いつもハッピーだとは限らない
最近の物語は最後は必ずといっていいほどのハッピーエンド。自分もそういう人生を歩はずだったと思う。
いまから4年前くらいのある冬、まだ高校2年生の僕。このとき最初の彼女がいた。その日はクリスマス。彼女もイルミネーションやツリーのしたではしゃいでいて、幸せなひとときだった。その日の最後に僕は彼女に改めて好きを伝えようとしていた。ちょうどキラキラ光るクリスマスツリーの下でハートのネックレスを彼女に渡した。そして、僕たちは互いに抱き合って、好きを伝え合った。次の瞬間、あまりこの事は覚えていないが彼女が急に見えなくなった。厳密には彼女の頭が、頭だけが急に宙に浮かんだ。血も吹き上げていて、何ごとかと思うと、後ろから小さい子供がおもちゃを振り回して遊んでいたら、それがその隣に立て掛けてあった大きな鉄の板に当たり運が悪く彼女の首をぶった斬ってしまったのだ。突然のバットエンドこんなの誰にも予測はつかないことだ。
だけれども、なぜか自分は別に泣いたり動揺したりはしなかった。恐らくはこういう結末も予測していたんではないかと思う。
これがほんとの意味でのバットエンド好きな人に涙も同情もなんの感情も抱かれないまま死すこと。なんと言ってもなにも言えずにこの世を去ることになった女性の末路。
事故以来、僕は彼女のことを覚えてすらいなかった。恐らく男は大抵そういうもの。気にするだけ無駄だという人もまかには数多く存在していると。彼女が次の人生幸せをつかめますように。クリスマスの夜にそういって僕はサンタさんにお願いをしておいた。バットエンドは胸くそが悪いからね。
少しずつ投稿していこうと思います。刺さる物語があれば幸いです。