春風 秋風
幾つも、正しいヴァージョンがありますが。
「袖すりあうも多生の縁」が、お気に入りですかね。
いまのところ、ですけど。
木枯らしが転がした 乾いた悲しみを
踏みしめるようにして訪れる あたたかな季節
到来を告げてまわる春風に おれはなりたいよ
吉報を待ち侘びて
肌をすり寄せあう孤独たちへの福音
春風 秋風
一陣の風にも五分の理が
移ろえる季節の端役を担う 透明な黒子に…
涼風が吹き抜けた 蜩 哭く森を
駆け抜けるようにして振り返る 汗ばんだ鼓動
往来をたむろしてる秋風に おれはなりたいよ
後悔と二択して
想い出を勝ちとるセンチメンタルな余韻
春風 秋風
一脈の縁に袖すりあって
移ろえる季節の幕間をつなぐ 透明な黒子に…
いちばん、よく使うことわざかも。