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幻想  作者: 場合 照美
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黄色いの

本文では駅名は書いていないけれど、内容を読めばたぶん特定出来るだろう。

 東海道線のある駅で降りた。北口と南口をつなぐコンコースに来ると、どちらが東でどちらが西か分らなくなった。この駅に来るといつもそうなのだ。もう何回も来ているというのに。東が東京側で、西が京都側であるのはわかるのだが、エスカレータを降りて改札をくぐるころには分らなくなっているのだった。

 同じ名称のショッピングモールに東館と西館がある。目当ての店は東館にあった。しかし今回も間違えて西館に来てしまったようだ。同じような作りで、飲食店が並んでいるのは同じ感じなのだが、目当ての店が見当たらない。やけに人が多いし、西館の方が店が多いので余計に迷ってしまう。ぐるぐる回った挙句に、こっちではないと見切りをつけて、いったん外に出て、ちゃんと東館と明示してあるのを見つけてそちらに入った。

 そうそう、ここだった。入り口の近くには、コンビニやスーパーがあり、曲がったところから飲食店が並んでいるのだった。東館は西館よりも人が少なかったが閑散としているというほどではない。おでん屋に入ると、若い店員から、座ってお待ちくださいと言われたので、テーブル席に言って座って待てばいいのかと思って行きかけたが、制されて初めて、待合席に座れと言われたんだと気が付いた。

 しかし座らないうちに、年嵩の店員が私を呼んで、席に案内してくれた。二人が向かい合って腰かけられる小さなテーブル席だった。壁際にタブレットが置かれていて、それで注文するように言われた。初めての人は店員に操作方法を聞いてくださいと書いてあった。前にも使ったことはあったが大丈夫だろうか。

 本日入荷という項目があったので、そこを開くと、刺身などが並んでいて、私は早速食べたかった生しらすを選んだ。そして、おでんを何点か選んでから、飲み物を注文しようと思ったが、焼酎の単品が見当たらない。

 ちょうどそのとき若い店員が通りかかったので、声をかけて焼酎の単品はどこですかと尋ねた。すると店員は、少し操作してから、ここですねと言い置いて立ち去った。しかしそのページは、お茶割り焼酎のコーナーであって、見ていっても割っていない焼酎のコーナーではなかった。仕方ないので、とりあえず見つかった別のページで、ウィスキーのハイボールを頼んだ。

 年嵩の店員が、料理を運んできたので、さっきも聞いたんだけどと言って、もう一度グラスの焼酎はどこかと尋ねた。すると店員は下の方にあった、次へという項目をタップして、その下に焼酎のコーナーがあるのを見せてくれた。なるほど、そういうことですか。

 通路を挟んだテーブルは四人席で、最初は四人連れの客が飲食をしていた。私が来たころにはすでにほとんど食べ終っており、鉄鍋の中には汁くらいしか残っていない様子だった。そこに新しい客が座った。三人連れで、たぶん両親と子供だろう。子供は小さくてまだ小学校に行っていない感じだった。注文したときには何を頼んだのか聞こえなかったが、店員が料理を持って来たときに言ったので、おでん定食と海鮮丼だと分った。さっきの客の鉄鍋と同じだったので、あれもおでん定食だったのだろう。

 子供には二人から少しずつ分けている様子だった。若布だいすき。と子供は言いながら、海鮮丼から貰った若布を食べていた。おでんもいくつか分けてもらっているようだった。黄色いの嫌い。と言っていて、黄色いのって何だろうと思っていたら、どうやら辛子のようだった。

 そのあと三人とも食べ終えてしまい、まだ何か欲しいかと子供に訊いていて、何か答えて、タブレットでいくつか注文していた。その辺りで私も食べ終えて、帰った。

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