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娘に断罪される悪役公爵(37)に転生してました ~悪役ムーブをやめたのになぜか娘が『氷の令嬢』化する件~  作者: 次佐 駆人
第11章 国王マークスチュアート、国を防衛す

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04 出撃

 魔族軍接近の報告があったその日の昼前には、王都民にも魔族の再襲来が告知された。


 王都民は一度魔族に酷い目に遭わされているので、その時の騒ぎはかなりのものであったようだ。


 同時に俺を総大将として5万の王都軍で迎え撃つ旨も知らされると、王城前の広場に大勢の王都民が集まり始めた。俺が出征する姿を見送るつもりなのである。


 将軍やフォルシーナたちの準備が整うと、事前に決めていた通り出征パレードを行った。俺としては尻のあたりがムズムズするようなイベントだが、民に安心感を与えるには絶対に行わなければならないものである。


 鎧姿の俺を中心にして、前方に将軍ドルトンとリンが並び、さらにフォルシーナが俺の横に、やや後ろにマリアンロッテ、アミュエリザ、クーラリア、ミアールらが控えるという形で隊列を組み、それを親衛隊が先導するという形で通りを練り歩く。数えきれない位の王都民が歓声を上げながら俺たちに手を振ってくる中、俺はマークスチュアート面を前面に出して「聖剣に選ばれしこの私が愚かな魔族たちに正義の鉄槌を下してくれよう!」などと言いながらシグルトの聖剣を抜き放って天に掲げたりした。


 しかもパレードの途中で教皇ハルゲントゥスと聖女オルティアナが現れて、俺たちに祝福を与えるという演出まで行った。


 後に5千の軍勢を従えながらが続いて北門から出撃をしたが、それに遅れて残り4万5千の軍が半日かけて順次出撃をしていく予定である。


 なお軍勢の内訳は俺直属の親衛兵が千、ドルトン、リン両将軍の部隊がそれぞれ2万5千となる。なお、王都の守備兵としてドルトン軍リン軍どちらも5千ずつを王都の守備兵として残している。


 しかしこれだけの大軍勢がたった一日で出撃できるのは、事前にしっかりと準備してあったからである。『転移の魔道具』でいきなり近場に出てくる魔族軍に対するにはスピード感がなにより重要となる、というのはリアルとなったこの世界で生きてきてよくわかったことだ。


 ともあれ王都を出撃した軍勢は数時間行軍をしたのちに、北の平原南端あたりで全軍停止し、ある程度の陣を張りつつ野営を開始した。


 ちなみに俺の天幕は、先に手に入れた『モバイルフォートレス』で代用することにした。


 亀の甲羅が巨大化して家になるところを見て、将軍のドルトンは腰を抜かしそうになり、中の調度品を見て顎が外れそうになっていた。


 なお『モバイルフォートレス』にはフォルシーナたちも一緒に寝泊まりすることになる。実のところ、公爵家から預かっているマリアンロッテとアミュエリザが一緒なのは、旅中ならともかく今回はマズいだろうと思い、俺だけ別の天幕で過ごそうとしたのだが、


「私がいるのですからなんの問題もないはずです。それともお父様はマリアンロッテたちになにか思うところがおありですか?」


 とフォルシーナに脅は……説得されてしまった。


 なおアミュエリザは姉のヴァミリオラに許可は取ったらしいのだが、怖くて確認はしていない。


 もちろん古代アンドロイド少女のツクヨミも一緒なので、魔族軍に動きは逐一報告が入る。それによると、やはり平原の北端に集まって動きを止めているらしい。ただこの北の平原は恐ろしく広大なので、こちらの陣から魔族軍の姿はまだ目視できない。


 夕食後『モバイルフォートレス』のテーブルセットにてミアールの入れてくれた紅茶を飲んでいると、フォルシーナが隣に座ってきた。


「お父様、エルフ族はいつ合流をするのでしょうか?」


「明日の朝、私が転移魔法で迎えに行く予定だ。魔族軍とぶつかるのは明後日の朝になるので問題はない」


「魔族軍が他になにか策を弄してくることはありませんか?」


「私もそれについては常に気を配っているが、ツクヨミがいる限り動きがあればすぐにわかる。それに魔族軍の主兵力はモンスターであるので、もとから正面からぶつかる以外の動きは取れぬのだ」


「それであれば、お父様と私たちや将軍たち、そして精強な兵たちがいれば負けることはありませんね」


「うむ。ワイバーン部隊と、四至将の二人さえ抑え込めればこちらの勝ちは揺るがぬだろう。問題はこの機に乗じて他国が動くかどうかの方であろうな」


「そちらもお父様にかかれば問題ないのではありませんか」


「戦になるのならそうであろうな。ただ搦め手などに出られると多少面倒ではある。魔族相手ならすぐに戦で決着をつけることになるが、国家間のやりとりはそれだけではないからな」


「先代王妃などの件ですね」


「そうだな。もっともどのような手で来ようがこちらはこちらの正義を押し通すだけだ。そして王家の正義とは、民をいかに安んずるかでのみ保証される。ゆえに此度の戦いでは民の被害を出すことは許されぬ」


 マークスチュアート面を発揮してなんとなくそれっぽいことを言うと、フォルシーナだけでなく、マリアンロッテとアミュエリザまでやってきて尊敬のまなざしを向けてきた。


「王家の正義は、民をいかに安んずるか……。お父様のお考えは大変素晴らしいと思います。私もその考えを胸に刻んでおきたいと思います」


「国王陛下が民を第一に考えていらっしゃることは、なにより王都民自身が感じていることでしょう。私もそのお考えを素晴らしく感じます」


「さすが国王陛下です! 姉もそのお考えを聞けば、陛下に一層忠誠を誓うと思います!」


「うむ。まあこれも先人の知恵に過ぎぬがな。ともかく戦において3人には、ミアールやクーラリアと共に四至将ドブルザラクの相手をしてもらうことになる。ドルトン将軍とリン将軍との共闘となるが、気を抜くことなく戦ってほしい」


「はい!」


 さすがにドブルザラクでも主役級キャラ+主要キャラが7人がかりなら余裕で勝てるだろう。ドブルザラクは完全な脳筋キャラで、ラエルザに聞いてもそれはリアル世界でも変わらないようなので四至将の中ではもっとも与しやすい相手である。


 問題はゲームと違う動きを見せているエルゴジーラの方だが、こちらもエルフさえ来てくれればいかようにもなる。


 後はそれ以上のイレギュラーがないことを祈るのみだ。

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