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むしろ、犯人はコイツだ

 シャッ。


 一瞬のカーテンレールの音。


 開いた隙間からガラスに映り込むのは、若い女性がすがるように布地を握りしめたまま倒れ込む姿。


 ブチブチッと引きはがされたカーテンを、彼女はクルクルと自身に巻き付けながら引き寄せる。


「むにゃむにゃ。」


 コラーッ、この酔っ払いが!


 女三人集まって飲みの果ての惨状。


 足先だけをのぞかせて、すっぽりとくるまって動かない彼女を、もう一人の友人が睥睨へいげいすると、すっかりカーテンの無くなった、裏庭へと続くサッシを開けてのたまう。


「これはもう埋めるしかないな。」


「えっ?」


 形ばかりの生垣の向こうに、驚いた様子の男性がいた。


「しまった、目撃者をだしてしまった。」


 呟く友人、叫ぶ私。


「うわぁー!」


 消そう。


 素早く枕で友人の口をふさぎ、部屋へ押し戻して、サッシを閉め、明かりを消した。


 ベッドに飛び込み布団をかぶる。


 もう知らない!、全部忘れる!






血の付いたカーテン、もしくは、絨毯にくるんで遺体を埋めるというのが、ミステリーの定番のひとつにありまして。

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『みどりの竜』
 一話完結、ショートショートコメディです。


『月の音色』
 声優、大原さやかさんのネットラジオに投稿した400文字以下の物語


『いくとちゃんとおじいちゃん』
 子供に読み聞かせるとき、大人も一緒に楽しめる童話を目指しました。
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