イラスト……
寝苦しさを感じて目を覚まし、時計に視線を向けると昼時を指していた。何をするという事も無く暫く呆けていると、少しずつ汗がじわじわとシャツの重さを増そうとする。
そうはさせるか! と、布団をたたみ着替え始めるが終わった頃には既に一汗かいていた。
「今時期でこんなんだったら、夏はどうすんだよ俺」そう呟き部屋の中央で瞳を閉じ、両腕を組み仁王立ちしながら「さてと、何するかな」と思考を巡らせ始める。
取り敢えず、今月はイラストの方に力を入れるつもりでいた。友人のイラストも進めていなかった事もあるが、自分の小説のイラストも描きたかったのが大きい。
が! 自分のイラストは正直なところ、理想のものとはかけ離れたもの。特に色の塗り方が自分で満足していない。
やはり、独学では限界があるのだろうか……そう言いながらゲーム機の電源を入れる。
「いや! これが良くなくなくない? 何言ってるんだ俺!!!」
自分に訳の分からないツッコミを入れると、左手で右手首を掴み「静まれ俺の右手よ!!!」ちょっと厨二チックにボケてみると冷静になった。本当に朝から何やってんの俺……取り敢えず今日も平和ですね。
「昨日は確か、下書き終わって線画の途中だったっけ? 先ずはそれからだなぁ」
ちらりとパソコンに視線をやるが、いかんせん寝起きにイラストは良く無い! 理由はないが、何となくだけどそんな気がする。
「うん、先ずは陽の光を浴びたい。散歩がてらコンビニに行ってくるか」
財布を持ち家を出ると、燦々と太陽の光が降り注いできた。そして、視線を道路脇に向けると、青々とした草花、小川のサラサラとした心地良い水の音。道のりは遠くないが、それ何り時間が掛かるものの楽しく過ごせた。
が、帰り道では心地良い陽の光も次第に辛くなり出した。
「あっつい……マジで暑い」
そうボヤきながら、買ったばかりの冷たい珈琲を飲み干す。そして、次の自動販売機に差し掛かると、再び冷たい珈琲を買うとベンチに腰を掛ける。家は既に視界に捉えてはいるが、坂道が続くと流石に疲れる。
項垂れながら飲み口を開け「HPかなり削ってくれるわ、この日差し」そう呟くと珈琲を口に含む。
冷たさが体を駆け巡る様な感覚を得ると、疲れが引いていく気がする。
「今は体力的に疲れているが、家に帰れば線画の作成。これも結構疲れるんだよね」
線画の後は色塗りの工程が待っている、更に疲れる事は間違いない。
「なのにイラストを描くか……好きでもなければ出来ないなぁ」
上手く無くても描いてる自分が微笑ましく思ってしまい、思わず笑みが浮かぶ。
「さ〜てと! 線画終わらせますかね」ひと伸びして飲み干した缶をゴミ箱に入れると、腰を上げ家に続く坂道を登って行った。
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という訳で、友人の小説イラスト描き終わりました。
ハンガー場面
異世界に繋がるトンネル
コバルト戦闘
正直なところ、挿絵ってどう描けばいいのだろうかと悩んでいました。そして、悩んだ結果は「楽しく描ければいいか」と自分に言い聞かせました。
いいのかな? まあ、気にしたら描く気力が無くなっちゃうんで良しとしましょう。
さてさて、自分の小説の挿絵はいつになるのだろうかと、遠い目をしながら今日もパソコンの前で頑張ってみます。