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第十九話   女子は怖いね!!震えが止まらん文化祭準備!!

前回までのあらすじ

うぼぉぉぉおおお!!合崎未来だよ!なんだかんだで学年の人気者で孤高の王子様と称される川島玲斗と入れ替わって同居してる私!デパートで偶然あったクラスメイトの霧山瑠輝こと霧やんも同居の仲間入り!霧やんが初めて見た私の料理!すっごく微妙な反応だけど食べてもらえるのだろうか!!

今日の朝ごはんの献立!

味噌汁(青色)、食パン、ヨーグルト、麦茶、サラダ、以上!

そして、目の前には渋い顔をする霧やん!


「……何で青色?」

「おしゃれでしょ?」

「…………うん」

「霧やん、無理すんな」


霧やんは青色の味噌汁を見つめたあと、箸を持った手をそっと戻した。

そして私に殺人鬼を見るような目を向けた。


「いや、これ食べていいやつ?見た目、完全に塩化銅水溶液なんだけど」

「まだあれのほうが綺麗な色してるけどな。何だよこの毒々しい味噌汁は」

「これ味噌汁だったの!?」


霧やんは味噌汁をまじまじと見た。

一方玲斗は普通に食べている。

もう慣れたらしい。


「知らないの?着色料は健康にいいんだよ?」

「……いや、そもそも味噌汁に色素入れる発想がもうおかしいって。頼む、気づいてくれ」

「まあまあ、食べてみ?味は普通だから」

「味が普通なら見た目も普通にしろや……」


霧やんは恐る恐るといった形で味噌汁を飲んだ。

そして、目を見開いてグビグビと飲み始めた。

霧やんよりも早く味噌汁を飲み終わった玲斗が食パンを食べながら言った。


「未来が作る飯って、見た目こそとんでもないけど、栄養バランスはいいよな。色はさておき」


なんで色のことを二回言った?

なんだかんだでご飯を食べた私達は、それぞれ荷物をまとめて登校の準備をした。


「あ、そういえばさ」


霧やんが靴ひもを結びながら、何気なく言葉を続けた。


「今朝さ、夢に出てきたんだよ。玲斗が。」

「……は?」


玲斗は霧やんを睨んだ。


「どんな夢だよ」

「なんか、未来の姿でホラー映画みたいに包丁持って追いかけてくる夢」

「正夢にしてやろうか?」

「やめろ。てか、マジで怖かったよ?殺人鬼未来」


私はにっこり微笑んで、霧やんの背中をペチンと叩いた。


「あいたっ」

「味噌汁に入れるぞ?」

「ゴメンナサイ」

「そう言えば友達が夢に出てくるのは友達に対して抱いている気持ちらしいよ」


玲斗が言った。

私は霧やんを見た。

霧やんはバツが悪そうに目を逸らした。

この野郎。

私はドアを開けてみんなで外に出た。

しばらく歩くと、千佳と愛華がいた。

玲斗を肘でつついて挨拶するようにうながす。

渋々といった形で玲斗は私のマネの笑顔で片手を上げて左右に振った。


「お〜い!!千佳〜!愛華〜!おはよ〜!!」

「あ〜!!未来!!おはよ〜!!」


愛華は私の姿の玲斗に抱きついた。

うわ〜、玲斗がセクハラしてる〜。


「あれ?未来、なんで霧山くんがいるの?」

「えぇっと、玲斗と同じ経緯。お母さんってば人脈えげつないから」


ナイス言い訳!

流石だね!

ん?


「何だよ斎藤」


私は顔見してくる千佳に訊いた。


「……別に」


◇◆◇


五限までの授業が終わると、すぐに文化祭準備の打ち合わせが始まった。

クラス内はざわついていて、みんなもどこかソワソワしている。


「はいはーい!霧山くんと合崎さんは、私とお化け屋敷の設営班ね〜!」


佐藤さんが玲斗と霧やんを呼んだ。

教卓の前で、霧やんは「ふっふっふ」と不敵に笑った。


「面白いことになりそうだ」

「霧やーん?私はすごく絶望してるから変なこと言わないでねー。殴りそう」

「気持ちは分かるが落ち着け」


私と玲斗は思わず殺意丸出しで霧やんに言った。

すると、隣から村瀬さんがふわりと現れた。


「玲斗くん、一緒の班だね。よろしくね」

「でっ……」

「で?」


出たぁぁぁあああああ!!

村瀬さんだぁぁぁああああ!!

髪の毛サラッサラ、笑顔かわよっ!

この子が玲斗に手紙渡した女子!

今すぐ言いたい。

やめな?

あんな顔だけの男。

君には似合わないよ。

口は悪いし、しつこい男。

あれ?

そういえば何で振ったのか聞いてないや。

まぁいいか。


「よ、よろしく」

「……やっぱり気まずい?」


村瀬さんが不安そうに聞いてきた。

いえ!

バレないか心配なだけです!


「最近は仲いいんだね」

「え?」

「ほら、合崎さん達の話だよ。なんだか明るくなった気がする」

「……むら――」

「よー!川島!同じ班だな!仲良くしようぜ!」


背後から誰かが私の方に手をおいた。

あっ、橋本朝日くんだ。


「にしても川島可哀想だな!まさか過去に告られた女と同じ班だなんてな!」


その一言で、場の空気がピキッと音を立てて止まった。

おいぃぃぃいいいい!!

橋本くん!!

ナチュラルに爆弾発言するな!!

目の前にご本人様いるんだよ!!


「お、おい橋本!それ今言うことじゃないだろ!?空気!空気読め!!」


私は焦ってごまかそうとしたけど、すでに遅かった。

村瀬さんの笑顔が、ピキッ……とほんの少しだけヒビ入ったのが分かった。


「……へぇ、そっか。覚えてたんだね」


やめてぇぇぇ!!

その言い方やめて!!

なんか割と根に持ってますみたいな雰囲気出ちゃってるから!!

覚えてたんだねって何を!?

告ったこと!?

そりゃあ玲斗に聞かされましたからね!!


「いや、あの、それは……っ」

「うん、大丈夫。もう気にしてないし。ほんと、全然!」


この「全然」は絶対全然じゃないやつ!

私は近くにいた霧やんのそばに避難した。

玲斗が真っ青になってフリーズしている横で、霧やんニヤニヤしていた。

流石に橋本くんが告ったことを暴露するとは思ってなかった。


「これは波乱の香りがするな。青春ってやつだ」

「てめぇこの野郎。絶対楽しんでるだろ……」


私は目だけで玲斗に訴える。

助けて!!

村瀬さんが真顔で私の前に立った。

い゙や゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!


「玲斗くん。私やっぱり納得できない!」

「え……な、何を?」

「――どうして、振ったの?」


……やっっっっべえええええええ!!!!

完全に聞いちゃいけない質問が飛んできた!!

私は玲斗を見た。

玲斗は明後日の方向を見て口から魂を出している。

うわぁぁあああ!!

玲斗の動揺が魂となって天井まで飛んできそうだよ!!


「え、えっと、その、えっと……!」


やばい、このままだと「中身入れ替わってるからわかんない!」って言いそう!

玲斗はハッと我に返って口を挟んだ。


「玲斗、言いたくなさそうだし無理に訊くのは良くないよ!」


村瀬さんは一瞬びっくりしたような顔をした。

そして、一瞬私の身体を強く睨みつけた。

怖いぃぃぃいいいい!!

みなさんこんにちは春咲菜花です!今回は文化祭準備で玲斗に告った女の子が出てきましたね!可愛いけどどこか怖い女子ってそこら中にいますよね(笑)これからどうなるのか未来が絶望しています(笑)さて、このあとがきの場を使ってみなさまにお伝えしたいことがあります!実は、かなり前に投稿した「思いをつなぐ文字」が日間現実世界のランキングにランクインしました!ありがとうございます!短編分野では17位、すべての分野では51位というとても嬉しい通知が来ておりました!これからも精進して参りますので、どうかよろしくお願いします!!

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