表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/70

44.襲撃事件の真相

(ん?ハインリヒさんからメッセージ来てる)



指名依頼から数日経ったある日、ログインするとメッセージが届いていることに気が付いた。


メッセージの送り主は、遺跡の調査をしている間ずっと私の護衛をしてくれていた、騎士のハインリヒさんであった。


(なんの要件だろう…)


正直送ってこられる内容に心当たりは全くないのだけれど、取り敢えずは内容を確認してみよう。

するとそこに書かれていたのは、調査中に突如発生した野盗の襲撃事件の真相についてであった。


まぁ、とはいえ真相と言うほど深い内容ではなかったのだけれど。


内容はこうである。

依頼開始前のとある夜、某飲み屋にて酒に大層酔った騎士ブルーノが、その飲み屋の店員である女性に今回の依頼内容を声を大にして伝えていたらしい。女性店員の証言によると、「チブチアの財宝さえ見つかれば将来は安泰だ」やら「さる御方から内密の依頼も受けている」等の発言をしていたらしい。

それをたまたま同じ店にいて耳にした客から野盗へと情報が流れ、その結果今回の事件に繋がったとのこと。



……………チョビ髭さあ。お前は本当に救いようのない奴だよ…。


なんだか無駄にドッと疲れてしまった。

チョビ髭は多分もうどうにもならないから、早いとこクビにした方がいいと思うな、私は。


一応これで野盗が襲ってきた原因は分かったのだけれど、そうするともしかして私たちは移動中ずっと後を尾けられていたのだろうか?


その答えは2通目のメッセージに書かれていた。

どうやら野盗の中にテイマーの男がいたらしく、その男の従魔が尾行していたとのこと。その従魔があの森に多く生息していた魔物と同じ猿系統の魔物だったため、発見に至らず尾行を許してしまったのだとか。


メッセージにはそれに対する謝罪の言葉が綴られていたけれど、尾行は私たちの後ろからついて来ていたようだし、それはもしかしなくとも最後尾にいたチョビ髭のせいなのでは……?


取り敢えず返信には髭を早めに処分することをお勧めしておこう。




フゥ、と息を吐きながらメッセージ欄を閉じて立ち上がる。


実はメッセージはもう一通来ていて、それには椿からの「新しい装備が完成したよ!」という旨の内容のものが、この10倍以上の熱量と共に書いて送られてきていたのだ。


今度の装備はパルゥとお揃いでお願いしますとオーダーしてある。

どんな装備が出来たのか楽しみですね!




カランカラ─────ガチャッ!


「ジュカくんいらっしゃいっ!待ってたよ!!」


扉を開けきる前に内側から勢いよく引かれ、たたらを踏みそうになる。


「……オイ」

「あっごめんね!?興奮が治まらなくて……でも、もうすんごいのが出来たんだよ!あっちに置いてあるから早く早く!!」


今日はあらかじめ店を閉めていたらしく、誰もいない店内を通り抜け店の奥へと向かう。


「お、やっと来たんやな!待っとったで!」

「いらっしゃいジュカくん、お待ちしてましたよ~」

「やっほージュカ。俺もお呼ばれしてきたよ~」

「おうジュカ、新しい装備が出来たんだって?」


そこで出迎えてくれたのはキャロさんとユリさんだけではなく、なぜかハンスとハルくんの二人もいた。


「あン?なんでお前らまで居ンだよ」

「俺らも椿たちに新しい装備の注文に来たんだけどさ、そしたらこれからジュカの新しい装備のお披露目するって言うじゃん?そんなの一緒に見るしかないよね?」

「まぁそういうこった」


ということらしい。

ハンスたちは【宵闇の騎士団】というクランの装備もまとめてお願いしていたし、いてもまあ不思議じゃないかと納得する。


「で?今回はどんな装備にしたんだ?」

「いやぁ、今のジュカならどんなやつでも似合いそうだよね~。あ、今度うちの装備も着てみる?」

「あんなカッチリしたやつなんざ着ねェよ。今回のやつはパルゥと揃いにしたやつだな」

「パルゥと……?」

「えっ?パルゥって騎獣のパルゥだよね?てことは豹柄というか、あの斑点模様の装備ってこと…?」


えっそれって微妙じゃね?みたいな顔をする二人に、私たち4人は顔を見合わせる。


「あれ?ハンスたちは知らないんだっけ?」

「そういや()()を手に入れたんは、二人に会った後やって言うとったな?」

「そういえば二人はあの称号についても知らないかもって言ってましたね~」


言われてみれば、前に二人に称号のことを伝えて掲示板に上げてもらおうと思ったことがあったような……?


「えっ何々?全然話が読めないんだけど」

「称号って何の称号だ?」


疑問符を飛ばす二人に、以前椿たちにもしたような説明を掻い摘まんで説明する。


「なにそれ!?もっと早く知りたかった!っていうか騎獣装備って何!?めっちゃ見たい!」

「おいハンス落ち着け。でも【共に歩む者】か……いいな。今度クランの面子で取得目指すか」

「おっいいね!皆も知ったら欲しがるだろうしね。ってそんなことよりも、早く!その騎獣とお揃いの新装備パルゥとセットで見たい!!」


なんというか、ハンスが私のことでやたらとテンションが上がる姿を見ていると、やっぱり椿とハンスって双子なんだなぁ…と見ていてホッコリしてしまう。

普段ハンスは飄々としているというか、どちらかと言うとクール系なんだけれどね。


「あ~でも確かうちらの店やとパルゥが出せへんのとちゃうかったっけ?」

「あーそうだったかも…」

「そっか、ここって貸し店舗だったっけ。それなら俺らのクランハウスは?うちなら騎獣も出せるよ」



という訳で、現在はハンスたち【宵闇の騎士団】のクランハウスの前まで来ております。


ちなみにこのクランハウス実は王都にあるのだけれど、私はまだ王都へは来たことがない。ならば何故来れているのかというと、互いにフレンド登録をしている相手なら『ホームを訪問する』という項目があり、相手の許可さえあればボタン一つで遊びに行けるのだ。

その代わりホームの外に出ることは出来ないので、王都探索をしたければ地道に自分の足で王都まで行かないといけないのだけれどね。


クランハウスの外観は「砦!」といった感じの武骨な石造りの建物なんだけれど、中に入ると美しく整えられた庭や噴水もあって、流石騎士団の名を冠するクランのホームだと感心してしまうね。実にお洒落で良い雰囲気です。


「こっちこっち、今は他のメンバーもいないし寛いでよ」

「念のためこの部屋に入室制限かけとくか…」

「お~相変わらず豪華な部屋だね~」

「さすが攻略最前線にいるクランやで。えらく儲かっとるみたいやな?」

「ここ郊外とはいえ王都ですもんね~。薔薇が咲き乱れていそうで素敵です」


聞けばなんでもこの屋敷は、とあるクエストで知り合った貴族に格安で譲ってもらったのだとか。そんなクエストが…!?と驚くも、ホーム取得系のクエストは色々と発見されているらしく、探せば割と簡単に見つかるらしい。


ホームねえ。勿論いつかは欲しいけれど、今はまだ拠点にしたい街ってまだどこもピンときてないからなあ。


「それよりも!ジュカの新しい装備は!?」

「ハッそうだった!これ先に渡すね!それで私たちは一旦部屋の外に出るから、着替えたらパルゥちゃんと一緒に待っててね!!」

「おっええな~!やっぱこの装備は二人セットやないとな」

「ウフフフフフフ、後でまた撮影会ですね!!」

「おぉ、相変わらず女子連中の熱気がスゲェな……」


椿から新装備を受け取り、他の皆には一旦部屋の外で待機してもらう。

装備を受け取ってシステムでポチッとして終了!ではなくて、こうして場を整えてくれる気遣いをしてもらうと、こちらも最高の着こなしを見せねば!という気持ちになるよね。



装備を取り出してみると、まずパルゥの装備と揃いの襟飾り、それにこれもパルゥのものと同じデザインの腕輪にこれらのデザインに似せた金色の幅広のベルト。

服は黒の布地で、パッと見はロングの筒型のワンピースのようになっている。しかし下半身の右側部分がバックリ割れていて、そこからゆったりとしたシルエットのズボンが覗いている、といったデザインみたいだ。

そして足元は革製のサンダルになっている。



う~~~~ん最高!!!!



このエジプトっぽい感じが好きすぎるぅ……っ!

歓喜に打ち震えながらもチャキチャキ装備を身に付けていく。


おぉ~やっぱり布装備なだけあって着心地良~~!

動きも………うん、変に突っ張ったりする所もないね。アクセサリーも豪華だけどジャラジャラ動くタイプじゃないし、戦闘のときも問題なさそうかも。


着心地と着こなしを確認してパルゥを呼び出す。


「どうだ?」

「!」


パルゥにも自分とお揃いだと分かったのか、嬉しそうに擦り寄ってくる。

そうかそうか、パルゥも嬉しいか。お前は本当に可愛いやつだなあ~!



さてこの後の最大の問題は………どんなポーズで皆を出迎えるか、という点である。


今いる部屋は所謂応接室というやつである。

部屋の中央には机が置かれ、その机を挟むように三人掛けのソファが2つと一人用のソファが一つ。あとは壁の一部が中庭へ直接出られる造りになっている。


んー……この装備なら室内より外かな。


中庭の芝生部分にパルゥを背凭れにするようにして座る。

よし、こんなものかな。椿たちにメッセージを送り、中庭まで入って来てもらう。



フゥーっと息を吐いて顔を作る。






さぁ篤とご覧あれ!新生ジュカくんですよ!!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
この魔性ロールっぷり そりゃあこの練度でロリなんてやったら変態が押し寄せてくるよなぁ
ジュカ愛は変態しか寄ってこない誘蛾灯かな?ハインリヒもそうだし…性別を変えても結局は変態が寄ってくる流れ まあ、ジュカ君に至っては害がない害ある変態ではあるけど
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ