コント脚本『あ、なんか写ってる!』
A:今ふうのJK。
○Aの部屋(昼)
Aが部屋で、ベットに背をもたれかけて、携帯を見ている。
A「そういえば、旅行の写真あったな~。うまく撮れてるか、見てみようっと」
青ざめるA。
A「ヤバ……なにこれ、ヤバ……」
A「霊が写ってる! でも……」
写真:昼。森で、みんなスノウで可愛く盛れている。
だが背後に、血だらけの霊も写っていて、霊まで
可愛く盛れている。
A「めっちゃ盛れてる~! 目、デカッ! 顔色も健康的!」
A「え~なにこれ? なんか腹立つ……」
A「他の写真は大丈夫かなあ……」
写真:血だらけの霊が、カメラ目線で、可愛く虫歯ポーズ。
(ほおに手をあて顔をかくして、小顔にみせるポ
ーズ。まるで虫歯をおさえているようにみえる)
A「霊が、なんで小顔、気にしてんねん!」
A「ハマッたな……コイツ、ぜったいスノウ、ハマったな……」
A「虫歯ポーズって……他にもっと痛い所あるやろ……血でてるのに……」
A「なんか、他にも撮った気がするけど……」
写真:スノウで、みんなで顔を取り替えている。
だが、霊だけ変わっていない。
A「あ~、今度は顔を取り替えるやつね」
A「あれ? 霊だけ変わってないじゃん。にんしきミスかな。ざまーみろ~」
写真:霊が自分の首をとって、前にいる女の子の顔の前に、かぶせている。
A「コイツ首とった! 自分の首とって、相手にかぶせてきた! もう死んでるからって、ムチャクチャするな~」
A「なんでそこまでして仲間はいりたいん? まずは成仏が先やろ……」
A「あ~そうそう、これもあったな~」
A「最恐といわれる心霊スポットに行った時のやつ。怖いけど、なんか写ってるか、見てみようっと」
動画:夜中の、廃墟の病院を、みんなが歩いている。
だが急に、いっせいに逃げ出す。
A「そうそう思い出した! 友達が、封鎖されてる扉に、石なげつけたら、急に、変な声がしたんだっけ」
A「なんか写ってるかな~、怖いけど、巻き戻して見てみようっと……」
A「えっ! なんかおるやん、こわっ! しかも、なんか言ってるし……」
A「めっちゃ怖いけど、確認してみよう……なになに?……」
A「『あなたが落としたのは、金の石? 銀の石?』って、なんでここに女神様がおるねん!」
A「そんで、あいつ正直に言って、金、銀もらっとるやん! 石なげたくせに、ごほうびもろてるやん!」
A「ぜんぜん怖くなくなったな~、むしろ、なんかホッコリしたわ~」
A「ああもう、怖いのは嫌だな。今度は、綺麗なの見ようかなあ」
A「あ、そういえば、ダイヤモンド富士、撮ったんだった! 何日もかかって半分寝ながら撮ったけど、うまく撮れてるかな~」
写真:ダイヤモンド富士(富士山の山頂に、夕日がダイヤモンドのように輝いてる現象)
A「おおっ! キレイキレイ! なかなかのレア写真じゃね?! あたし、すげ~!」
写真:ダイヤモンド富士にかぶさるように、
UFO、ネッシー、雪男、小さいおじさん、さっ
きの霊(虫歯ポーズしてる)が出てくる。
A「うすれるー! ダイヤモンドうすれるー! やめてあげてー! レア度を超えてこないで!~」
A「ふだん探しても出てこんくせに、なんやねん! 絶対いやがらせや、コイツら……」
写真:雪男など、みんなで虫歯ポーズ。UFOはなぜか野菜みたいな緑色。
A「そこで、みんなで小顔、気にせんでええわ!」
A「UFOは出したことない色ださんでええ! ちょっと緑いれとこって、インスタばえ、気にせんでええわ!」
A「もう変な写真ばっかり! もういいわよ!」
Aが携帯をなげすてると、携帯に急に、不気味な井戸の動画。
A「え、なに? こんなの撮った覚えないけど……」
井戸から手がでて、何かがはいあがってくる。
A「まさか……アレ出る? さだこ出る? え?……」
ふるえあがるA。
A「『あなたが落としたのは、金の携帯? 銀の携帯?』って、お前かーい!」