第五十三話 メタ発言連発!?情緒不安定な玲斗さん!!
「俺さ、作者に嫌われてんの?」
全力でマリカを楽しんでいた私達に、玲斗はいきなりズゥンとした雰囲気で聞いてきた。
今はクリスマスも、大晦日も、正月も終わり、新学期が始まってからだいぶ経つ。
「なに?今更そんなメタい話しして」
「未来、メタいとか言うな。余計メタくなるだろ」
霧やんがバナナの皮を踏んでずっこけたあと、崖から落下した後の絶望の顔で言ってきた。
まず、私は玲斗がそんなふうに言う意味がわかんないんだよね。
「なんでそう思うわけよ」
「だって、作者俺の誕生日祝わなかったじゃん!」
「そんなん言ったら大晦日も正月も私達の物語出されてないじゃん」
「未来、クリスマスの話忘れてんぞ」
「クリスマス?そんなのあったっけ?」
「未来!?」
なーんにもないけどなー?
クリスマスなんてただ普通にチキン食って終わったけどなぁ??
何かあったっけー??
玲斗がめっちゃ睨んでくるのは置いておいて、まあ、私達の物語は霧やんのカンニング事件後の玲斗窓割り事件から進んでいないわけだ。
「なんで俺達の物語は進んでないんだよぉ……。いろんなイベントあったじゃんかよぉ……」
「そうは言ってもねぇ……。作者も受験期だし大変なんだよ」
「他作品や短編は出してんのに?」
それを言われると何もいえなくなるだろうが。
霧やんがうーんと考え込んでから、「あっ!」と声を上げた。
うわっ、なんかすっごく嫌な予感……。
「作者は最近異世界転生サスペンス系を大量に投稿してるらしいし、現代ラブコメには飽きたんじゃねーの?」
その言葉により、玲斗はさらに落胆した。
「ちょっと霧やん、余計なこと言わないでよ!」
私は前を走る霧やんに赤甲羅を投げつけてやった。
情けない声を出しながら急いでアクセルを踏むが、その先は崖で霧やんは見事に最下位になった。
「でも事実じゃん?俺達よりも遅く始まった物語が、もう九十話突破してんだぞ?恐ろしいよな」
「……やっぱ俺達、捨てられたキャラなんだ」
一番最初にゴールした玲斗が、今にも奈落に落ちそうな声を出す。
「被害妄想が過ぎる」
「まだ生きてるだけマシだろ。打ち切り並みに無理矢理元の体に戻りました!展開がないだけマシだ」
最下位でゴールした霧やんがなぜか偉そうに言う。
「異世界では毎日なんかしらの事件みたいなの起きて、魔法とか使って戦ったりしてんだろ?それに比べべ俺達何!?マリカしてダベってるだけじゃん!」
「平和でいいじゃん」
「むしろ中高生として正しい。人死なないし、異世界行かないし、どっかの誰かさんの成績もギリギリだし」
「最後のそれは余計だろ。……でもさ、俺思うんだけど」
霧やんが急に真面目な声になる。
嫌な予感第二波が来たんだけど。
やめてね?
自分で言ったことに全力で落ち込んだりするのは。
「この世界ではちゃんと時間進んでるじゃん?でも、時間が進んでる割に物語は進まないよな。あははははっ!」
霧やんの乾いた笑いがやけに部屋に響いた。
……うわぁ、これ一番ダメな笑い方だ。
私も玲斗も労るような目を霧やんに向ける。
「霧やん」
「ん?」
「それ、自分で言って傷つくやつだよ?」
「もう遅いわ」
霧やんは明後日の方向を見ながら言った。
おい、現実を見ろ、現実を。
「俺達、作者の保留フォルダに入れられてるんだろうな……」
「フォルダ言うな」
「せめて下書きにして」
霧やんが肩をすくめる。
「まあ、まず私達の物語は入れ替わりの日常ラブコメだからね!ネタ切れにもなるよね!」
「そうだな!前向きに考えよう!きっと作者は周囲の人間からネタをかき集めてて、受験期に入ってみんな真剣モードになっちゃってるからネタがないだけなんだな!」
玲斗がそう言うと、沈黙が訪れる。
知らず知らずのうちに作者の精神を削っているような……。
「で、なんで作者が俺達の話を急に書き始めたのか。それはきっと、今まで蔑ろにされていた分まで書いてくれるってことだろ!」
霧やんが明るく言った。
あっ、じゃあ次回からのエピソードは私達のこれからじゃなくて、これまでの物語になるってことかな?
それを理解した私は玲斗の方を見た。
玲斗もそれを理解したようで、めちゃめちゃ明るい顔をしている。
やめてよ。
私の超絶美人な顔でそんな顔するの。
我ながら眩しいよ。
「「「と、言うわけで、玲斗の誕生日からお正月までにあった出来事を次回から振り返るので、お楽しみに!!」」」
みなさんこんにちは春咲菜花です!二ヶ月も更新しなくて大変申し訳ありませんでした!リディールの物語はスラスラネタが出るのに、未来の物語は全くネタが出ないんですよ……。読者のみなさんをおまたせしてしまって大変申し訳ないです。今回以降、しばらく書きそびれたイベントなどを書いていこうと思うので、優しく温かい目で応援してくださると嬉しいです。




