第三十四話 霧やんと私の本当の関係!?色々明かされた後の棒倒し!!
前回までのあらすじ
やっぴー!川島玲斗と入れ替わってる合崎未来だよおん!延期に次ぐ延期でようやく迎えた体育祭!でも不安なことがあるの!親友の立花愛華が借り物競争で「好きな人」ってお題を書いたとか言い出して、不安しかないの!リレーは無事に終わって、着々と借り物競争に近づいていくんだけど!!どうするのよ!!
二人目を抜き、最後の一人に食らいつく。
「「「いっけぇぇぇぇえええ!!」」」
――パァン!
「優勝は、二年三組です!!」
「や、やったぁぁぁあああ!!」
私は到着地点でクラスメイトに抱きかかえられた。
「やったな川島!」
「いい走りだったよ!おつかれさま!!」
私は笑わないように意識していたのに、笑みがこぼれてしまった。
「ありがとう」
そう言うと、クラスメイトは驚いたような顔をして微笑み返してくれた。
やっぱりあったかいクラスだ。
客席に戻ると、霧やんがすごいスピードで突っ込んできた。
「未来ぃぃぃいいいい!!」
「ゴフゥッ」
「ありがとう!俺の敵を取ってくれて!!」
「おい霧やん。近い」
玲斗は霧やんを引っ剥がした。
別によくないか?
「未来は霧やんに甘すぎないか?」
「え〜、だって仕方なくない?弟には優しくなるって言うじゃん」
「霧やんは弟じゃないだろ?」
「え?」
「え?」
あれ?
言ってなかったかな?
「私と霧やん、血の繋がった兄弟だよ?」
「ファ?」
「いやー、びっくりしたね〜」
「ねー」
「いやいやいやいや、待て待て!そんな素振りなかっただろお前ら!!」
玲斗がテンパりながら言ってきた。
何をそんなに驚いているのか。
「いや、だって知ったの最近だし」
「は?」
「そう、あれは一週間前のこと」
「おいっ!待て!急に回想入るな!おい!」
◇◆◇
「霧やーん、うちのお母さんが同居メンバーと話したいって言ってきたー」
「あれ?玲斗は?」
「買い物行ってていないの。だから霧やんだけでも紹介しようって」
私は通話をテレビ通話に変えて、霧やんを移した。
ちなみに入れ替わりのことはお母さんも知っている。
「こ、こんばんは。霧山瑠輝と申します」
『こんばんは〜って、霧山瑠輝くん!?』
なぜそんなに名前に反応しているのだろうか。
もしかして有名人だったり……?
「元気にしてた〜?実の息子〜!」
「「は?はぁぁぁああああ!?」」
嘘だろ?
衝撃の事実すぎるんだが!?
いや、わんちゃん冗談……。
「お母さん、これじょうだ――」
「本気よ」
あ、本気か〜。
へ〜。
とはならんやろ!
「何で!?」
「あなた達双子なのよ〜。流石に三人も育てるお金ないなぁって困ってたときに妹が子供産めない体質だって分かって、瑠輝くんを引き取ってもらったのよ〜」
あなた実の息子を簡単に手放しすぎでは?
霧やんはこんなの飲み込めないよね?
そんな急に言われても信じな――
「お母さん!!」
信じたー!!
ちょろすぎない!?
だってお母さんそんな素振り……。
――お母さーん。未来がお腹にいる時の写真、なんで未来二人いるのー?
――それはね、未来は元々分裂してたのよ。
――そうなの!?
――そうよ。
あったなぁぁあ。
してたなぁ。
「うん、オッケー。私と霧やんは双子なのね。覚えとくわ」
◇◆◇
「てな感じで」
「ふぁぁぁぁぁあああああ?」
ま、簡単に言うと、霧やんのお母さんは私のお母さんの妹で、子供が産めない体質だった。
双子を産んでしまって、三人も育てるお金がないと思った私の母は妹に霧やんを引き渡した。
それだけのことだ。
「あのな、軽いのよ。軽すぎるのよ」
「こんなもんじゃない?むしろ今まで気づかなかった方がおかしいって言うか」
「お前ら顔似てねぇじゃん」
「私はお母さん似で、霧やんはお父さん似だよ」
私はスマホでお父さんの写真を見せた。
玲斗は十回くらい霧やんと交互に見た。
「瓜二つじゃねぇか!!」
「ちなみにこれが母」
「瓜二つじゃねぇか!!遺伝子強すぎだろ!」
「ありがと」
「褒めてねぇし!」
いやぁ、いいツッコミだねぇ。
まぁ、うちの家系の遺伝子の強さは認めるよ。
おじいちゃんとかおばあちゃんとかもお母さんに似てるもん。
お父さんはそんなことないけど、多分お母さんの家系の遺伝子に負けたんだと思う。
めちゃくちゃ似る遺伝子と、お父さんの遺伝子が混ざってできたのが霧やんだろう。
もうわけわからん。
「あ、棒倒し始まるよ」
霧やんが指を指して言った。
そこにはクソデカい砂山があった。
その頂上には長めの棒が刺さっている。
「…………え?」
「あ、棒倒しってそっち?」
「待て待て。棒倒しって二チームに分かれて、それぞれの陣地に立てた棒を相手チームに倒されないように守りつつ、相手の棒を倒す競技だよな?あれって山崩しじゃないのか?」
え?
棒倒しマスター?
めちゃくちゃ詳しいルール知ってんじゃん。
「さあ始まりましたやまくず――あ、棒倒し!この砂山は昨年の1.3倍サイズ!選手達の体力が削られること間違いなし!」
「山崩しって言いかけたよね!?やっぱり山崩しじゃん!」
「違う、棒倒しだって」
もうあれは棒倒しだと思うしかないやろ。
実況が棒倒しって言ってるんだし。
「競技の趣向を歪めるな!」
「棒倒すってところは一緒じゃん」
「同じだけども!てかこれどういうルールだよ!」
あ、たしかにルール知らないや。
ていうか去年棒倒ししてたっけ?
……覚えてないや。
「ルール説明をします!ルールは自分のチームの山を削るだけ!ちまちま削るのは失格となります!ガッツリ思い切って削ってください!最後に残ったチームが勝ちです!」
「あ、普通の棒倒しと同じだね」
「未来、気づけ。あれは山崩した」
「楽しそうじゃん」
「霧やん、あれは山崩しだ」
「玲斗……」
私は玲斗を見た。
玲斗は少し怖気づいて「何だよ」と言った。
「あれは棒倒しだよ?」
「何!?俺が間違ってんの?」
「あんまうるさいと服の中にこれ入れるよ」
私はポケットからGのおもちゃを取り出した。
それを見た玲斗はどんどん青ざめていった。
「うん!!あれは棒倒しだ!!」
「フッ、強引すぎ」
「霧やんうるさいよ?」
――ピーッ!
スタートの笛と同時に、各チームが一斉に砂山へ突撃した。
ちなみにこれは出たいと望んだ人のみが参加する競技だ。
「おおぉぉぉおおおお!!」
雄叫びと共に砂をかき分ける男子勢。
女子も負けじと両手でバッサバッサと砂を崩していく。
……いや、予想以上に崩すスピードが速い。
「やばっ!砂めっちゃ飛んでくる!砂嵐!砂嵐!!」
「砂埃の対策はしてないんかい!!」
「ゲッホゲホッ!!ゲホッ」
目が痛い!!
何も見えないんだけど!!
「ギャァァァアア!!」
「目がぁぁああああ!!」
客席も大混乱だ。
どうすんのこれ!
「みなさーん!ゴーグルは持ってますかー?」
持っとるかそんなもん!!
「荷物にちゃんと書いてましたよー!!」
私は体育祭の荷物一覧を取り出して、痛む目で見た。
右下にクッソ小さい字で「ゴーグル必須♡」って書いてある。
このクソ実行委員が!
「未来、なんでこんな危険競技やってんのか分かんないんだけどー!!」
「楽しいからじゃないー??」
「これが楽しいのかー?お前は体育祭を何だと思ってんだー!!」
「目潰しー!?」
「そうかもー!!」
こんな意味わからん会話が成立するとか、玲斗もかなり切羽詰まってるな。
――ドサァァァアアア!!
――ザァァァァアアア!!
という音が聞こえた。
目で確認はできないけど、どっかの砂山が倒壊したな。
砂まみれの惨状に、司会の松原先輩が絶叫した。
「棒倒し終了!!勝者は……えーっと、棒が立ってるところ!!」
雑ッ!!
てか見えないし!
「……なんか思ってた棒倒しと違ったな」
「でも面白かったでしょ?」
「面白いっていうか……もう棒関係ないよな」
やっと砂埃が収まってきて、勝敗を決める棒が見えた。
「棒倒し!勝ったのは二年四組!!」
「あー、負けたね」
「こんなんで勝ちたかねぇよ。あれ?霧やんは?」
「目を洗いに行くって言ってた」
「あー」
砂まみれのグラウンドを見ながら、私達は霧やんのところへ向かった。
体育祭、まだまだカオスは続く。
みなさんこんにちは春咲菜花です!お久しぶりですかね?いやぁ、「転落事故で入れ替わり!」も早くも三十四話になりましたぁ!!イエェェェーイ!入れ替わり生活編、文化祭編、超恋愛編ときて、体育祭編です!すっごい編がありますね!許してください!!体育祭編、「転落事故で入れ替わり!」はまだまだ続きます!!続きを楽しみに物語を読んでくださいね!良ければグッド、リアクション、評価、感想、ブクマください!それではまた次回!!




