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幻想  作者: 場合 照美
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コーヒーについて

 銭湯の帰りに、その近くにあったコーヒースタンドに寄ってよくコーヒーを飲んだ。小学生のころだ。何年生くらいだった憶えていない。家にも風呂はあったが、月に一、二回家族で銭湯に行った。当時は町中に銭湯がいくつもあったので、一つの場所とは限らなかったが、帰りにコーヒースタンドに寄るためには決まった銭湯に行くことになるのだが、その銭湯がどんなだったかよく憶えていない。大体どこも同じような作りだったのではないか。中ほどに、やや深い熱めの湯船があり、周りに座る腰壁がある。奥にぬるめの湯舟や、泡風呂的なものがあり、端っこに薬湯がある。その手前から、シャワーのついた洗い場が並んでいる。反対側にはサウナ的なものが、あったりなかったり。そうそう。電気風呂はあったはずだ。家にはシャワーがなかったが、銭湯にはあった。体を洗うときは使わず、頭を洗うときだけ使った。

 コーヒースタンドの近くに中華料理屋があり、そこにも月一くらいで食べに行ったからその帰りにも寄ったかもしれない。私の中ではそのコーヒースタンドに足しげく通ったような気がするのだが、もしかしたら実際に行ったのは数回だけだったかもしれない。

 私はどんなふうにコーヒーを味わっていたのだろうか。不味いとか、苦くて飲めないとか思った記憶はない。かといって、すごく美味しいとも思った記憶がない。単に雰囲気を楽しんでいたのだろうか。ただ、親に付き合っていただけかもしれない。まあ家族団欒の一種だな。

 だいぶ飛んで、きょうだいで映画を見に行ったときのこと、時間があったので先に食事をした。ランチコースで、最後にコーヒーが出るはずだった。しかし待っているうちに、映画の時間が迫ってきた。わたしたちはさほど残念に思うこともなく、要らないと言って店を出た。これは中学生くらいのときかな。

 同じころエスエフ作家のファンクラブの集いで喫茶店でコーヒーを飲んだ。一ドルコーヒーと銘打って、前日のレートを支払うのだった。二百円より安くなったら二百円という決まりがあって、そのうちいつでも二百円という具合になった。三百五十円からそこまで一気に行ったのだ。

 喫茶店に行って頼むのは、ホットコーヒーかアイスコーヒー。銘柄で頼むことはなかった。大学生のころは殆どコーヒーを飲まなかったように思う、お金が無かった。部室にはインスタントコーヒーがあったように思うのだが、飲んだ記憶があまりない。それより、いつもビールを飲んでいたように思う。

 働くようになって、昼休み昼食帰りに先輩について喫茶店に行った。これは先輩のおごりだった。

 職場で飲むのは、インスタントコーヒーだった。二日酔いのときはがぶがぶ飲んだ。

 お中元か何かでパックのコーヒーをもらった。職場でも飲んだが、持って帰ってうちでも飲んだ。銘柄がいくつかあったはずだが、何を好んだかよく憶えていない。コーヒーも便利で美味しく飲めるようになったなと思った。外では専ら紅茶だったのに、いつの間にかコーヒー党になって、ドトールやなんかに行くようになった。ところが、いっときカフェインが苦手になって、デカフェを飲んでいた。

 コーヒーショップで粉を買って、ペーペーフィルターで淹れるようになった。このころには、もちろん好みの銘柄ができた。電車で三十分くらいのところに、輸入食品も売っているコーヒーショップとサラダの美味しい肉屋が並んでいて、そこによく買いに行くようになった。しかし、その肉屋が閉店してしまったので足が遠のいた。

 コーヒーをモチーフにしたマンガを読んで、豆だけは自分で挽いた方がいいと書いてあったのだが、実現できずにいたのが、コロナ禍でお家時間が増えたので、電気屋に行ったら意外に安く電動豆挽が買えたので、豆で買うようになった。高級スーパーが駅チカにあったので、そこで買っていた。最近になって、近くにコーヒーショップができたから、そこで煎り立てを買うようになった。煎り立てだと本当に香りがよい。

 私は朝は、コーヒーを飲まないと気持ちが沈んで何もできない。夜はアルコールを嗜まないと眠れない。ショートショートの神様の作品に、未来の話として自動的に朝は覚醒剤が出てきて夜は睡眠薬が出て来るというのがあったが、あれと似たようなものだ。


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