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ぼくのドラちゃん
『ぼくのドラちゃん』
耳なんかなくても、"ネコがた"だって、みんな知ってる。
ぬいぐるみのドラちゃん。
小さなころから、ぼくの友だち。
いろいろなひみつをきいてくれるし、ずっと、ぼくのひみつをまもってくれた。
今は、お母さんに、ひとじちにされてるけれど。
「近頃、よくチョコレートが減っている気がするのだけれど、ドラちゃんは、何か知ってる?」
お母さんは、だいていたドラちゃんを、かおの前に持ち上げて、みつめあいながら。
「どうしたの、ずいぶんと青いけれど、ん?、このポケットには、どんな秘密があるのかな?」
うわぁ、大ピンチだぁ。
「包み隠さず、白状しなさい」
弟に見せたら
「インパクトが足りない」
「責めないで、ドラちゃんは何も悪くないから」
「むしろ被害者だよなあ」
なお、全てはフィクションです。




