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詩 澄乃

砂時計

作者: 藤乃 澄乃

名残惜し 薄暮の海辺たたずんで

さきの別れを 噛み締める


あまりに突然告げられて

頭と心 れ違う

理由わけを尋ねる時間ときもなく

去りゆく背中 見送った


今日という日のこれまでの

少ない言葉の意味合いに

今更ながら気がついて

戻らぬ時間ときが うらまれる


遙か彼方の水平に 黄金こがねに続く道標みちしるべ

ともに歩めるはずだった



ああ、これでまた自由気儘きまま


強がってはみたけれど

わびしさだけが込み上げる


頬を伝う冷たさで 心のしずくと気がついた



溜め息ひとつ ふたつつき

家路に向かうその頃は

昨夜ゆうべと同じ星月夜


辿り着いたその部屋の

笑顔の写真 裏返し


二人で買った思い出の

上下を返し 思い出す


くびれた硝子の上から下へ

止まらず落ちる砂粒が

戻らぬ時間ときを物語る



挿絵(By みてみん)


『砂時計』挿し絵  【十条 楓さま】が描いて下さいました♪

ご本人の許可を得て掲載しております。



お読み下さりありがとうございました。

なるべくリズム良く、七五調になるようにまとめました。台詞のところだけ、リズムを崩して変化をつけました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] うわ~しみじみと感じ入りました。 砂時計の砂粒は戻りませんものね。 砂時計という小さなものの中に、果てしない気持ちを感じることができました。 すごいな!と思いました。 読ませていただきあり…
[良い点] 私の中で美しい詩を書かれる作家さまのトップ2のうちのおひとりが澄乃さまです! 心の雫という表現が素敵ですね。 七五調で綺麗にまとめていらっしゃって、さらには繰り返された、返すと上下、効果的…
[良い点] 七五調 読もうと思って きてみたら すでによんでた 感想書いてた [一言] だから感想返し返しで! 『無常は世の常 ああ無情』 ここ! めっちゃクールです! かっこいい!
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