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二章 4 『いざ王都へ!』


 「ちょっとお父さん!?いつまで入ってるの!?」

 「も、もうちょっと待ってくれ!もう少しなんだ!」


 アイリスが朝からトイレのドアを叩きながら叫んでいる。どうやらシルバがトイレに籠ってなかなか出てこないらしい。シルバはすっかり新しくなったトイレが癖になったらしい。特にお尻を洗うウォシュレットがお気に入りだ。


 「ふぅ・・・アイリスはせっかちだなぁ」

 

 シルバがやれやれと言った様子で出てくる。 


 「せっかちじゃないわよ!お父さんがトイレ長すぎなのよ!もう!」


 そんなシルバをアイリスが目くじらを立てて怒っている。


 そんなやり取りを見て、これは近いうちにトイレの増設が必要かなと進藤が考えていた。


 「そうだ進藤、君もここに来て色々やってくれたんだ。今日はたまには王都にでも行ってみないか?」

 「王都・・・?」


 突然のシルバの提案だった。そういえばこの世界に来てからはアイリスの家とせいぜい湖にしか行ったことがなかった。


 「そうだ。ずっとこんな田舎にいるのも何かと退屈だろう。気分転換にでも行ってみると良いさ」

 「まあ別に今の環境は全然嫌いじゃないんだけど、ほかの場所がどうなってるのかは興味があるな」

 「そうか!それは良かった!今日は牛を何頭か出荷する予定だから一緒に王都まで行こう!」

 

 シルバは定期的に牧場で育てた家畜を王都に売りに持って行っていた。それと引き換えに色々な生活雑貨などを買い込んでいた。


 「そういうことなら一緒に行かせてもらうよ」

 「王都に行くの!?アイリスも一緒に行くっ!!」


 アイリスが目を輝かせて話に入ってきた。


 「そうだな。私が市場に行っている間にアイリスに進藤の案内を頼もうかな。それでいいかい進藤?」

 「もちろん!アイリスよろしく頼むよ」

 「うん!任せといて!」


 こうして進藤はこの世界に来て初めて他の場所に行くことになった。


 市場に持っていく牛を見繕って馬車に乗せ進藤、シルバそしてアイリスの三人で王都に出かけることにした。セリカが手を振って見送ってくれた。


 今日も天気は良くたまに吹いてくる風が心地よい。


 アイリスの家からは王都までは馬車で順調にいけば2~3時間くらいで到着するそうだ。途中でセリカが用意してくれたパンと紅茶を食べながらのんびり王都を目指した。


 最初は見晴らしのいい草原を駆けていたが進むにつれて他の馬車をチラホラ見かけるようになった。どうやら目的は同じようだ。みんな王都を目指している人たちのようだった。


 「あっ!見えて来たよ!あれが王都だよ!」


 アイリスが嬉しそうに指差した。


 アイリスの指さした先には聳え立つという表現がぴったりの薄茶色の石を積み上げられて作られた城壁が見えてきた。どうやら王都を守り囲むように造られているようだ。


  「おぉ、すごいな!一体どういう方法で作ったんだろうなあの壁は・・・?」


 これにはさすがの進藤もびっくりした。いったいどんな技術でこの壁を作り上げたのか興味があった。これはもはや職業病といった類かもしれない。


 「ハハハ、さすがの進藤も王都には驚いたようだな!けど王都の凄いところは中の方だからな!楽しみにしといてくれ!」


 上機嫌なシルバ。馬車の流れに乗って進藤たちも大きな城門を潜り抜けた。


 「これが・・・王都っ!」


 城門を潜り抜け見えた景色に進藤は驚きを隠せなかった。


 まるでどこまでも続いているかのような城下町に、奥の方に見えるのは巨大な城。あれがおそらく王都の中心部だろう。しかし城までの距離が目測ではざっとわからない。それだけ巨大な建造物であった。


 そして馬車が何台並走してもものともしない道の広さにも驚いた。赤色のレンガを敷き詰められた往来を大勢の馬車がせわしなく行き来している。また道の端の方ではたくさんの人の姿も見られた。


 まさに人、人、人!どこにこんな人がいたんだろうと今までのアイリスの生活からは想像もつかないほどの活気がそこにはあった。所狭しと露店が並び様々な物を販売していた。


 「こんなにたくさんの人が・・・王都!想像以上だ!」


 進藤もこの光景には興奮を隠せない様子だった。


 



 

 

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