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第二話    理科も英語もズタボロ!?お互いのイメージ崩壊!!

「このあと中和の実験をするが、その時に使う液体を全て答えろ。はい、川島」

「えぇっとぉ……。ヨウ素液!!」


私がそう言うと室内は静まり返った。

先生が眉をピクリと動かした。


「川島……?」


私は慌てて玲斗を見た。


「……ククッ。ヨウ素液……ブフッ……」


こいつぅ!!

机を挟んだ先にいる玲斗は肩を震わせていた。


「中和の実験にヨウ素液は使わんわ!!」


先生の指摘が飛んでくる。


「正解は塩酸と水酸化ナトリウムとBTB溶液!!」

「え、塩酸とナトリウム酸とBBA溶液……?」

「酸化と老化すな!!」

「うっ……!」


改めて自分の馬鹿さが分かる。


「川島がアホになってる……」

「もしかして恋ってやつ……?」


え?

何で?

ざわめく室内からそんな憶測が飛び交った。

嘘だろ!?

玲斗は机に顔を伏せて全力で耐えていた。

私は座ってから恥ずかしさに飲まれた。

玲斗の顔面で「BBA溶液」って言っちゃったよ!?

やばい!

怒ってるよね……?


「……マ、マジでお前、俺の名誉どうしてくれんだよ……」


机に顔を埋めていた玲が顔を上げて、ボソッと呟いた。

地味にまだ笑っていやがるな。


「し、仕方ないじゃん!理科苦手なんだもん!あんなマニアックな液体覚えられないし!」

「中和実験は中三の基本だぞ」

「えっ!?」

「えっ、じゃねえよ」


玲斗が静かに頭を抱えた。

そんなに頭抱えるほどショック受けてたの!?

あ、呆れてんのか


「……ねぇ、ちょっと楽しくない」

「なにが?」

「ほら、自分が普段どんな風に見られてるのか客観的に見れて分かるっていうか……。玲斗、女子からキャーキャー言われてたじゃん?」

「それ全部、お前のせいだろうが!俺は普段笑わねぇし、女子に話しかけられても返事しねぇし。存在感薄めが売りだったんだぞ!」

「でも、今日だけで一気にミステリアス王子からギャップイケメンになったかもよ?」

「いらねぇよ!!」


◇◆◇


理科の授業が終わって、私は教科書を閉じながら玲斗しかいなくなった理科室で言った。


「……BBA溶液はマズかったよね……」

「マズいとかのレベルじゃねぇよ。俺の学力イメージ地に落ちたぞ」

「ごめんて」


玲斗はめちゃくちゃムスッとしてた。

でもその顔、自分の顔なのめちゃくちゃ複雑!


「そんなに怒らなくても……」

「ま、次の授業、どうする?」

「……次は……英語か」

「私、英語はまあまあできるから大丈夫!」

「未来、俺は言っておくが英語は壊滅的だ」

「…………ゑ?」


エイゴガニガテ……?

英語が……苦手……?

苦手なふりなんて出来ないよ?

しばらく沈黙が続いた。


「あー!もういい!バレたらしゃーない!そのときは素直に「人生って儚いですね」って言っておけばイケメンキャラ保てるって!」

「保てねぇよ!!」


◇◆◇


「Hello everyone.I am Ellen!(みなさんこんにちは!私はエレンです)」

「ということで今日はALTのエレン先生が来てくれました!一対一で会話してもらったりするから、日頃の勉強の成果を見せてね!じゃあ、一番の未来さんからお願いします!」


初手それ!?

初手から一対一で会話?

まだ物語は始まったばかりだよ!?

終わった。

少し青ざめている玲斗は渋々立ち上がった。


「Hello!What’s your name?(こんにちは!あなたの名前は?)」

「ア、アイム……ミライアイサキィ……(私は未来です)」


教室が静まり返った。

そりゃそうだよね。

いつも英語を流暢に喋ってる人が急にこんなのになったらビビるよね。


「Oh Mirai! Nice to meet you!(おぉ、未来!よろしくね!)」

「オ、オォウ……イエェス……(おぉ、はい)」


マジかよ。

思ったより酷いぞこれ。


「What do you usually do?(あなたは普段何をしているの?)」

「……」


まずい。

絶対聞かれてることは分かってるけど、返事の仕方が分からないタイプだ。


「リーディング…ブック……したり、リスン…トゥ ミュージック……したり(読書したり、音楽を聞いたり)」

「Nice!It was a fun conversation.Thank you!(いいね!楽しい会話だったよ。ありがとう!)」


会話を終えた玲斗は絶望した顔をしていた。

まぁ、そういうこともあるよね。


「次は――」


あ、玲斗がこっち見てる。

私は親指を立てて笑った。

でも、玲斗の眉はへの字になっていて、相当落ち込んでいることが分かる。


「Thank you!(ありがとう!)」


私の前の人が終わったようだ。


「じゃあ次、玲斗さん」

「はい」


私は立ち上がった。


「Hello!(こんにちは!)」

「Hello!What’s your name?(こんにちは!あなたの名前は?)」

「I’m Reito kawasima.Nice to meet you!(私は川島玲斗です。よろしくお願いします!)」

「Nice to meet you,too!What subject are you good at?(こちらこそ!あなたはなんの教科が好きですか?)」

「I’m good at science.Science is fun!What subject do you like?(私は理科が得意です。理科は楽しいです!あなたはなんの教科が好きですか?)」

「I like studying Japanese. Japanese is interesting!(私は国語が好きです。日本語は面白いです!)」

「I think so too!(私もそう思います!)」

「Thank you!It was a fun conversation!(ありがとう!楽しい会話だったよ!)」


そんな感じで会話が終わったから席に座った。

すごい簡単な会話だったな。


「あの英語ができない孤高の王子様が成長してる……」

「嘘ぉ……」


周りからそんな声が聞こえた。

まぁ、あれは……ね?

美少女で英語も喋れる美少女って天才すぎない?

あ、美少女って二回言っちゃった。

にしても……。

ズーンとした雰囲気を纏う玲斗はずっと心配だった。


◇◆◇


「すまん……」

「もういいってば〜。玲斗ってばずっとそればっかりじゃん」


玲斗は放課後にそればっかり言うんだから。

別に気にしてないのに。

というか、私のほうが気にした方がいい。


――BBA溶液?


思い出してしまった。

私は首を振って頭の中から放り出した。


「これでおあいこじゃん」

「お前のそのポジティブさはなんなんだろうな」

「え、照れる」

「殴るぞ」


よしよし、さっきまでの調子が戻ってきたみたいだな。


「ねぇ、私いいアイデア思いついたんだよね」

「なんだよ」

「同居しない?」


玲斗がピキッと音を立てて固まった。

みなさんこんにちは春咲菜花です!今回は現在私が習っている中三の内容を入れたりしてみました!英語はあまり得意じゃないので簡単な分しか書けませんでした。スペルミスがあれば教えていただけると嬉しいです!!これからも未来と玲斗のドタバタな入れ替わりは続きますよ!次回もお楽しみに!

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― 新着の感想 ―
ギャグのセンスに磨きがかかってて面白いwwwwwwBBA溶液とか爆笑wwwwww玲斗の英語音痴好きすぎるwwwwww日本語でしたりとか言うなwwwwww
2025/06/26 21:10 目からビーム
BBA溶液笑笑笑笑
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