幕間・元天使は父と会う
その夜、アリアは夢を見た。
正確には、夢の中で父と再会を果たしたのだ。
『おめでとう、アリア。私の愛しい最後の子』
アリアもまた感謝を伝えた。生み育ててくれたこと。愛してくれたこと。そして大地へ降ろし、アランと会わせてくれたこと。
そう言うと、父は何度も頷いてアリアの頭を優しく撫でた。
『一年後の結婚式には会いに行くよ。ジョア達も揃うはずだ』
『お姉さま達も!?』
『皆、既に転生を果たしている。記憶は失っているが、配偶者と出会えばおのずと甦るだろう』
『よかった…』
フィーネが眠りについてから約五百年、フェローは義理の妹達を見守ってきた。
決して一人だった訳ではない。フィーネとの間には子供がいただろうし、その子孫が彼を支え続けたはずだ。
しかし愛を知った今なら分かる。アリアにとってアランが必要なように、フェローもまたフィーネでなければ駄目なのだ。
『フェローにも世話になった。彼には改めて礼をしなければな』
『ええ。お願いお父さま』
『さて、名残惜しいがそろそろお前を返さねば。幸せになりなさい、アリア』
大好きな父と姉。宝物だった、アリアの世界。
けれどもう戻らない。羽を失ってでも、アリアは大地で見つけた愛しい人と生きていく。
『私は幸せよ、お父さま。でもアランと一緒に、もっともっと幸せになるわ』
そう笑うアリアに、父もまた微笑んだ。




