りもなく抱きつくんじゃないよ。
「すっかり仲良しね。」
いや、ご主人…って、もう好きにしとくれ。
「ミケや、大変だろうけれど、もう少し子守を頑張っておくれね。」
待っ、ご主人、それは…
「おんま。」
それは、猫には、荷が重いだろう!
にゃんこシリーズ、その3
次回は、『背中合わせのジョーカー』です。




