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幻想  作者: 場合 照美
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神の子たち

 久しぶりに会った友人と話をしていた。

「今の朝ドラってどういう人が主演なの」

「それが、○○と□□なんだよ」

「え、超有名な人じゃないか。もう、ドラマや映画の主演をいくつもやってる。朝ドラっていうと、若手の登竜門だと思っていたんだけれど」

「うん。そうなんだ。なんだかちょっと違うんだ」

「それに一人じゃないんだな」

「うん三人いるんだ」

「群衆ものみたいな感じなのかな」

「いいや、三世代にわたって描かれるんだ」

「なるほど女系一家の見た歴史か」

「いや、そういうのとは違うんだ。それぞれ嫁に行くから、苗字は変るし。いま三人目が生まれたから、苗字は三つ目か。この子が結婚したら、四つ目の名字になる」

「ああ、そうやって、ずっとつづいていくわけだな。ラファティにそういうのがなかったっけ」

「うーん。なんだか一人一人バラバラなんだよね」

「最初の主人公は今どうしてるの」

「進駐軍のアメリカ人と一緒にアメリカへいってしまった」

「ふーん。割と飛んでる感じだね。アメリカで何してるの」

「わからない。多分主婦やってるんじゃないかな」

「え、そうなの。二人目は?」

「主婦だと思う。まあ働いてはいるから、専業主婦じゃないけど、家事は全部やってるし。今はただのお母さんって感じ」

「なにそれ。いつの時代の話だよ」

「三人目が生まれたのが、一九六五年で、一九八三年時点で高校三年生の十八」

「それ、私と同い年だな。じゃあ死ぬところまでは行かない。バブルがはじけて、年金貰えないぞって話になるのかな」

「いや、それはないでしょ」

「あ、でも四人目が生まれててもおかしくないな。そこまでやるのかな」

「いや、ヒロインは三人ということだから。ところでさ」

「なに」

「娘が処女懐胎したんだ」

「だれの娘が」

「わたしの娘が」

「え、だったら神の子を産むんだな」

「そうなんだ」

「それはまずいな」

「な、まずいだろ」

「神々との戦いがまた始まるってことだな」

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