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23.余燼

気付いた頃には、現場の捜査が始まっていた。



「クソ、戦闘の余波で死体の形すらちゃんと残ってねえ」


「戦闘中はそこまで気を回す余裕などありませんでした」


「まあ、この惨状を見るとそうなんだろうなとは思うぜ。見ろよ、多分風圧だけでここまで潰れてるぜこれ」


など、会話がなされている。



「書類は、見つからないですか?」


「捜査した限り、部屋に紙類は存在していません」


「……流石に、会議をしていて書類を用意していないことなどありえないでしょう。となると、持ち去られた線が濃厚ですか……」


考えが纏まらない。



「概ね探したが、手がかりは何もないと言っていいな」


「……報告はどうしましょうか」


「んなもん、俺が適当に誤魔化しておくから団長は気楽にふんぞり返ってていいんだぜ?」


「そうは行きません。結果的にここの調査をしたのがクラルスさんだったから無事だっただけで、他の隊員だった場合はその隊員は死んでいたでしょう」


「だから、その辺も含めて考えるのが副団長の仕事なんだよ。俺の頭をちょっとは信用してくれ」


頭が、重い。



「──クロン君?」


クラルスのその声で、我に返った。


「……あー、一瞬寝てたかも」


昨日夜3時まで起きてたせいだろうな。


「そうかい?私たちは捜査が終わったから詰所に戻るけど、クロン君はどうする?」


僕がついていなきゃいけない状態は終わったということだろう。


なら。


「僕は今日は早めにログアウトしようかな」


眠気を思い出すと、眠い気もしてきた。


「だから今日はお疲れ、クラルス」


「……お疲れ様。遅れたけれど、私の魔法を完成させてくれてありがとう」


どういたしましてが言えなかった僕は、背中越しに片手を上げて答えた。



僕は敗北感を噛み締めながらログアウトした。

二章が書き上がったらまた会いましょう。

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