第四十話 なんかキャラクター増えましたよ!?とってもカオスな体育祭結果発表の待ち時間!!
前回までのあらすじ
みんなー!!合崎未来だよー!!延期に次ぐ延期でようやく始まった体育祭は波乱続き!!親友の立花愛華の企みは見事達成され、今まで川島玲斗と私のカップルしかなかったこの物語に、愛華と私の幼馴染の斎藤千佳のカップルが誕生!さらには友達の霧山瑠輝にも好きな人がいることが判明!!玲斗に告ったクラスメイトの村瀬恵麻と玲斗の数少ない友達の紅木嶺音が元カップルだったことも判明!!そして、不正だらけの大玉ころがしを終わらせた私は、玲斗のお気に入りのハンカチを汚してしまった!!玲斗はかなりご立腹!どうする未来!!
私は玲斗に「やったね!」と言おうと、玲斗の方を見ると玲斗はブチ切れていた。
「それな!?俺のな!?お気にのな!?ハンカチな!?」
「……洗うから……」
「もうやだ、俺のハンカチがぁ……」
あー、とっさとはいえ申し訳ないことしたな。
私はしゃがんで玲斗の顔を覗き込んだ。
「私とハンカチ、どっちが大事?」
「うぅ……。未来ぃ……」
「うーん、お詫びに今週末、デートでもす――」
「する」
食い気味かよ。
◇◆◇
「さあ、体育祭の競技は全て終わりました!これより自由時間!他のクラスへ行ったり、好きにしていてください!ちなみに俺は苦手な計算をさせられます!」
うわっ、松原先輩は得点の計算するのか。
可哀想過ぎる。
というか……。
「玲斗、重いんだけど」
「何が?」
「何がって……」
玲斗は後ろから私の頭に顎を乗せて、私にもたれかかってきている。
だから重いのだ。
体重はそんなにないと思うけど、愛が重い。
「おーおー、二人でイチャイチャですかー?」
「よっ!バカップル!」
クラスの男子からそんな言葉が飛んでくる。
案外祝福されているらしく、「あんたなんか!」みたいな状況にはなってない。
「あー!川島くんと未来がイチャついてる!」
「うーわっ、邪魔してやろ!」
「霧山くん、惨めに見えてくるからやめなさい」
「恵麻〜!そろそろ口を利いてくれよ〜!」
みんなが私達のところに来た。
いつものメンバーが揃ったなぁ。
玲斗は体勢を直して、私の横の席に座った。
「で、霧やんはいつ彼女ができるわけ?」
「うるせーよ!!」
霧やんがブチ切れたー。
「この中で彼女以内のお前だけだぞ?」
「ねぇ、俺は?嶺音くんのこと忘れてない?」
「うるさい。駄犬は黙ってろ」
「酷くない?仮りにも親友じゃん」
「仮だからな」
「ぶっ殺すぞ」
仲がいいのか悪いのか。
そういえば、二人はいつから仲いいんだろうな。
ていうか、私の顔でガンくれるのやめてくれないかなー?
「お前いい加減にしろよ?誰のお陰でボッチ飯回避できたと思ってんだ?この顔面凶器野郎が!ああん?」
「そうだな、俺の顔は凶器になりうるほど整っているな」
おっとぉ?
全員が二人のやり取りを見て、笑いそうになるのを堪えている。
こんな面白い言い合いは見たことない。
ていうか、私の自意識過剰が玲斗に移ったな。
「ズラみてぇな髪しやがって」
「誰がズラだテメェ!ぶっ殺すぞ!やっぱ喋るゴミにはボッチ飯がお似合いだったんだな」
「ふざけんな誰が喋るゴミだ!このうんこ野郎!」
「バーカバーカ!」
「バカって言う方がバカなんです〜!」
「カバになれゴミが!」
「カバかゴミかハッキリしてくださーい」
「合崎さんのスレイブ〜!ヘタレ〜!カス〜!ゴミ〜!うんこ〜!」
誰のスレイブだって?
さらっと私もディスられなかった?
ていうか会話の内容小学生より下じゃん。
「やーいやーい!女装癖!!」
玲斗が嶺音に言った。
え?
嶺音は女装癖があるの?
全員の視線が嶺音に向く。
「あっ、あっ……ああ!!それは言わない約束だろ〜!!」
そう言って目に涙をためながら、玲斗の胸ぐらをつかんで揺らしている。
私はそっと村瀬さんの方を見た。
「ねぇ、別れた理由って……」
「こいつの執着心の強さと女装癖ね。自分が女装だから、私にも男装をしろって言ってきたりしてきたから別れたのよ」
「あー……」
「女装癖は別に否定しないわよ。でも、強要してくるから嫌だったのよ」
あ、女装癖はいいんですね。
村瀬さんの性格上、そういうのは受け付けませんみたいな感じだと思ってた。
「ところでさ、あそこにいる女の子、誰?」
私が指を指すと、みんながその方向を見た。
そこには小さな木にしがみつきながら、こちらを凝視する女の子がいた。
その子はおさげでメガネをかけている。
みんな知らない人みたいだけど、誰なんだろう。
私は女の子に近づいて話しかけた。
「ねぇ、誰かに用があるの?」
女の子は私をすごい形相で睨みつけた。
え?
私何かやらかした?
「――がう……」
「え?」
「違う違う違う違う!!そんなの全く玲斗くんじゃなぁい!!」
女の子は声を荒げた。
あー、またキャラ濃い人が来たなぁ。
ていうか玲斗の知り合い?
私は玲斗に視線を送った。
けど、首が取れるんじゃないかってくらい首を振っているから知り合いではなさそう。
「まずあなた誰?」
「私は二年二組の川岸千草です!そして何より玲斗くんのストーカーです!!」
「……は?」
思わず声が出てしまうほどの衝撃的な発言が出てきた。
玲斗は少し彼女から距離を取っている。
「私は知っていました。あなた達が付き合っていること、中身が入れ替わっていること、そして何より!同居していることを!!」
やだ、この子怖い!!
今まで会ってきた誰よりも怖いんですけど!?
「ちなみに君のポジションは?」
なんとなく訊いてみた。
玲斗が「おい、メタいと言うな」という視線を送ってくるけど気にしない。
「私は!体育祭限定キャラです!」
あー、そういう感じね。
はいはい。
もう終わるけどね。
体育祭。
出そうと思ってたけど忘れちゃってた系ね。
この流れ、絶対この後も出てくるやつね。
なるほどね。
今、メインキャラ誰がいるっけ?
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絶世の美女(天使)、合崎未来。
孤高の王子様(顔だけ)、川島玲斗。
伝説のポーマー(厨二病)、霧山瑠輝。
絶世の美女の親友、立花愛華。
絶世の美女の幼馴染(負け犬)、安済千佳。
絶世の美女の恋敵(ドS)、村瀬恵麻。
孤高の王子様の数少ない友達(女装癖)、紅木嶺音。
孤高の王子様のストーカー(自称)、川岸千草。
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結構いたな。
ていうか全員キャラ濃っ。
「玲斗くんの……玲斗くんの魅力はそんなものじゃないのぉ!!」
未だに叫んでいる川岸さん。
二組の人達は止めたりしないの?
私は二組の方を見た。
二組の人達はあからさまにこちらを見ないようにしている。
あ、なるほど。
助けてくれないわけね。
玲斗が肘で私をつついてきた。
「……未来、あれ止めろ」
「なんで私?玲斗が当事者でしょ?」
「俺は関わりたくない」
「薄情!!」
そうこうしている間に、川岸さんはずいっと私の目の前まで来て、勢いよく手を取った。
「あなたじゃ玲斗くんの魅力を引き出せない!玲斗くんはもっと!もっと高みに行ける男の子なのよ!!」
「アイドルの追っかけか何か?」
「違います!ストーカーです!!」
「胸を張るな!!」
玲斗から鋭いツッコミが飛んでくる。
ツッコむ割に何もしないのはどうなのよ。
玲斗のツッコミが響いたあと、しばらく沈黙が続いた。
「玲斗くんの魅力を私だけがわかってるの!玲斗くんは孤高の王子様で、私の太陽で、星で、宇宙で……!」
「やめろ!孤高の王子様って言うな!!」
「いいじゃん。孤高の王子様。私は……ぐふっ。いいと思……ぶふっ」
「未来ぃ!!テメェ!笑ってんじゃねぇぞ!!」
玲斗はカッとなって大声を出した。
それは運動場にこだました。
おっと、これはまずいのでは?
急に真顔になった私に、玲斗は首を傾げた。
「どうした?」
「バレたね」
「は?」




