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第四十二話  ファンクラブとか知りません!!非公認のファンクラブ会員!!

前回までのあらすじ

体育祭続きの合崎未来だよ!!もう終わると思われた体育祭に、まさかの新キャラ登場で長引いている体育祭(ネタ切れなんだろうね)!!すべての競技を終わらせたあとの自由時間で、私の彼氏の川島玲斗のストーカー+ファンクラブ会員の川岸千草が乱入!!玲斗のプライバシーは大崩壊!さらに!私のファンクラブがあることも判明!どうなってんだこの学校!!

「ただ一つ問題があります。合崎未来のファンクラブはガチ恋OKなんですよ」


ちょっと待て。

私のファンクラブもあったの?

玲斗も驚愕してるし。


「あれか」

「あれね」

「あれだな」

「あれだね」

「あれやん」

「あれじゃん」


おい、多種多様の「あれ」を言うのやめろ。

てか何で知ってるんだよ。

玲斗が霧やん達の方を向いた。


「はーい、この中で未来のファンクラブ入ってる人〜」

「「「「「「はーい」」」」」」


え?

見間違い?

全員入ってるんだけど?


「ちなみに俺は玲斗のファンクラブも――」

「抜けろ、絶縁するぞ」

「ひでぇ」


嶺音が玲斗のファンクラブにも入っていることを話そうとするも、玲斗が鬼の形相で胸ぐらを掴んだ。

嶺音のことだから抜けなさそうだな。

長い付き合いだからな。

よく分かる。(※出会って数時間)


「話を逸らさないでください」


うっわ、さっむ!

え?

川岸さんもブリザード使い?

久しぶりの感覚すぎる。


「それで、合崎未来ファンクラブはガチ恋ありきなんですよ。つまり、玲斗くんは危険状態なんです」

「へ?」

「聞こえませんでした?玲斗くんの命が危険です」

「命が!?」

「おっとマジか」


玲斗は死ぬのか。

可哀想に。


「他人事だな!!」

「私は安全が保証されてるからね」


私のファンクラブよりも玲斗のファンクラブのほうが安全ってなんだよ。

ていうかまずファンクラブってなんだよ。


「文化祭の出し物決めの際、玲斗くんの一日観察日記があったと聞きました」

「あー、あったな」


文化祭の出し物の大半がろくでもないものだったんだよね。

メイド喫茶、カエルの解体ショー、バナナの皮向き対決、脱出ゲーム、お化け屋敷、人体パズル早組み対決、川島くんの一日観察日記。

ギリオッケー、アウト、おもんない、普通、普通、おもんない、どうでもいいの並びなんだよね。

クレイジーな人が多いクラスなんだよね。


「私達ファンクラブ会員はあまり表に出てはいけない決まりなので、本当は見たかったんですよ。やってほしかったんですよ!でも、決まりだから……!」「ちなみに、玲斗のファンクラブ会員はうちのクラスにはいるの?」

「虫ケラのようにいますよ」


虫ケラて……。

ていうか点が繋がったな。

玲斗のことが好きな女子なんて、星の数ほどいるけど、誰一人として告白をしなかった。

それはファンクラブのタブーだったから。

そして、文化祭の出し物決めの時に、玲斗の観察日記に投票したのが霧やんだけだったという事実。

女子が何かと戦っているような顔をしていたのはこれか。


「私も!他のみなさんも!玲斗くんの観察日記が見たかったのに!!」


しゃがんで地面を殴る川岸さんに軽蔑の目を向ける。

この人マジでアイドルの追っかけしてる限界オタクじゃん。


「分かるー!!」

「うわっ!びっくりした。急に叫ばないでよ!バカやん」

「誰がバカやんだテメェ」


霧やんが川岸さんの手を取って、ブンブンと振り回した。

あー、そういえば霧やんはオタクだったな。

玲斗のファンだったのは初耳だけど。


「川岸!俺はファンクラブのタブーを犯してまで票を入れたのに……!カエルの解体ショーとお化け屋敷が同率だなんて……!」

「共感します!カエルの解体ショーはともかく、お化け屋敷って何ですか!?ふざけてるでしょ!」

「ふざけてんのはテメェだよ!」


玲斗が鋭くツッコミを入れる。

今日も今日とてキレッキレですなー。


「誰ですか?お化け屋敷とかいうしょーもない出し物の提案したのは」

「コイツ」

「コイツです」

「コイツだ」

「コイツだよ」

「コイツよ」


私も霧やんも千佳も愛華も村瀬さんも、全員が玲斗を指差した。

川岸さんは頬を引きつらせた。

私達は玲斗から目を背けた。

あーらら。

私知らねー。

背中が冷たいのは玲斗のブリザードのせいだ。

気にしない気にしない。


「空キレー」

「あ!見ろよ未来!あの雲、うんこに見えねぇ!?」

「下品」

「不潔」

「死ねよ」

「言い過ぎで草」


私はチラリと玲斗の方を見た。

笑ってるのに笑ってない玲斗に怯える川岸さん。

なんか可哀想に見えてきたな。

仕方ないな。

私は吹雪を発生させている玲斗に抱きついた。


「ぬあぁあ!?」

「落ち着いて」


よし、あとは上目遣いだ。


「ね?」


玲斗の両手が不自然に動く。

そして、それは顔を覆った。


「どうだ!愛しの彼女の上目遣いは」

「……複雑」


そういえば私の顔、玲斗だったな。

実質鏡に映る自分に上目遣いされてるみたいな感覚だろうし、複雑極まりないな。


「私達は何を見せられているのでしょうか」

「安心しろ、いつもこんな感じだ」

「霧山くんはよくこんなの毎日耐えれますね」

「砂糖吐きそうになることもあるけどな」


おーい、しっかりガッツリ聞こえてるよ〜?

そんなこと言うなら庭に放り出すよ〜?

よかったね、玲斗に聞こえてなくて。


「きったねっ」


玲斗が小声で言った。

しっかり聞かれてる〜!

比喩だからね?

霧やんが砂糖製造機になるわけじゃないからね?

玲斗さんは国語、英語などが苦手だ。

だから、比喩も熟語も英単語も漢字も文法も、何一つできないのである。


「玲斗、1+1=?」

「2?」

「500×888=?」

「444000」

「1÷0=?」

「Error」


即答かよ。

てか何で1÷0=Errorだって知ってるんだよ。

この数学バカが。


「あ、川岸さん」

「なんです?泥棒猫」

「うん、色々ツッコミたいけど、一つ訊いていい?」

「どうぞ。私に答えられることであれば、何でも答えますよ。早くしてください強欲ババア」


この野郎!

同い年に向かってBBAはないでしょ。


「ぶっ……!ククッ……」


玲斗が急に吹き出して笑い始めた。

おっと?

嫌な予感が……。


「BBA溶液……。ブハッ」

「おいぃぃいいいい!!まだ擦るかテメェ!!笑ってんじゃねぇぞ!!」

「む、無理……!」

「いい加減忘れろ!!」

「無理……!墓まで持ってく(※秘密を他言せずに死ぬ)から」

「お前意味分かってないだろ!!」


おっと、話が脱線したな。

私は改めて川岸さんに向き合った。


「玲斗のファンクラブを作ったのは誰?」

「校長です」


あー、そっか。

校長が……。

校長!?

え?

校長って言った!?

聞き間違いだよね。

うん、多分こう・ちょうさんだな。

外国人の人かぁ。


「こう・ちょうさんは何組の人なの?」

「校長は校長室にいますけど?」


聞き間違いじゃなかったぁあぁああああ!!

何やってんの!?

校長がファンクラブ会長とか聞いたことないんだけど!?


「私のは……?」

「校長です」


校長ぅぅぅぅうううう!!

マジで何やってんの!?

私は頭を抱えた。

本当に聞いたことない。


「合崎未来」


川岸さんが私の肩に手を置いた。

なぜにフルネーム。


「私はあなたに感謝してるんですよ」


え?

何で?

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