Nihil
追い付かれ、追い越されていく中で、投げ捨てた、置き去った、忘れ行ったものは多い。
後悔は遅く、それは酷く心を軋ませる。
考えは軽く、それは未来に重責を残す。
知るとも知らぬとも言えぬ境界に、私はそうして居る。
私は何も無い。私には何も無い。
何も無いから、何かを求めて、今日もこうしている。
何かを求めるから、今日もこうして一束の藁のごとき光を追う。
光を追って辿り着いたその先にあるものは、何も無い。
ならばなぜ私は光を追うのか?
ならばなぜ私はここに居るのか?
なぜ...なぜ......
それで、私には何が残されているのでしょう。