『自己紹介 』
少し遅れました( i _ i )今回もよろしくお願いします!
コンコン。
古い木で出来た大きな家、此処にサラスという人物が住んでいるらしい。
それは森の奥深くにあり、まるで何かから身を隠すように家は建っていた。
アイリスやロリより大きな扉をノックする。
少し時間が経つと大きな扉は音を立てながら開いた。
「おっせぇ……うわぁ」
扉を開けたのは路地裏でアキラを攻撃して来たメイルという少女だった。
メイルは明らかにアキラを見て嫌な顔をした。
どうやら第一印象が悪かったのはロリだけじゃなかったようだ。
メイルは嫌がりながらもアキラを家の中に入れてくれた。
中は外見と違って綺麗だった。
豪華なシャンデリア、新品のような机やソファ。
アキラは目を輝かせた。
「サラスー、新入り来たぞー」
ロリが少し声を張り上げ名前を呼ぶと、奥の扉が1人でに開いた。
「歓迎するよ」
出てきた人物をアキラは知っていた。
アキラが殺された場所。
あの冬の日の公園に薄着で独り佇んでいた少女だった。
元を言えば学校をサボって公園で時間を潰していた自分が悪いが。
この人には聞きたいことが沢山ある。
「座って話でもしよう、アイリスお茶を頼む」
アキラとサラスが同じ席に向かい合わせで座るとアイリスが直ぐにお茶を持って来てくれた。
紅茶の良い香りが部屋中に充満する。
カップを全て起き終わるとアイリスはアキラの座っている方に座った。
ロリとメイルはサラスのいる方に座っている。
どうしてこっちにアイリスが座ってくれたのかは分からないが、アキラは心の中でガッツポーズをした。
「それじゃ、自己紹介でもしようか」
サラスはアイリスが座ったことを確認すると口を開けた。
「私はサラス・テイラー、この家の主人にして最年長だよ」
サラスの見た目は少し気の強い女性という感じで、背もアキラほどではないが女子の中だと一番高いだろう。
「私はシャル・フィリップス、見た目は伏せる……だけど19だから」
「……って言うか自己紹介いらなくね?辛気臭ーし」
ロリの自己紹介が終わると言葉を挟んで来たのはメイルだった。
その顔は怒ってると言うより焦っているような顔だった。
「そこの口の悪い奴がメイル・フォーサイス、見た目によらず恥ずかしがり屋な女の子だよ」
そんなサラスの言葉にアキラはメイルを見た。
顔を真っ赤にさせているのはメイルだ。
その顔を見たアキラは分かった。
メイルが自分の自己紹介の前に口を挟んだのは恥ずかしかったからで、サラスはそれを煽ったんだと。
アキラはメイルを煽るような目で見た。
もちろんわざと。
「っ!て、てめぇ!何だその目は!やめろぉ!」
さらに顔を真っ赤にさせるメイル。
この反応は新鮮でとても面白い。
サラスはアキラを見るとナイスと言わんばかりのグッドサインをしていた。
アキラもすかさずグッドサインを仕返す。
「お、お前ら勝手に分かり合うなぁ!」
席を立ち上がって訴えるメイルを見てアキラは思った。
メイルの立ち位置はいじられキャラだと。
「今は出掛けてて居ないが赤髪ショートカットの子がダリル・アルドリッチで、黒髪ストレートロングの子がロイ・スタンフォードだよ」
外国人のような名前に慣れていないからか頭が混乱する。
多分ここに居ない2人も女の子だよな。
女子6人に囲まれるって……まさにハーレム。
アキラは心の中で密かにガッツポーズをした。
「知らない奴も居ることだ、君も名乗ってくれるか?」
「あ、おう」
サラスの言葉にアキラは立ち上がった。
腰に手を当て息を吸い、吐いた。
「俺はハセ・アキラ、この世界の最弱ジョブじゃ負けなしだから、そこんとこよろしく!」
アキラは満足気に自己紹介を終えて皆の顔を見ると、シャルとメイルが首を傾げていた。
「ハセが名前?」
アキラはロリの言葉で何となく状況が分かった。
メイル・フォーサイス、シャル・フィリップス。
名前が先の奴等にとってアキラの名前はハセが苗字だと知らない訳だ。
でも名前と苗字が逆の奴だってこの世界に1人は居るはず。
アキラはそれを踏まえた上でもう一度自己紹介をしようと気持ちを入れ替えた。
「俺の名前はアキラだ、ハセは苗字」
アキラは2人の考えを正すように名前を教えた。
「ん、納得」
ロリもメイルもアキラの簡単な解説で理解出来たらしい。
異世界にも苗字が先の奴が居るらしい。
この自己紹介を此処に居ない2人にも言わなきゃいけないとは、中々な難解。
説明するのがじゃなく、同じセリフを2度言わなければならないことが。
「さぁ本題に入ろう、アキラ……君は何から聞きたい?」
眼の色を変えたサラスの言葉に部屋の空気をもが重いものへと変わった。
ありがとうございました!まだ登場していない2人の少女はどんな子でしょうね。