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「………」
今、何時…?
ベッドの上で座り込み、働かない頭のままぼーっとすること、何分だっけ?
昨日、寝たの遅かったからなー。
頭働かないなー。
などと自分に言い訳してみる。
「ま、いっか。今日、特に予定無いし。」
そのままパタンとベッドに倒れれば、
ガタン!と大きな音がして再びガバリと体を起こした。
「予定無いしじゃねぇよ!何時だと思ってんだ!起きろよ!」
「乙女の部屋をいきなり開けんな変態!」
開けられたドアから怒鳴る侑李に怒鳴り返してやった。
「へんた…!」
侑李はピキリと固まり、パクパクと池の鯉のように口を動かしてる。
フン!と鼻を鳴らすと、侑李はようやく起動して両手を握りギロリと私を睨んだ。
「なんだよ…起こしにきてやったんだぞ…」
しかしその声は控えめだ。
「それはありがとう。でも今日お休みだし!日曜だし!」
「ねーちゃんのバカ!」
私の放った変態攻撃がショックだったらしい。
侑李はそれだけ言い残すとバタバタとその場を立ち去った。
すっかり目が覚めちゃったじゃない。
私ははぁ、と一息つくと、諦めてモソモソと起き上がる。
うーん、今日もいい天気だ!
体を伸ばしてスマホを開く。
お!昨日注文したワンピース、配送されてる。
お気に入りの通販サイトを開いた時。
ゴゴゴゴゴ…
「え!なに!地震?!」
まるで地の底から響くような地鳴り。
ちょっと!私まだパジャマなんですけど!こんな格好で避難とか、嫌すぎるんですけど!
徐々に強くなる揺れに急いで着替える。
「ねーちゃん!地震!って!何やってんだよ!」
「だって!パジャマじゃ逃げらんないし!」
「んなことやってる場合かよ!」
侑李に手を掴まれて、部屋から連れ出される。
「あああ…まだズボンのチャックが…」
なんとか足は通したけど、チャック全開という情けない姿のまま連れ出される。
「みんな無事か!」
庭ではお母さんの体を抱きしめたお父さんがこちらを心配そうに
見て、手を伸ばした。
「お父さん!お母さん!」
侑李と2人、急いで駆け寄り4人で身をかがめた。
ゴゴゴゴゴ、ゴゴゴゴゴ…
その間も揺れは大きくなり、そして。
「……おさまった?」
唐突に、あたりは静けさを取り戻した。
ありがとうございました。