ストーリー15:ブロント、ルイスに託す
登場人物
ブロント、ルイス、カウル
ブロントが水の惑星は諦めるようラムルに話してから数日後。
カーレイ邸リビング、ブロントとルイスはティータイムの様子。
ブロント「ルイス、地下の部屋へ一緒に来てくれないか。」
ルイス「ブロント。それはまた急ですわね、……いったい何かあったのですか?」
ブロント「あぁ、ラムルに……見せようと思う。」
ルイス「ラムルに地下を⁉︎……いいんですか?ラムルは女の子ですよ。あの時は男になら告げても良いと仰ってたのに……。」
ブロント「いや構わん。ラムルにならと感じたのだからそれで良い。……だから頼む。」
カーレイ邸地下の何やらたいそうな所へ足を向ける2人の画。
階段を降り、その地下室の大きな扉の前、左右の横にはパネルが2枚ぼんやり光っている画。
まずブロントが手をかざした。
ブロント「さあルイス、あなたの手も。」
続いてルイスが手をかざす。
重々しく扉が開く画。
ブロント「私だ。戻ったぞ。」
ブロントの声に反応し照明が点く。
扉の中、若かりし頃のブロントに従えていたAnn、カウルの姿や、複数の計器類、大きなトランクが幾つか見えている。電源がoffの為、全てが静かに眠っているようだ。
ルイス「ブロント。ラムルにこれを?」
ブロント「そうしようと思う。但しデータは消去しておく。」
ブロント「サブ電源On。」
一部の計器類に電源が入る画まで。
カウルや大きなトランクなどが照明に照らされた。
2人が婚姻以前、ブロントが宇宙船やデータ管理に使用していた管制室である。
ルイス「全てのノアーナ人に不要だからとここへ収めたはずではなかったの?ここのデータはノアーナにとって不利益ではないのですか?」
ブロント「分かっている。分かっているからこそだ。ラムルもカーレイの血を受け継ぐ者。私やルイスの亡き後でもラムルが困らぬよう伝えておかねばと思う。」
遠くを見つめるようなブロント、
ブロント「ラムルは私に似て好奇心旺盛。他はルイス、君に似ているよ。芯のある娘に成長している。」
ブロント、ルイスに向かい、
ブロント「君からここを見せてやってくれ。外の扉はこれからは君だけでロックしておいて欲しい。」
ルイス「いいのね?ブロント。過去を伝えても……。」
ブロント「ラムルは水の惑星を調べたようだ。私のRJ行動は伝えたが、腑に落ちんらしい。もし水の惑星に足を向けでもして何か有ったら取り返しが付かなくなる。ここで全てを知って、その後ラムルはどうするか……。それにより判断しよう。」
ルイス「ラムルの事が心配なのね……。分かったわ、ブロント。時期を見計らってラムルを連れてくる。扉のロックは今後私のみで施錠します。」
ブロント「ラムルに託す時にデータは私の手で消去する。それは頭に入れておいてくれ。……あとは頼む、ルイス。」
ハグする2人。消灯して出て行く、扉が閉まるところまでの画。
ディゾルプ。