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尾行
「ダメーーー!!」
気付くとベットの上にいた。隣でソフィーがまだ寝息を立てていた。
さっきのは、、、夢?それにしてもリアルだったな、、、悪い夢を見ていたせいか、ぐっしょりと嫌な汗だった。
窓の外を見ると、まだ日が明けていなかった。中庭に、シスターカミーユの姿を見つけた。こんな暗い内から何をしているんだろう?見た夢の事を思うと、また寝る気にはなれなかった。気分転換にもなるし、シスターカミーユの後をつけてみよう。私はばれないように教会から出て近くの茂みに身を隠した。
息を潜めて待っていると、シスターカミーユは私に気付く事なく前を通り過ぎた。
シスターカミーユは視点の定まらない瞳で、何かに引っ張られているかのように森の中へと消えた。気付かれないように、少し距離を持って後に続く。
ブツブツ何か呟きながらシスターカミーユは歩き続けた。
遠くて何を言っているのかハッキリ聞き取れなかったが、ずっと同じ言葉を繰り返しているようだった。
シスターカミーユは森の中をどんどん進んで、大きなカシの木の目の前に来るとピタリと動きを止めた。