第6話 そして、彼らは知らなかった ~離別関係と別れの時~
あれから、数ヶ月が経ったあとの話である。
エーブとホロは久しぶりにこの世界に戻ってきた。
「よし、着いた!」
「あれ? なんか人数が少なくないか?」
「そう言われてみればそうだね……」
彼女らは少し違和感を覚えた模様。
それは今までたくさんいたはずのホワイトクロスのメンバーがかなり少なく感じられからだ。
「あっ、エーブ達だ」
クラウドが彼女らがきたことに気づき、すぐさま反応する。
「ねえ、クラウド。どうして、ホワイトクロスのメンバーが少なくなっているの?」
エーブが彼に問いかけた。
クラウドは彼女らに「これから話すことは落ち着いて聞いてほしい」と念を押す。
「実はな……君達が元の世界に戻ったあと、死神と守人、鍵の覚醒が行われたんだ。その関係上、ここにカノンとセレス、アルヌワはいない」
「そう……そういうことなんだ……」
「ところで、死神と守人、鍵の関係はなんなんだ?」
その話を聞いたホロは疑問に思い、彼に訊いてみた。
「そ、それは……俺からも教えられない」
「そうか……話せないことなら仕方ないよな」
「本当に申し訳ない」
どこからかグーグーと鼾が聞こえてくる。
彼らは周囲を見回すと、ハヤテが立ったまま寝ていた。
それを見かけたホムラが彼を起こす。
「ハヤテはいいよな。いつでもどこでも寝れるから」
「僕もそのスキルがほしいな……」
「誉められた」
「誉めてないんだけどね……」
彼女らが楽しそうに話している時に、リィーン……とどこからか分からないが、鈴の音が聞こえてきた。
「セレス!」
「師匠!」
ホロとエーブが叫んだが、彼女らは「貴方達、誰?」と少し素っ気なさそうに問いかけてくる。
「えっ、セレス。私達のこと、覚えてないの?」
「ええ」
「エーブ、俺が答えられなかったのはこういうことだ」
「クラウド……どうやったらセレス達が元に戻るの?」
「すまない……そのことについては今の俺達にも分からない」
「これが離別関係……切ないよね……」
「……そうだな……」
重々しい空気が流れる中、突然レジスタンスのメンバーがホワイトクロスの前に現れ、カノンと1人の男性が近づいてきた。
「エーブ!」
「カノン!」
「元気だった?」
「うん……だけど……」
「どうしたの?」
「セレス達は私達のことを覚えてないみたい……」
「実はね……エーブとホロ。ちょっと、私の話を聞いてくれるかな?」
「うん……」
「ああ……」
彼女からはこのような話だった。
ここに存在する組織はホワイトクロス、レジスタンス、ブラックローズ、死神、守人、鍵の全6組織で構成していること。
死神は鍵が彼女らの「記憶の破片」という役割を担っている。
よって、セレス達はエーブ達のことを覚えていないということを告げる。
「そうなんだ……」
「1番辛いと思うのに……話してくれてありがとう」
ホロとエーブがどこか複雑そうな表情で言う。
カノンは最後の方では泣き出しており、なんと言ったかはよく聞き取れなかったが――。
その時、ツクヨミが彼女の髪を優しく撫でて落ち着かせた。
「カノン、落ち着いた?」
「うん……ツクヨミ、ありがとう……」
「いいえ……」
エーブはカノンとツクヨミを見て、彼女のように純粋に涙をこぼしてみたいと思った瞬間、彼女の目から自然と涙がこぼれ落ち、地面を少し濡らした。
「ねぇ、クラウドとツクヨミ。私にできることは何かないの?」
エーブは泣きながら2人に問いかけたが、彼らの答えは「「この世界を終わらせることだけ……」」と――。
「ほう……あとどれくらいでこの世界は終わるのかい?」
「この世界は終盤を迎えていますので、あと少しで俺達はこの世界からいなくなるのです……」
「そうです。カノンもクラウドも、ここにいるみんな、現実の世界に戻らなければならない時が近づいていると言えるでしょう……」
「もう私達には何もすることはできないの?」
「エーブ、それに近い……離別は辛いけど、別れはもっと辛い……あとは俺達に任せてくれ」
「安心してくれ」
「エーブ、心配することはないよ?」
「クラウド、ツクヨミ、カノン……」
この空間にいるほぼ全員が頷いた。
「2人とも、安心して帰って」と言ってくれているかのように――。
あれから、数10分が経ったあと、エーブとホロの元の世界に戻り、少し期間を開けてクラウド達もこの世界から姿を消したのであった。
今回をもって『Endless Story』と私の友人が書いた作品である『Dream School』という作品のコラボレーション作品は最終です。
次回はどの作品とコラボレーションするのでしょうか?
2017/03/18 本投稿