表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/206

ここは不思議な道具屋【挿絵あり】

【1】


 ここは不思議な道具屋。


 この店で扱う道具は、全てに強力な魔法がかかっているが、それゆえに何かしらの欠点を抱えているという。


「店主さん、この盾はどういったものですか?」


「あーはいはい、こちらはですね、どんな攻撃をも避けられる盾です。」


「どんな攻撃もですか?」


「はい、紛れもなくどんな攻撃も、盾が勝手に動いて避けます。」


「勝手に動くんですか?」


「ええ、こうして盾をかざして攻撃を受け止めようとしたりすれば、盾はサッと動いて当たらないようによけるんです。」


「ちょっ、それって盾がよけちゃったら攻撃を防げませんよね、そのまま直撃ですよね。」


「それが、この盾の欠点です。」


「・・・この盾はやめておきます。」


「それがよろしいかもしれませんね。」


 今日も道具屋はこともなし。





【2】


 ここは不思議な道具屋。


 この店で扱う道具は、全てに強力な魔法がかかっているが、それゆえに何かしらの欠点を抱えているという。


「それじゃあ、何か武器を見せてもらえますか?」


「はい、どういったものがよろしいですか?」


「そうだなあ、どうせならすごく強力な伝説の武器みたいなのはありませんか?」


「それでしたら、こちらの刀などぴったりかと。」


「ほう。」


「この刀をさやから引き抜くことができた者は、最強の力を得ることができると言われているんですよ。」


「見せてもらっても?」


「ええ、もちろん。」


「ほほお、これは・・・、木刀ですね。」


「ですね。」


「模造刀ですよね、そもそも抜けないですよね。」


「抜けないかもしれません、木刀ですから。」


「落語か、『道具屋』なのか!」


「道具屋ですよ?」


 今日も道具屋はこともなし。





【3】


 ここは不思議な道具屋。


 この店で扱う道具は、全てに強力な魔法がかかっているが、それゆえに何かしらの欠点を抱えているという。


「店主さん、こないだの木刀がなくなっていますね。」


「はい、あれから売れたんですよ。」


「どんな人が買っていったのですか?」


「凶悪なドラゴンを退治しに行かれるとか仰っていました。」


「えっ、どうするつもりなんでしょうね。」


「ひとまわり大きな特別製のさやをつくらせて、そのさやに木刀をおさめておられましたよ。」


「あーっ!」


「今頃は、ドラゴンを倒しているかもしれませんね。」


 今日も道具屋はこともなし。






挿絵(By みてみん)


一見、使えないアイテムを、工夫次第で最強に!


なろうファンなら、一度は挑戦しないと、ですよね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『みどりの竜』
 一話完結、ショートショートコメディです。


『月の音色』
 声優、大原さやかさんのネットラジオに投稿した400文字以下の物語


『いくとちゃんとおじいちゃん』
 子供に読み聞かせるとき、大人も一緒に楽しめる童話を目指しました。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ