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一章 6 『禁断の実験・・・?』


「なんだかよくわからないが進藤のおかげで助かったよ。ありがとう」


 シルバは電動ドライバーが使えなかったことが少し残念そうだったが、無事に窓の補強作業を終えたことで安心した様子だった。


 窓を木の板で塞いだことで家の中は真っ暗だ。蝋燭の明かりだけが頼りの家の中。外に出るわけもいかないのでその日は特にすることもないので各自、早々に寝床についた。


 外では雨が外壁に叩きつけられる音がする。暗闇の一室で進藤は蝋燭の明かりを灯し一人考え事をしていた。


 アイリス家の空き部屋の一つを進藤の部屋として貸してもらっていた。8畳ほどの広さの個室でベッドが窓際に置いてある。ほかに家具は3段のタンスが一つ置いてあるだけだった。寝巻はシルバのおさがりを借りていた。まさか個室まで用意してもらえるとは感謝の気持ちは絶えない。


 進藤はベッドの上で正座した状態で座っていた。目の前には電動ドライバーが一つ置いてある。それを進藤はじっと見つめていた。


 何度見ても電動ドライバーだ。どこからどう見ても電動ドライバー。


 「おかしい・・・なんでこんなものがここにあるんだ?これは俺が考えたものと全く同じ物じゃないか。似てるなんてもんじゃない・・・」


 明らかに非現実的な出来事に進藤は信じられなかったがある仮説を立てた。


 「あの時も、ペンチを頭の中で想像したら同じものが足元に落ちていた。そして今回も頭の中で想像した電動ドライバーが目の前に突然現れた・・・まさか、これって・・・漫画とかで見たことある錬金術ってやつか!?」


 自分の想像したものを作り出す能力・・・そんなマンガを読んだことがあった。


 にわかに自分でも信じられない。しかしこの状況を説明するにはこの言葉が一番しっくりきた。


 想像したものを任意に作り出せる能力、これが本当だったらとんでもないことである。


 「まさか・・・いやまさかとは思うんだけど、これは試してみる価値はあるだろ」


 進藤は自分の立てた仮説が正しいかどうか確かめるべく実験をしてみることにした。


 「何を作ってみようかな・・・うーん・・・そうだっ!金塊だ!金を作ってみよう!これが完成したら間違いないだろ!!」


 今まで見たこともないほどの大きさの金塊。それを錬金術で作ってみようと進藤は考えた。これが目の前に現れたら仮説は間違いなく真実だったと確信できる。


 そう考えた進藤は頭の中で金塊を思い浮かべた。実際に自分の目で見たことは無いのでよくテレビとかで見た金塊だ。金の延べ棒を可能な限り思い浮かべた。


 ・・・金塊・・・金塊・・・・・金・・・・金!金!金!


 「・・・あれ?」


 しかし予想に反して進藤の目の前にはいつまでたっても金塊は現れない。砂金だってありはしない。


 「あれ!?おかしいな・・・どこにも金はない。一体どういうことだ?思い通りのものを生み出せるんじゃないのか?」


 思わぬ失敗に再び考え込む進藤。






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