第十五話 デパートでクラスメイトと遭遇!?爆笑物の痛々しいポエム!!
前回までのあらすじ
ヘェイ!みんな!合崎未来だよ!!色々あって学年で孤高の王子様と称される川島玲斗と入れ替わった私!同居も初めて苦手な教科を克服するために玲斗と一緒に参考書を買いにデパートに来たんだけど玲斗のせいで公開漫才になっちゃったの!本屋からでたらクラスメイトと遭遇しちゃった!どうする未来!どうする玲斗!
私達はなんだかんだ話をしながら参考書や問題集を買って本屋さんを出た。
「あれ?川島に合崎?」
おっとデジャブ。
話しかけてきたのは同じクラスの霧山瑠輝だ。
「二人で買い物……。デート?」
「「違うわ」」
私と玲斗は揃って言った。
まずい。
「参考書コーナーで会ってさ」
「そうそう!おすすめの参考書を玲斗に教えてもらってたの」
「ふーん。玲斗は勉強できるもんな」
霧山くんはなぜか手さげを持ってるのに、ノートとかを手で持ってる。
なんで荷物を手で持ってるんだ?
霧山くんの持ってる手さげに目を向けた。
「あの、霧山?なんでそんなデカい穴が開いてるの?」
「引きずったら破れた」
「何で引きずるんだよ」
ツッコんだけど、玲斗ほどキレキレにはならなかった。
あれこそ再現不可能だよ。
「じゃ俺はこのあと用があるから」
そう言って霧山くんはスタスタとその場を立ち去った。
普通に手さげを買いに行くって言えばいいのに。
あれ?
なんかノートが落ちてる。
霧山くんのやつかな。
「これ、落ちたけど」
私はノートを拾いながら中身を見た。
「ん!?」
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【虚無の王冠】
漆黒の闇に溶けてゆく俺は、
誰にも届かぬ孤独の王子。
血塗られたフリルの鎖に縛られ、
尊厳は砂の城の様に崩れ落ちる。
笑顔の裏に隠した毒の刃、
誰も知らない俺の嘆き。
愛される筈の身体が、
唯の檻となって魂を蝕む。
「君の身体は俺の牢獄」
呪詛の言葉が喉を裂く。
この海は闇に呑まれし黒い海、
溺れる俺は声を失う。
見えない鎖に縛られたまま、
自分を見失い、叫び続ける。
救いは無い、唯、虚無だけが、
俺の王冠を冷たく輝かせる。
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え?
ポエムだよね?
かなり痛々しい。
霧山くんは光の速度で私のところに来て手からポエムノートを奪い取った。
その顔は真っ赤だ。
「見たな?」
「ミテナイデス」
「見ただろお前!!」
「イヤイヤ、ミテナイヨ」
「カタコトやめろ!」
玲斗が「何なんだ?」と言いながらポエムノートを霧山くんから取り上げようとした。
私はその手を止めた。
「なんで止めるの?」
「こんな痛々しいノート、見るのはやめてあげて」
「そっ……そうだぞ合崎未来!不躾に人のノートを見るのはよくない!」
何でフルネームで呼んだ?
もう慣れたけど、なんかやっぱり自分の名前で呼ばれると反応しちゃいそうなんだよね。
さっきの「そっ……」は多分「そんなことない」って言いたかったんだろうな。
まぁ、私が「痛々しい」って言ったから玲斗もなにか察したようだ。
「カフェに入るぞ」
私と玲斗は霧山くんに引きずられるようにカフェに連れていかれた。
霧山くんは席につくなりモジモジし始めた。
「あのぉ……。さっきのノートは……?」
「かっこいいだろ?俺、ああいうのが好きで……」
霧山くんは小さな声で呟いた。
未来はその言葉に少しだけ驚いたけど、すぐに目を細めて言った。
「なるほど、センスと趣味が悪いのか。あんなに痛々しいポエム、恥ずかしくないのか?」
私は玲斗の真似をしながら言った。
「おい、言い方。ねぇ、霧山くん。私にもノート見せてくれない?」
「ブッ……」
玲斗の私のフリが面白くて吹いちゃったよ。
私って言ったよあの人。
玲斗は笑う私を見て、私を睨みつけた。
そして小声のデスボイスで言った。
『覚えとけ未来』
『さーせん……』
霧山くんはポエムノートを取り出して開いてくれた。
私と玲斗はノートを覗き込んだ。
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【薔薇色ノ渇愛~君と堕ちる恋獄~】
君の瞳に映る世界に僕は存在しているのか?
嗚呼、運命の糸が千切れても、君という毒に溺れたい。
胸の奥で鳴り響く黒いバイオリン。
奏でる旋律は「好き」の悲鳴。
――触れたい。
けれど、触れれば壊れそうで。
だから僕は、君の半径5メートルの空気を吸って 生きていく。
まるで二酸化炭素みたいに……
夜空に浮かぶ月にすら嫉妬するよ。
君を見つめる資格は、僕にしかないはずなのに。
放課後の廊下、すれ違うたびに心拍数が49から987へ加速。
脳内BGMは君の笑顔。リピート再生、お気に入り登録。
世界が滅びても、君だけは守りたい。
――たとえ僕の心が1000回散っても。
この想い、君に届かなくてもいい。
でもせめて、君の靴紐にでもなりたい。
結んでもらえたら、それだけで本望なんだ。
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「「ブッフォ!!」」
「ど、どうかな?」
ワクワクした様子で訊いてきた。
痛々しい上に何言ってるか分からない。
なに?
胸の奥で鳴り響く黒いバイオリンって。
玲斗も爆笑している。
しかもこれ隣のページに訳まで書いてあるんだよ?
面白い極まりないでしょ。
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俺って君の視界に入ってる?
それとも空気レベル?
たとえ縁が切れても、君というヤバめの魅力に中毒でOK!
心臓がバイオリン状態。
音出してるの「スキィィ!」っていう叫びだけ。
触りたい。
いや、触れた瞬間に君がバグりそうでビビってる。
だから俺は君の近くの空気を吸って生きてる。
酸素じゃない、君成分。
月、見んな。
俺のターンなんだよ、視線。
放課後、君とすれ違っただけで心臓が爆走。
脳内スピーカーは君の笑顔でフル再生、お気に入り登録を忘れない。
世界が終わっても君だけはガチで守る!
俺の心?どうぞ粉々に!
伝わらなくてもいい。
でもせめて君の靴紐になって、結ばれたい(物理的に)
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何言ってるかわかんない。
訳の意味を果たしてない。
何なんだこの地獄は。
「心臓がバイオリン状態。音出してるの「スキィィ!」っていう叫びだけ」が面白すぎる。
そんなバイオリンいらねぇ。
バイオリンなのに「スキィィ!」しか鳴らないのホラーとギャグの狭間をさまよってるよ。
ロマンチックのつもりだと思うけど、もう音響兵器なんよ
「頼む!俺が痛々しいポエム書いてるの秘密にしてくれ!」
「まぁ、いいよ。別にバラして得するわけじゃないし」
「ありがとう!川島、合崎!マジ感謝!でも俺だけ秘密握られてるの癪だからお前らの秘密も教えろよ?」
私は玲斗を見た。
玲斗は頷いた。
「実は、私達中身が入れ替わってるの」
「え゙?え゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙え゙え゙え゙!?」
みなさんこんにちは春咲菜花です!今回の爆笑ポイントのポエムは、チャットGPTと友達に協力してもらって書きました!ニヤけながら書いていたので、みなさんも笑ってくださっていることを願います!私的には「心臓がバイオリン状態。音出してるの「スキィィ!」っていう叫びだけ」と「月、見んな。俺のターンなんだよ、視線。」が一番好きです(笑)皆さんはどこで笑いましたか?良ければ教えてください!グッド、レビュー、リアクション、感想お願いします!