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転落事故で入れ替わり!  作者: 春咲菜花
騒がしい日常編
53/58

ハロウィンスペシャル!!③

前回までのあらすじ

手短に行くよー!私、合崎未来の彼氏、川島玲斗に浮気疑惑が浮上した。

――数日後 放課後


今日はハロウィンだし、晩ご飯はかぼちゃ系にしようかなー。

そんなことを考えながら、日直の仕事を終えた私は、教室に戻った。

遅くなっちゃったし、誰もいないだろうな。


「―――」

「――」


あれ?

教室から声が聞こえてきた。

誰かいるのかな。

教室を覗き込むと、愛華と玲斗がいた。

何してるんだろう。


「いいか?未来には絶対に気づかれるなよ」

「分かってますとも。でも、このままだと玲斗、未来に誤解されるよ?」

「いいって、そうしてでもやりたいことがあるんだ」


やりたいこと?

玲斗は誤解されるのはあまり好きじゃない。

なのに、誤解されてでもやりたいことって何?


「まあ、変なところで鈍感な未来は気づかないよね」

「そうだな。今日は晩御飯の当番と日直で遅くなるみたいだから、とっとと家帰るぞ」

「やーん、玲斗ってばだいたーん」


あ、まずい!

こっちに向かってくる二人から逃げるために、私はトイレへ猛ダッシュした。


「ん?誰かいるのか?」

「……誰もいないね。早く帰ろう。未来に見つかるわけにはいかないんだから」


聞こえてくる二人の声に胸が締め付けられる。

惨めだな。

愛華が好きならそう言ってくれればいいのに。

私はトイレを出た。

そして、教室に行って帰る準備をし始めた。

理科のワークと、あと数学小テストが明日あるから、これも持って帰らないと。


「合崎さん!川岸千草からノートを取り返した……よ……」

「え……?」

「ちょっと!なんて顔してるのよ!!」

「顔のことは言わないでよ〜。玲斗がキレるよ?」

「そういうのいいから!あんた今、泣きそうな顔してるよ!?」


図星だった。

愛華と玲斗が浮気しているかもしれない。

どうしよう。

捨てられちゃう……。


「村瀬さん……家、帰りたくない……」

「……うちに泊まる?好きなだけ話を聞くわよ」

「…………じゃあ――」


◇◆◇


「はあ!?未来が帰ってこない!?」

「そうなの!」


愛華が焦ったように言う。

未来のために色々準備してたのに、いなかったら意味がないじゃないか。


「霧やんは!?」

「祝われました」


本日の主役タスキをつけた霧やんが満足げに


「お前だけじゃ意味がないんだよぉ……」


俺や愛華、千佳はみんなで学校から帰ってすぐに、家の飾り付けをしていた。

今日はハロウィンでもあり、未来と霧やんの誕生日でもあるからだ。

未来を避けていたのは、関わるとサプライズ計画をバラしそうだったからだ。


「玲斗が冷たすぎて家出したんじゃないのか?」

「未来がそんな繊細なわけないだろ?」

「そうかな?未来、お前に避けられて悩んでたけど?」

「…………」


悩む?

未来が?

俺のことで?

そんなはずないだろ。

ある程度一緒にいたつもりだったし……。


「ずっと傍にはいたけど……」

「ずっとではないだろ?いつもの半分以下の時間しか一緒にいなかった。ずっと傍にいだ人が、突然自分から離れていったらどんな気分?」


俺は未来が俺から離れていくことを想像した。

……嫌だ……。

未来が俺から離れるなんて許せない。


「まあ、未来がどんな気持ちかは知らないけど、いじけてるだろうね。立花も玲斗もよく考えれば、こうなることくらい分かっただろ?」

「で、でもサプライズをしたくて……」

「サプライズのために未来を傷つけるの?」


そう言われたらぐうの音も出ない。

避けることが未来を傷つけてるなんて思ってもみなかった。


「未来とサプライズを天秤にかけることすらできない人達に、誕生日を祝ってほしくないな」


霧やんはタスキを外して、椅子にかけた。

俺、やらかした……。

霧やんはうつむく俺の肩に手を置いた。


「未来は村瀬さんの家にいるって。迎えにいきな。未来が許すなら、祝われてあげる」


上から目線だな。

いつもならイラつくけど、今回は霧やんが正しい。

外では雨が降っていた。

一刻も早く未来を迎えにいきたい俺は、傘もささずに家を飛び出した。

雨が目に入ったりするけど気にしない。

また風邪引いたら、未来は怒るかな。

怒って欲しい。

それから、傷つけた分好きって言いたい。


「未来……っ!」

「なに?」

「え?は?ぐふぅぅぅううう!!」


俺の声が聞こえて、俺は勢いを殺せずに転んだ。

顔を上げると、そこには俺がいた。

つまりは未来がいた。

未来は傘をさして、俺を見ている。

俺は思わず未来に抱きついた。


「み、未来ぃ!!」

「や、やめ……やめろぉ!!」

「ごめん!傷つけてごめん!!」

「え?何を傷つけるって?」

「は?」


◇◆◇


「ぎゃっはははははは!!」

「ちょっと霧やん笑いすぎ!!」


私と玲斗は家に帰って、シャワーを浴びたあとに誤解を解きあった。

別に玲斗は浮気してないこと。

私を前にしたら本音が出すぎるから、サプライズのために避けてたこと。

愛華や千佳を名前呼びし始めたのは、ババ抜きで負けたからだということ。

それらすべてを素晴らしく美しい土下座で謝罪された。

私は村瀬さんの家には行ったが、別に傷ついていたわけではないこと。

最初から愛華と千佳の愛は舐めてなかったこと。

そして、モヤモヤしたけど自分達の愛を疑ってなかったことを話した。

一瞬疑ったけど、村瀬さんに目を覚まさせてもらったこともね。

そしてこのザマである。


「まじできりやんのツボわからん」

「それな」


私はいつまで経っても笑うのをやめない霧やんのために、一冊のノートを取り出した。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

闇が囁く。

また俺を呼ぶ。

この右手に宿りし“封印された力”が暴れだしそうだ。

——クッ……!制御できねぇ……ッ!

世界は俺を理解しない。

凡人どもには見えない真実(トゥルー)があるのに、

奴らは笑うだけさ。

いいさ。

どうせ俺は孤独な堕天使。

羽はもう千切れ、

黒い血涙を流し続けている。

それでも……

俺は戦う。

この呪われた宿命(さだめ)に抗うために。

来いよ、運命(デスティニー)

俺の(ソウル)を試すってんなら、

噛み砕いてやるよ。

この世界救えるのは俺だけだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ぶっ」

「くくっ……」

「ぶはっ……」


玲斗、愛華、千佳が笑いをこらえる声が聞こえる。

私はようやく見つけ出した霧やんのポエムノートのポエムを、玲斗のイケボで読み上げたのだ。

霧やんは固まっていて、顔面蒼白だ。


「だははははっ!!運命(デスティニー)!!」

(ソウル)ー!!」

「笑っちゃ駄目だよ二人と――ぶふっ」

「そーだよ!霧やんは年頃なの!馬鹿にしちゃ駄目だよ!!」


私が言うと、霧やんは顔を真っ赤にして叫んだ。


「馬鹿にしてんのはお前だよー!!」


こうして誤解まみれの誕生日は、賑やかで楽しい時間で幕を下ろした。

ハッピーハロウィン!

みんなの今日が、いい日になりますよーに!!

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