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アナスタの生い立ち
シスターカミーユは何か呟きながらひたすらテーブルに頭を打ち付け続けていた。
ソフィーは空になったスープ皿を卑しそうに舐めていた。
食堂を見渡すと、アナスタがキッチンから手招きをしていた。二人に気付かれないようにその場を離れた。アナスタに話しかけた。
「ねえ、あの二人どうしちゃったの?」
アナスタは首を左右に振って応えた。
「、、分からないわ。とにかく、、」
アナスタはシャルの腕を引っ張って言った。
「今はこの場にいるのは危険よ。ここから離れましょう。」
二人はとりあえずその場を離れた。
「アナスタは、どの位ここにいるの?」
「私はここの教会の前に捨てられていたの。だから、生まれてからずっとここにいるの。」
「えっ?ここにずっといるの?」
「ええ。ここの教会から一度も出た事がないの。」
「じゃあ、教会以外の世界を知らないの?」
アナスタは悲しそうに頷いた。