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ゴブリンサバイバー〜転生したけどゴブリンだったからちゃんと生き直して人間になりたい!〜  作者: 坂東太郎
『第四章 港町 デポール』

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第一話 港町デポール目指してほかの村のニンゲンも合流してきてゴブリオ見せ物じゃないゴブよ?

『ゴブリンサバイバー 1』5/25発売!

感謝の毎日更新です!


『おかえりなさい、デラっち、リオちゃん!』


『あらプティ、シニョンさんとアニキさんはいいの?』


『もーおかーさんったら、いま言うところだったの! シニョンおねーちゃんもアニキさんもおかえりなさい!』


 合流した俺たちを迎えてくれたのは、漁村・ペシェールの宿屋〈斧槍亭〉の看板幼女プティちゃんと若女将だった。

 といっても二人も港町に避難する途中で、宿屋は関係ないけど。


『おう、帰ってきたか〈ストレンジャーズ〉。首尾はどうだ?』


『グレイウルフが三匹、オオカミ二匹、ゴブリン十匹。殲滅してきたゴブ!』


 続けて俺たちに話しかけてきたのは、漁村の冒険者ギルドの職員、コワモテのおっさんだった。

 おっさんは陸路で避難する漁村の村人を取りまとめながら、護衛の冒険者も指揮してる。


 シニョンちゃんが言うには、おっさんは元々〈果ての森〉に面した街の冒険者ギルドマスターだったらしい。

 おっさん、ただの親バカじゃなかったゴブな! でも娘が冒険者ギルドで働くのが心配だから勝手に異動してきたってやっぱりただの親バカゴブ!


『おお、やるじゃねえか! この短時間でオオカミ系五匹とゴブリン十匹も殺るなんて!』


 俺たちの成果をわざわざデカい声で言うおっさん。

 まわりにいた漁村の人たちも、ガヤガヤ大声で騒ぎ出す。


『おいゴブリンを殺ったんだってよ!』


『さすが〈ストレンジャーズ〉、ゴブリン狩りにはもってこいだな!』


『がんがん削りゃ5000もなんとかなるんじゃねえの?』


 なんて、口々に。

 あんまり騒がしいもんだから、まわりの人たちまでこっちを見てくる。

 合流した、()()()()()()も。

 アピール下手かよ! みんなわざとらしすぎるゴブ! 『すごいすごーい』って喜んでるプティちゃんは純粋ゴブなあ! おうおう、ゴブリオ見せ物じゃないゴブよ? でもおひねりくれたら考えてやってもいいゴブよ? ゲギャギャッ!


 漁村のみんなの気持ちはうれしい。

 ゴブリンな俺とオークなオクデラを、信じて受け入れてくれてるんだって。


『それで、情報は手に入ったか?』


『んー、コイツらは何も知らなかったゴブ。本隊に戻れとは言われてたらしいから、偵察っぽいんだけど』


『それだけわかりゃ上出来だ。やっぱ【ゴブリン語】がわかる〈ストレンジャーズ〉は使えるな!』


 いやおっさんしつこいから!

 うれしいけど俺たちがいないところでやってほしいゴブ!


『オクデラさん、斧槍の調子はどうですか?』


『コレ、強イ! オデ、敵倒ス、女将、プティ、守ル!』


 はいそこいちゃいちゃしない!

 未亡人が夫の形見の斧槍を貸し出して、新しい持ち主と会話するってなんかNTRの気配がするゴブ! プティちゃん、『デラっちはおっきくて強いんだね!』じゃないから! オクデラはEDのままだから! おっとそういう意味じゃないゴブな! ゲギャギャッ!


『おっさん、俺たちはまた周辺の警戒に行ってくるゴブ』


『気にするこたァねえんだぞ? そりゃ漁村の村人でも複雑な顔してるヤツはいるがよ、おまえらの活躍は認めてんだから』


『みんな優しいゴブ』


『ほかの村の連中にも何も言わせねえよ。お前たちは〈漁村・ペシェール〉の冒険者なんだからな』


『おっさんも優しいゴブ!』


『コワモテなのに?』


『コワモテ、なのに! あと親バカなのに!』


『おい親バカは関係ねえだろ! おっとコワモテも関係ねえか!』


 おっさんとゲギャグギャ笑い合う。いやおっさんはフツーに笑ってるだけだけど。

 ゲギャグギャ笑ってるのは俺だけでした! しょうがないよね俺ゴブリンだから!


『じゃあ、行くゴブ』


『わかった。オオカミとゴブリンの報酬はどうする?』


『あとでまとめてもらうゴブ! どうせいまは使い道ないから!』


『まあ店もやってねえからな。おう、気をつけていけよ〈ストレンジャーズ〉!』


 コワモテのおっさんと若女将とプティちゃんと村人に見送られて、俺たちはまた道を離れる。


 港町まで続く道は片側が海に近くて、反対側は草原だ。

 草原を越えると木が増えて森になる。

 道にはアップダウンがあって海側は崖になったり砂浜になったりするけど、基本的に地形は変わらない。


『シニョン、すまないゴブ。シニョンは村人といられるのに』


『もうゴブリオさん、怒りますよ? 私も〈ストレンジャーズ〉なんですから!』


 俺とオクデラと違って、シニョンちゃんはニンゲンだ。

 避難する人たちから離れて、草原や森をうろつく必要はない。

 治癒の魔法を使えるんだから、護衛じゃなくて回復役として避難民と一緒にいた方がよっぽど役に立つだろうし。


 でも、俺たちのせいでって謝ったら、シニョンちゃんはぷんすか怒り出した。

 シニョンちゃんにとっては、俺たちと一緒にいることが当たり前らしい。

 くっ、ゴブリオちょっと照れちゃうゴブ!

 シニョンちゃんといい漁村の村人といい、俺はまわりに恵まれてるゴブな!


『ゴブリオ、敵、イタカ? オーク、イタカ?』


『落ち着けオクデラ。狩りは静かにと教えただろう?』


 オクデラもアニキも、俺と一緒にいてくれるし。

 でもほんと落ち着こうなオクデラ! オークを滅ぼしたい気持ちはわかったけどちょっと殺る気満々すぎだから! 純情弱気の頃を思い出して!

 あ、ぼっちは思い出さなくていいゴブよ? オクデラには俺たちがいるからね! 照れるから言わせないで欲しいゴブ! いま言ってないけど! ゲギャギャッ!


 漁村の村人に、ほかの村のニンゲンが合流したけど、とりあえず俺とオクデラが襲われることはなかった。

 アニキ? アニキはリザードマン枠だからね。

 ほらリザードマンなら港町に入れるらしくて、この辺じゃ受け入れられてるから。


 まあ謎種族なアニキはいいとして、問題は俺とオクデラだ。

 襲われることはなかったけど、ほかの村のニンゲンからはやっぱり奇異の目で見られてるし、疑いの目を向けられてるのは確かだ。

 だから俺は、余計な面倒にならないように、ちょっと離れたところで警戒と殲滅を担当してる。

 ニンゲンと合流する時も、シニョンちゃんとアニキを先に行かせればいきなり襲われることはないでしょたぶん。ないよね? ないって信じてるよ?


 でもあと二、三日して、港町が見えてきたら。

 護衛や周辺の警戒が必要なくなって、みんなの避難が終わったら。


 そろそろ、決めておかないといけないゴブなあ……。


 まあ決めるまでもなくシニョンちゃんのスキル【受難LV2】と称号【運命神の愛し子】に導かれてる気もするけどね! 困難のハードル高すぎゴブゥ!



次話、明日5/25(木)18時更新予定です!


明日25日が書籍版『ゴブリンサバイバー 1』の公式発売日!

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