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第三十八話  喧嘩はもうおしまい!?私と玲斗の仲直り!!

「でね〜、近所のワンちゃんが……っといけない」

愛華が未来になにか話している途中で、俺の存在に気づき、あからさまにニヤついて立ち上がった。

「千佳、行こう」

「ああ」

「え?ちょっと愛華?どこ行くの?」

「クラスのところだよ。少しは二人にしてよね」


立花は振り向いて俺に向かってウインクをした。

あの野郎。

気づいてるな。


「それじゃあ、私と霧山くんも用事があるから行くわね」

「え?村瀬さんと霧やんも?」

「ええ、それに、あなたも話さないと行けない人がいるでしょう?」


そう言って村瀬は霧やんの手を引いてどこかへ歩いていった。

ある意味気遣いはできるんだな。

容赦と情はねぇけど。

俺は一人残された未来を後ろから抱きしめた。


「うわっ!びっくりした。なに?玲斗」

「未来、悪かった。借り物競走で勝手に『カレカノ』とか言って、めっちゃ調子に乗った。ごめん」


俺の声はちょっと震えてたかもしれない。

だって、未来のあの冷たい「ちょっとね」がまだ胸に刺さってるから。

未来は一瞬ポカンとして、すぐにプッと吹き出した。


「急に真面目かよ!気持ち悪いんだけど!あははっ!」

「気持ち悪いって言うな!マジで反省してんだぞ!」

「ふーん、反省ねぇ。で、どのへんが悪かったわけ?」


未来の目がめっちゃ試すようなニヤニヤに変わる。

遊んでんな。

一瞬でわかった。

遊ばれていると。


「えっと……勝手に『ラッブラブでベッタベタのイッチャイチャ』とか言って、未来が嫌がるの無視したとこと、耳元で『嬉しいでしょ?』とか調子こいたのも……」

「ほぉ〜、ちゃんと分かってんじゃん。で、どうすんの?土下座する?」


未来が腕を組んで、ちょっと上目遣いで見てくる。

全力でニヤつく未来はもう怒ってないみたいだった。


「重いな。……あと、ちゃんと伝えたかった。俺、未来のことマジで大好きだからな……」


最後の言葉、めっちゃ小声になっちゃった。

未来の目が一瞬キラッと光った気がした。


「大好きってのはどのくらい?」

「え!?いや、その……どのくらいって……。めっちゃずっと一緒にいたいくらい……?」


未来は嬉しそうに笑って、俺の腕を振り払って、少し後ろに下がってきた。

そして、俺の耳元でささやくように言った。


「ふーん……じゃあ、ずっと私のそばにいてくれるわけ?」


俺は一瞬言葉に詰まった。


「……あ、ああ、もちろん。ずっと一緒にいたい」


未来はそのまま少し距離を詰め、俺の肩に頭をちょこんと乗せた。

その瞬間、心臓がバクバクして呼吸が少し乱れた。

未来が両思いになったとき以来初めて全力でデレてるー!!

カワイイー!!


「……私も玲斗のこと嫌いじゃないよ」

「でも嫌いって……」

「何?いじけてるの?」

「いじけてないし」

「絶対いじけてるじゃん」


未来はそう言って笑ってる。

楽しい。

さっきまで感じていた絶望はなく、嬉しさと楽しさしか感じなくなった。


「なぁ、未来。俺のことどれくらい好き?」

「うーん。十五センチ定規くらいかな?」

「短っ!ちっさ!」

「嘘だよ嘘。そんなわけないじゃん」


なんかいつもより楽しそうなんだけど。

未来はまた俺の耳に口を近づけた。


「世界で一番大好きだよ」

「ぽぉぉぉぉおおおおわぁぁぁああああ!!」

「あははっ!変な叫び声〜」

「お前のせいだろ!!」

「だって本当のことだもん。玲斗も私のこと好きでしょ?」

「……まあ、俺もお前が世界で一番好きだ」


俺は未来の頭を撫でながら心の中で誓った。

どんなことがあっても絶対に未来を大切にするって。

校庭の風がそっと俺達を包み込んだ。


* * *


「さて〜!そろそろ大玉転がしのお時間ですよ!玲斗氏!!」


私と玲斗は運動場に戻って、玲斗に片手でガッツポーズして言った。


「おい待て、さっきの甘い空気どこ行った?」

「え?粉砕した」

「すんな」


周りを見渡すと、霧やんと村瀬さんと愛華と千佳が話しているのが見えた。

私は玲斗の手を引いてみんなに「おーい!」と呼びかけた。

みんなは私達を見てぱあっと明るくして、こっちに駆け寄ってきた。


「未来!川島くんと仲直りしたんだね!!」

「全く、お互いやりすぎた自覚あったんだから、さっさと仲直りすればいいのに」

「二人とも不器用すぎだろ〜。焦れったすぎる〜」

「ねー、恵麻ちゃんに同感〜。俺も玲斗のお守り大変だったし〜」


全員が嶺音の方を向いた。

なぜここに嶺音がいるのか。

いつからいたのか。


「「誰ー!!??」」


愛華と霧やんが揃って叫んだ。

嶺音は自分のことを言われていると思わなかったらしく、しばらく周りをキョロキョロしていた。

そして、しばらくすると自分を指さして「俺!?」と言った。


「お前しかいないだろ。ここにいるの全員顔見知りだぞ」

「え?俺は?」

「ここ四人ははじめましてだろ」

「「「「はじめまして」」」」


あれ?

なんか村瀬さんお顔がすっごい嫌そうなんだけど。

しかもはじめましてって言うの、ちょっとズレてなかった?


「恵麻ははじめましてじゃないだろ!」

「エ?ナニイッテルンデスカ?ハジメマシテデスヨ?」

「恵麻〜!!元カレにそんな態度はないだろ〜!!」


全員が固まった。

嶺音は冷や汗をかき始めて、村瀬さんは明らかにブチ切れたような顔をしている。


「It is カオス(カオスです)」


玲斗は小声で言った。

そんなこと言ってる場合じゃ――


「ん゙!?」


玲斗が……。

あの玲斗が英語を間違えずに言えてる……!!


「嶺音」


村瀬さんの低い声が聞こえてきた。

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