第三十七話 借り物競争のお題発表で大喧嘩!?公開しないって言ったよね!?
前回までのあらすじ
やあみんな!合崎未来だよ!入れ替わった川島玲斗とカレカノになって少し経って、現在は体育祭!!クラス対抗リレー、棒倒し、借り物競争が終わって、今は借り物競争のお題発表!!親友の立花愛華は私の幼馴染の斎藤千佳を連れて行ったの。愛華は体育祭実行委員で、好きな人の好きな人を知るために、お題に「好きな人」を入れたらしいの。なんだか嬉しそうだし、愛華の好きな人はもしかして……?
「斎藤千佳くんのお題は!好きは人です!!」
おーっと??
千佳はいつも通り真顔だ。
愛華はガッツポーズをして、観客は歓声を上げている。
「アツアツですね〜。借り物の方、お名前は?」
「立花愛華です」
「お返事はどうですか?」
「喜んで!!」
あ、愛華の好きな人って千佳だったんだ。
でもだいたい分かるな。
私が振った後、愛華はずっと千佳のこと慰めてたし。
そこに惚れたんだろうな。
あれ?
愛華が書いた「好きな人」は千佳が引いたんだよね?
じゃあ玲斗はなんで私を連れてきたんだ?
信頼できる人とか?
わからん!
「さて、一着の合崎さんのお題は〜?」
玲斗はお題を渡した。
それを見てニヤニヤしだした。
え?
マジで何なの?
「合崎未来さんのお題!それは!恋人!いなかったら好きな人でした〜!!」
……お?
恋人?
コイビト?
イナカッタラスキナヒト?
「お二人の関係はどんなものでしょう?」
「カレカノでーす!」
玲斗が元気な声で言った。
……いや、いやいやいや!?
会場は一瞬静まり返った。
――そして
「きゃああああああ!!!」
女子達の悲鳴とも歓声ともつかない声が校庭を揺らした。
男子達も「マジかよ!?」とか「やっぱりな!」とか「最近仲良かったもんな!」とか勝手に盛り上がってる。
「え、えぇぇぇぇぇ……」
私は顔から火が出そうになり、地面に埋まりたい気持ちでいっぱいだった。
あの野郎!
絶対愛華に頼んで「恋人」ってお題書いてもらっただろ!!
「おぉっと!ここで合崎さんの爆弾発言!これは大ニュースです!!」
実況まで全力で楽しんでいる。
やめてくれ。
横で霧やんが爆笑してるし、村瀬さんはそっぽを向いて笑いを堪えている。
千佳と愛華は「やってやりましたよ!」みたいな顔でこっちを見ている。
最悪。
逃げたい。
なのに隣の玲斗は全く動じず、ドヤ顔で私の手を握ったままだ。
「お二人は本当にお付き合いを?」
「もちろんです!ラッブラブでベッタベタのイッチャイチャなカップルでーす!!」
この野郎!!
玲斗の声はマイクもいらないくらい大きく、堂々としていた。
「きゃああああああああ!!!」
女子達が再び絶叫。
男子達は爆笑しながら「それ言う!?」「正気か!?」「合崎えげつねぇこと言ってる!!」と肩を叩き合っている。
「ちょ、ちょっと待って!!」
私は必死で否定しようとするけど、マイクを持ってるのは実況の松原先輩だ。
「いやぁ〜若いっていいねぇ!ごちそうさまです!!」とか言って、全然止めてくれない。
「おい玲斗!!おまっ……!!」
霧やんは床を転げ回って爆笑しているし、村瀬さんはついに「ブフォ!」と吹き出した。。
千佳と愛華は……。
おい、何でお前ら、ハイタッチしてんの?
「川島くん、照れなくていいですよ〜?」
松原先輩がニヤニヤしながらマイクを向けてくる。
「照れてねぇし!!違うし!!」
玲斗はそんな私の横顔をチラリと見て、ニヤァっと笑った。
その顔にどっかの血管がピキッと鳴った。
この野郎が。
玲斗は私の耳の口を近づけた。
「……でも、本当はちょっと嬉しいでしょ?」
小さな声で囁いてくる。
「……っ!」
心臓が跳ねた。
孤高の王子様は口説くのもお手の物ってか?
腹立つな。
「うぉーーー!!」
なぜか観客が勝手に盛り上がっている。
……いや、マジでこれどう収拾つけんの?
もう怒った。
私はしばらく玲斗と口聞かない!
* * *
――お昼休み
俺、川島玲斗は上機嫌である。
未来とカレカノであることを公表できて、なおかつ未来とイチャイチャできたからだ。
それは人気のない場所にいる未来のところに走った。
「未来〜!弁当食べ――」
「愛華!霧やん!千佳!村瀬さん!お弁当食べよ!!」
「……え?」
俺は思わず立ち止まった。
そこには、未来を囲むようにして座っている四人。
霧やんはすでにパンを頬張っていたし、村瀬はおにぎりの包みを剥いている。
千佳は淡々と箸を動かし、愛華は楽しそうに未来の弁当を覗き込んでいた。
……おい。
ここは俺も一緒に御飯食べるところだろ?
え?
「ちょ、ちょっと未来?俺、待ってたんだけど」
「え、なにが?」
「なにが、って……お昼一緒に食べよって……」
「えー、だってみんなと食べたほうが楽しいし。あ、玲斗は例外ね」
未来はわざとらしく笑って、俺を避けるように背を向けた。
心臓がズキンとした。
さっきあんなに堂々と「カレカノです!」とか言ったのに、なんで今日になって全力拒否!?
「玲斗くん、邪魔しないでね?」
村瀬がニヤニヤ顔で割り込んできた。
「未来は今、俺達と大事なランチタイム中なんだよ〜?」
この野郎!
いつから未来のこと呼び捨てするようになったてめぇ!!
誰の許可取って呼び捨てしてんだおい!!
「おいしいね〜未来!」
「うん」
愛華が未来に微笑みかけた。
未来もまんざらでもなさそうに相槌を打つ。
やばい。
俺の居場所がない。
「……未来、俺のこと嫌いになった?」
思わず口から出てしまった。
未来の手が止まる。
そして、ゆっくりとこちらを見た。
その目は死ぬほど冷たかった。
「……ちょっとね」
言葉がナイフのように刺さった。
もしかして俺、やらかした?
みなさんこんにちは春咲菜花です!今回は「転落事故で入れ替わり!」の他のタイトル候補を大公開!!「入れ替わった未来と玲斗」「関わりのなかった二人」「クラスメイトと入れ替わり!!」「自分じゃない自分」以上です!ラブコメで「関わりのなかった二人」と「自分じゃない自分」はちょっと重い感じがするなと思って除外、「入れ替わった未来と玲斗」はなんか違うな、「クラスメイトと入れ替わり!!」が一番しっくり来たので、ちょっと編集して「転落事故で入れ替わり!」になりました!!




