プロローグ
【作者より】
今回から第2章開始です。
『エンストシリーズ(https://ncode.syosetu.com/s2605c/)』と『ふしがくシリーズ(https://ncode.syosetu.com/s2604c/)』のコラボレーションです。
これはある年の12月のある日の話である。
自然豊かできれいな校舎の中に5人の男女の姿があった。
「ねぇ、ベル。ここは過去、現在、未来のどこの世界?」
「ここは現在だな。今までが過去の世界だったから、ゆかりの次元が狂ってるんじゃないのか?」
「そんなことはないよ!」
ゆかりと呼ばれた女子高生とベルと呼ばれた男性がこう話している中で他の学生もくすくすと笑っている。
「まぁまぁ、お2人さん」
「次元がもとに戻って嬉しいと思うけどさ」
「せっかく他の高校にお邪魔しているんですから、少しは落ち着きましょう?」
他の3人は彼女らを宥めるように話していた。
「そういえば、この高校は私達が通っている学校とは大違い!」
「意外と空気が美味しいですね!」
「そう言われてみればそうだね」
「そのことは僕が1番最初に気がついたのに……」
校内に立っている木々はすべて葉は落ちているが、夏場は涼しそうだと予想している生徒達。
キャッキャッと騒いでいる彼女らにベルは「みんな揃って朝からはしゃぎすぎ!」という始末。
「ほらほら、ベル。出てきなよ! いつまで私の制服のポケットの中にいるの?」
「えー!? 寒いからまだ出たくなーい」
「「えー!?」じゃない! 早く出る! それでも数学科教師!?」
「ハイハイ。出ればいいんだろ!」
「ハイは1回!」
「ハイ!」
彼はようやく、ゆかりの制服のポケットから出てきた。
彼女らが今着ている制服は私立花咲大学付属中等学校の高等部の制服ではなく、これから通うことになった学校の制服を着ている。
一方のベルはゆかり曰く、「数学科教師」というわけで背広姿だった。
彼女らの他校との交流会が今、始まろうとしている――――。
2017/12/31 本投稿