買い物
買い物
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「ついに来てしまった...」
僕は、近くのデパートの服売り場の前にいた
「さあ、いつまでもそんな服着てないで買いに行くわよ」
「ヘーイ」
「返事は『はい』でしょ!」
「はい」
よろしい、と言うと母さんは一人で行ってしまった
「待ってよ」と言って追いかける
ちなみに、今の僕の格好は上に半袖を着てカーディガン、下にはジーンズである
カーディガン以外は僕の服である、何がダメなのか僕にはわからない
それにしても、なんかよく見られている気がするまっいっか
そして、僕は店に着いた瞬間に固まった、いや固まらなかったらもう、男では無いと思う
「何してるの?早く入って来なさい」と母さんはのんきに呼んでくる
僕は内心でものすごい葛藤していた
いやだって、下着屋だよ女物の
いや今は、女にしか見えないけど心は男だよ?
なんか、申し訳ないやら何やらで顔真っ赤だよ?
いや、でも今のうちに慣れておかないと後々大変になるし...
よし、わかったもう開き直って入っちゃえ‼︎
そして30分後...
僕は顔を真っ赤にして出て来て心に誓った『今度から、絶対一人で入る』と
中で何があったか簡単に説明しよう、まず入ったら母さんに大量の下着を渡されて全部着させられて
ぐったりしたところで、ちょっとアレな下着を持ってこられて湯気を出しながら着た
そしたら、「さあ、買うわよ‼︎」
て言って全部買いそうになったから止めようとしたけど、この体筋力がないからほぼ買われてしまった
絶対着ないと決めて出て着たのである
ちなみに母さんは上機嫌である
母さんをここで上機嫌にしとけば、後の買い物でかなりマシなものを選ばせてくれるはず...だよね?と言うかそう願いたい...
「さあ、どんどん行くわよ‼︎」
「はい...」
僕は、母さんに引きずられながら服屋に行った
20分後..
よし‼︎なんとかなったぞ‼︎
僕は内心ガッツポーズをしていた
え?なぜ内心かって?そりゃ母さんが隣にいるからだよ
ちなみにこの店ではスカートを売っていた
母さんがすごい勢いで行こうとしたから、止めるの大変でした
しかし、その努力の果てにスカートは3着だけになりました、拍手
なぜ3着あるかって?うん、まあ、少しは女の子っぽくしなきゃ母さんに睨まれるからだよ!
「母さん」
「うん?なあに?」
「腹減った」
僕が思ったことを言ったら、げんこつを落とされた
「⁉︎」
僕が目を白黒させると
「お腹が空いたでしょ?」
と眼だけ笑ってない笑顔を向けてきた
「はい」
よろしい、と言うと
「確かにもうお昼ね、何食べたい?」
「ハンバーガー」
「わかったわ、注文する量はお母さんが決めるからね」
「はい」
確かに、この体になってから食べる量減ったよなあ
こんな量で足りるのか心配するぐらい
なんて考えてたらハンバーガ屋に着いた
「お母さんが注文してくるから、席を取っといてね」
「はい」
と言って席を取りに行くと
そこに拓真と京介がいたちなみに京介とは中学時代にダチになった
拓真と出会ったのは幼稚園である
おーい、と言いそうになって慌てて口を紡ぐ
今の僕は、自分で言うとナルシみたいだが美少女である
今言っても信じてくれないだろうし、人目がある二人にバラすのは学校に行ってからにしよう
僕は窓際に座ってクラスメイトについて考える
...クラスにはあまり知っている奴はいなかった、学年でも3、4人いるかいないかだろう
そこまでバレる危険性はないから別人のふりをしよう
多分大丈夫だ..多分
「取ってきたわよ」
母さんはそう言うと本当にちょうどいい量を持ってきた
「ありがと母さん、ところで僕の秘密は誰なら行っていいの?」
「そうね〜」
う〜ん、と言って
「とりあえず先生の方にはお母さんが伝えておくわ、あんたはとても仲のいい友達にならいいわよ、だけど人の目には気をつけて」
「わかった」
「じゃあささっと食べて帰りましょうか」
「うん」
僕と母さんは10分で食べて帰った
車の中で
「それにしてもあんたすごく見られてたわね」
「うん、すごく緊張した」
「もう今日は疲れたろうから家に帰ったら風呂に入って寝ちゃいな」
「わかった」
その日はそのまま寝てしまった
夢の中で『キ . . . . 』
と言う声が聞こえた気がした
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次回は学校です