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幻想  作者: 場合 照美
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テレビ

 テレビが壊れた。画面が映らなくなったのだ。音声は聞こえるので、最初は端子が壊れたのかと思って、端子を変えてみたが映らないので、液晶画面の何かが壊れたんだろうと思った。

 問題はこれからどうするかということだ。選択肢はおおむね二つある。一つは、テレビを買い替えることで、もう一つは今後テレビを見ないことだった。

 買い替えるお金があるだろうか。値段は十万円くらいだろうか。それくらいなら、ちょっと痛いけれど、出せないこともない。でも、観たい番組って本当にあるんだろうか。

 ハードディスクに溜めたまま観ていないものがけっこうあった。それらを観ないで済ませられるかどうか。観たくないことはないが、我慢はできそうだった。このことでさらに問題になるのは、録画予約をしている番組が撮られ続けることだった。容量を超えた時点でストップするのだろうが。まあでも、これはコンセントを抜いてしまえばいい。

 他に観たい番組があっただろうか。ほぼ毎日観ているのが、エムエルビー中継だった。きょうはエンジェルズの試合がなかったので観ていなかった。エンジェルズはポストシーズンへの進出がほぼ不可能になっていたから、十月からは観れなくても問題がなかったけれど、今月つまり九月はどうするかだった。私が見たいのはツーウェイプレイヤだった。彼の活躍をどうしても見たいのか。ちょっと考えて、それほどでもないなと思った。これがイチローだったら、絶対に観たいだろうと思った。しかし彼はもう何年も前に引退してしまっていた。今でも時々その去就がニュースになるけれど、現役のときほど興味が湧かないでいるのも確かだった。

 あとは何があるだろうか。俳句の番組? まあいいや。心底俳句が好きなわけでもない。アニメの観たいものがあった。ちょっと面白いので続きが気になるけれど、観終われば忘れるようなものだろうし。それからつづきが気になる連続ドラマがあった。すでに佳境に入っていて、あと数回で終りそうだった。インターネットで調べたら、次回のあらすじが半分ほど書いてあった。放送後になれば、ストーリーは分るだろう。有料のネット配信もあるようだった。クレジットカードがないのだが、携帯電話の料金で払えるから大丈夫だろう。そのドラマに出ている主演俳優が好きで観始めたのだっけれどが、私には本当に好きな俳優が別に一人いた。その俳優がテレビドラマに出るのなら、ぜひ観たい。しかし、それは今すぐのことではないし、可能性も低くそうだった。その俳優は最近は映画にしか出ていない。もし、テレビドラマに出るようなことがあれば、そのとき初めてテレビを買えばいいや。

 埃をかぶらせたのが、故障の一因だろうか。インターネットで調べたら、寿命は十年ほどだとあった。だいたいそれくらいは経っている。点けている時間が長ければ長いほど早く寿命が尽きるとも。録画機器の方の電源だけ切って、番組予約が始まるとすぐわかるようにテレビの方だけ点けっぱなしにしていることがよくあった。そんなのも消耗の原因になったんだろう。壊れて当然ともいえる。突然治ったりしないんだろうか。いや、それよりも・・・

 これを機会にテレビ断ちをするというのがいいのかも知れない。神様のお告げと思ってもいい。私は何のためにテレビを観ていたんだろう。食事をするときに、何もないと寂しいからだった。今後それに耐えられるのか。テレビの代わりに何をしたらいいんだろうか。食卓の真正面にテレビがある。これを片付けたらすっきりするのかも知れない。音楽を聴くというのがよさそうだった。シーディーラジカセは、いつもすぐに壊れるので、最近は古いパソコンに割と性能のいい小型スピーカをつないで聴いていた。テレビ台に、それらを置くようにしたらいいのではないか。

 ハードディスクプレイヤのディーヴイディーのディスクを入れるところが壊れたままだった。代わりにポータブルのブルーレイプレイヤを買っていた。どうしても観たい映画やドラマをそれで観ればいい。さっき言った好きな俳優のものはたいてい買い揃えてあったし、なんならレンタルしてもいい。近くに合ったレンタル屋はなくなってしまったけれど、ネット宅配などというものがある。

 こうやってどんどん孤独で偏屈な老人になっていくんだろうな。いや、青年回帰かも知れない。若いころは、年に読書百冊、映画百本が基本だった。あの頃に戻れるだろうか。

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