第3話 なんのために闘うの?
【作者より】
コラボレーション編第3話です。
『Endless Story』と私の友人が書いた作品である『Dream School』という作品のコラボレーションです。
※『Dream School』は小説投稿サイトには掲載されていませんので、ご了承ください。
そして、迎えた2日目の夜。
エーブは昨日と同様に、拳銃の射撃練習をしていた時、3人の人影が現れた。
彼らはレジスタンスである。
「おい、ディオネ。見慣れない奴が2人いるが……あいつらはホワイトクロスの人間か?」
「だろうな、ルジェ……」
「…………」
「あらあら、そこの3人。私の可愛い弟子達に何か用かしら?」
3人がこそこそしていると、アルヌワが悪魔のような笑みを浮かべ、無邪気に言った。
「「い、いえ……」」
彼らは彼女の笑みで石化する。
レジスタンスの面子はそうなるくらいにアルヌワに対して苦手意識を持っている模様。
彼女は「ならいいわ」と言い、エーブ達のところに駆けつけた。
*
同じ頃、拳銃の射撃練習をしながら彼女はあることについて考えていた。
戦闘仲間? レジスタンスと闘う?
そのようなことを考えていた彼女は「誰がため」と思っていたらしい。
「エーブ、どうしたの?」
「どうしたんだ?」
セレスとクラウドがエーブに話しかける。
彼女は突然、話しかけられたため、驚いているようだ。
「いくつか訊きたいことがあるんだけど……あなた達はなんのために闘っているの?」
エーブが彼女に問う。
彼女らはそのような唐突な質問に「うーん……」と頭を悩ませながら答えようとしていた。
「そうだなぁ……私が闘う理由は……それがやるべきことだからかな」
セレスはホワイトクロスの代表として、淡く微笑みながら答える。
エーブはさらに彼女らを問い詰めた。
「そんな理由でこんな闘いを続けられるものなの?」
「俺達には共通の目的があるからな」
クラウドが答えるが、彼女は「共通の目的?」と問いかける。
「ええ。明日や未来を取り戻すという目的がね――」
「あとは仲間……友達のためかな……」
彼らの答えは意外なものだった。
「大切な誰かのためにか……いいことね……」
その答えを聞いたエーブはうんうんと頷いている。
彼女がふと後ろを振り返るとホロが等身大の姿で立ち、「素敵ですね……」と言った。
「って、ホロ! いつからそこにいたの?」
「その人いたんだ……」
「そうみたいね……」
「えっ!? みんなして酷いなぁ……さっきからいたよ」
彼は1番最初からいたにもかかわらず、誰にも気づかれなかったらしい。
「じゃあ、私達からも訊くけど、エーブ達はなんのために闘っているの?」
「「…………」」
彼女らは先ほどの彼らと同様に考えているようだ。
「私達もあなた達と同じように、時と闘っているの。短い時間で大切な何かを探すために……」
「なるほど……」
「エーブ達も頑張ってね」
「うん! ところで、師匠に引っ張られている人達は誰?」
「彼らこそがレジスタンス……俺らの敵さ」
「敵!? 私達も彼らと闘うの!?」
「そうだよ」
「そうよ」
エーブとホロは覚悟を決めた。
敵であるレジスタンスと闘い、自分達の未来はもちろんのこと、彼らの未来にも貢献しようと――。
彼らの最初で最後の闘いの幕を開こうとしている――。
2017/02/11 本投稿