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『ツクモ』 第一話『ツクモ』

第一話『ツクモ』


「小さな幸せはね、お金で買えるんだよ!」


 黒縁の丸眼鏡と、明るめの黒髪をひとつにまとめた大きな三つ編みがトレードマークの柔和そうな雰囲気の彼女は、なのに、内に弁慶を秘めている。


 仁王立ちでぷんぷんしているので、


「次は、必ず、手土産を持参するから」

 

 と、なだめつつ、


「これを趣味で作ったの、凄いね」


 身長は1mちょっとくらいかな。


「このロボットの名前は?」


「ツクモ」


 ほうほう。


 見れば見るほど、めっちゃ虚無ってるなあ。


 つぶらな目がちょこんとついているだけのシンプルすぎるロボットの顔を見て。


「もう少しデザインにも凝ったら?、せめて、もっと愛嬌のある顔にしてあげればいいのに」


「この無表情なのがかわいいの」


 さようですか。


 僕は、心のなかで肩をひとつすくめてから。


「それで、このロボットは言葉がわかるって、本当?」


「どうぞ、話しかけてみて」


 それでは、まあ、失礼して。


「僕とおしゃべりをしてくれるかな?」


 ツクモは、コテン、と小首をかしげる。


「いや、このコ、わからないって顔をしてるけど?」


「もう一度、試してみて」


「君は、本当に人の言葉がわかるの?」


 ツーっと、目をそらすツクモ。


「ねぇ、なんかさぁ」


「何かな?」


「やたら表情が豊かなんだけど、このコ」

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