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幻想  作者: 場合 照美
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テレビ2

 結局テレビを買うことにした。電器量販店に行って、以前のよりも少し小さめの値段の手ごろなのを買って配達してもらった。最初日曜日の夜というので、夜は七時まで帰らないというと、それは無理だと言われたので、午前中ならいるというと、ちょうど一週間後の平日の午前中を指定された。ちょうどよいと思った。

 テレビが壊れたとき、直ぐに買い直すか二度とテレビは観ないかの二者択一だと思ったのだけれど、しばらく観ないで様子を見るという選択肢があることに気づいていた。思えば、テレビが壊れるまで私は毎日何時間もテレビを観ていた。録画予約をするのは、観る番組がなくなるのを恐れてのことだった。仕事がおわって帰ってきてから酒を呑みながら観るのだった。ドラマやアニメの新番組を検索しては毎週予約をしていた。自動的に毎週録画されるのだ。壊れたときに、ハードディスクが残り少なかったので、どこかで予約はストップしているはずだった。

 ずっと観ていたドラマの最終回は、ネットで観たがあまり面白くなかった。途中まであんなに面白かったのに、何という常識的な着地点だろうと思った。観るに値する番組などテレビにはあまりないのだ。しかし、ずっと観ていたテレビがなくなったので暇ができた。私はその暇を、本を読むことで埋めた。何と有意義なことか。そういえば昔、テレビ局があまりない地方に出かけたときも、暇で仕方なくて、本を読んでいた。本を読むことがいちばんいいことだ。

 テレビが来るのは午前九時から十二時の間だと知らされていた。来る前に電話をくれるということだった。伝票をよく見たら、午前十時までに電話すると書いてあった。

 私はこのごろずっと早起きだ。早いと四時過ぎに目が覚めてしまうけれど、それだとあとが辛度くなるので、五時までは寝ることにしていた。前日呑み過ぎたときは七時まで寝ていることもあったが、だいたい五時か六時には起きていた。朝から行く仕事がないので、朝は目覚ましをかけていなかった。目覚ましをかけていなくても、起きなければいけない時刻にはだいたい起きているのがずっとだったけれど、その必要もなくなっていた。仕事は夕方からだったから、それに間に合うようにアラームはかけていた。

 きょうも普段通り五時過ぎに起きた。コーヒー豆を挽いて薄めに容れ、バターを溶かして二杯飲んだ。パソコンを起動して、今日の運勢とラッキーカラーを書き込み、ネットで仕事の連絡がないかチェックして、そのあと暫くサーフィンをした。それでもまだ七時にもならない。

 それからテレビ台の掃除をした。一番下の段にヴイエイチエスのヴィデオデッキと、ビーエスチューナが入っていたが、引っ越してきて以来一度も電源を入れたことがなかった。これはもう不要とみなして片づけることにした。埃をものすごく被っていたので、床掃除用のドライシートできれいに掃除した。電源コードも綺麗に拭って、一台ずつ押し入れに持って行った。ヴィデオデッキが重かった。昔はこんなに重かったのだ。これを買ったのは何年くらい前だろうか十五六年か二十年か。ビーエスチューナは軽かった。比較的新しいということだろう。空いた部分もすごい埃だったので、ドライシートを何枚も使って掃除した。台の上や、現役のハードディスクドライヴの入っている上の段も綺麗にした。それで八時半ごろだった。もうすることがないので、本を読み始めた。

 九時四十分頃に電話があって、十時ごろに納品しますとのことだった。私は着替えてマスクをつけて待った。十時を少し回ったころにトラックの音がして階段を上がる音がして呼び鈴が鳴らされた。

 さて、どうするか。たいてい私はスーパーの開く午前八時ごろに買い物に行くのだったが、きょうは配送が来るので行かずに待っていたのだ。先に買い物に行くか、テレビの設置をするか。箱を開けると、プラスティックの部品が二つ、発泡スチロールに収まっていた。スタンドをまず取り付けましょうと、箱の内側に書いてあったので、その部品だろうと思った。発泡スチロールにはリモコンなども挟んであった。それらを取り出し、上部の発泡スチロールを取り去ると、本体がビニールに覆われて入っていた。隙間に説明書があったので取り出して、必要そうなところを読んだ。

 本体を取り出して、スタンドの取り付けを行った。嵌め込んだ後に螺子で止めるのだった。ねじ回しを取ってきて書いてあるように取り付けた。本体を運んで、テレビ台の上に置いた。コンセントを差して、アンテナを差し込み、レコーダと接続をした。エイチディーエムアイというやつで、これが一番画質がいいらしい。前のテレビは古かったのでその入力がなかった。リモコンに電池を入れてスウィッチを入れたら、綺麗に映った。エムエルビー中継をやっていた。いくつか機能を試してから、ハードディスクの録画予約をいくつも消した。すでに最終回を迎えたドラマや、エムエルビーのハイライト番組などの予約をやめたら、三つくらいしか残らなかった。録画されたものも、どんどん消した。ネットで観たドラマも消した。それから、暫く野球を英語で観て、買い物に出かけた。

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