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サハラ王国の大改革

ーー サハラ王国の大改革。


3日後王城の上に飛んできたファーストを見つけた兵が城の中に駆け込んだ、暫くして第三王女のクリスティーナがテラスに出て来た。

そこに舞い降りるファースト。


周りには武装した兵士が

「大歓迎じゃないか。」

と大袈裟に言うファーストに、クリスティーナ王女は申し訳ない顔で

「出かける前に父である王にお会いしてほしいのです。」

と言った

「娘を連れて出る以上、親に挨拶は当然であろう。いいぞどこに行けばいい。」

と了承すると、あの兵士の隊長が現れた。

「わたしが案内します。」

と先導するのでその後をついて行くと、突然横から男に襲われた。

事前に危機感に反応があったので、問題なく黒焦げにして何事もない顔で歩き続けると

「申し訳ありません、警護の失敗でした。」

と頭を下げる兵隊の隊長に

「羽虫のようなものだ、さあ行け。」

と先を促すと、周りのものは青ざめていた。


「こちらで暫くお待ちを」

と言われたところで

「何!俺を待たせると言うのかここの国王は。馬鹿なのか?センターターク王国の国王でさえ俺の元に自ら来たと言うのに。」

と言うと慌てて何処かに走り去った。


直ぐに国王と思われる男が慌てた感じで現れた。

その頃ファーストは、椅子を2つ取り出して片方に座っていた。

男が王座に座ろうと壇を上がろうとした時、ファーストが

「お前は女神より偉いのか?」

と言うと目の前の椅子を指差し

「センタータークの国王も座った椅子だ、文句はなかろう。」

と言った。


国王は逡巡したが、そのまま椅子に座った。

「俺はこの世界の女神から、この世界を助けてほしいと頼まれてきた者だ。使徒程度の存在ではない、そこを考え違えるな。今からお前の娘が願うように、この国を作り変えてやろうと思うが、お前に意見はあるか?」

と聞いた、国王は

「お心のままに出来ますれば、民のためになるように。」

と頭を下げた

「分かった、娘を借りるぞ。」

と言うとその場を後にした。

残された国王は、

「本物であったか。怒りを買わずに済めば良かろう。」

と大きく息を吐いた。



            ◇


1時間後。


ファーストはクリスティーナを抱いて空を飛んでいた。

「ファースト様この先に王国を取り囲む大山脈があります、あそこが砂漠と何か関連があると思うのですが?」

と言うクリスティーナに

「おお偉いな、その通りだ。今からいくつか山を取り除く、今後それによって雨と共に侵入者があるかも知れんが、そこは頑張ってくれよ。」

と言うと山が見えるところに舞い降りて、

「ここでしばし待て。」

と言うと山脈の方に飛んでいった。


暫くすると

「ゴーーッ。」

と言う音と共に山が次々に崩れてゆき、その先が見えるようになった。

さらに暫くすると地響きと共に山並みから一筋の道?いや裂け目が、クリスティーナ王女の方に走り寄って来た、

「あ!」

と思いっているといつの間にかファーストに抱えられて空に舞い上がっていた。


「ほら見てみろ、山から出た水が川となって、俺が作った溝に沿ってお前の住む王都に向かっているだろう。」

と言うファーストの言葉を自分の目で確認するクリスティーナ王女は

「本当です、川というものがない我が王国に川が・・・ありがとう存じます。」

と涙目で答えた。


その後いくつかの川が山脈からサハラ王国を網目のように川ができ始めると、ファーストは交通の為の橋をかけ始めた。


そして適当な場所の土を

「性質変換」

と唱えながら、森や林又は田畑に変えていったのだ。


この様子を見ていた砂漠の民は、皆ファーストを見かけると膝をつき祈るようになった。



ーー サハラ王国. 王城の会議室



「報告を」

宰相が部屋の中の男に声をかける

「はっ。報告します。一つはサハラ王国の西側の大山脈群の山がいくつかなくなったこと。二つ目は山脈側からいく本もの地割れが走りそこに水が流れ込んで「川」のようになっていること。三つ目はその「川」のようなものを中心に森や林又田畑ができていること。四つ目はその「川」に橋が何本かかかったそうです。」

と報告した。

その報告を聞いた王国の重鎮が

「何を馬鹿な話を。」

と吐き捨てるように言ったがそれに国王が

「バカはお前であろ。神が手を下しておるのだ、山の数個など消えて当たり前ではないか。」

と言いながら報告者に

「確認はどこまで出来ておる。」

と問うた。

「はいほぼ確認済みです。「川」については、窓を見ていただければ確認できます。」

と答えたのに

「何!見えるのか。」

と言うと国王は窓辺に移動した。


「おお!本当に川が流れておる。しかも導きの地割れが家や街道を避けておる。」

とおかしそうに目を細めた、他の重鎮らもその状況を目にして

「これは本当に神の・・・我の言葉は不敬であった。お咎めなどなかろうか。」

と震え出した。

それを見た国王は

「あの方は、見た目や言葉使いは子供でありヤソで傲慢だが、それは神の力を持つからであろう、古びた教会を修繕し孤児を助けている姿を見れば、慈悲の心は神と同じであろう。」

と答え問題なかろうと言うと、別の者に

「例の件は済んだのか?」

と聞いた

「はい陛下、ツータン男爵とその関係者は全て取り押さえてございます。先日の暗殺未遂も同じ関係者でございました。」

と答えた

「この国を滅ぼしかけたのだ、極刑にいたせ。」

と強い口調で指示した。



ーー クリスティーナ王女



私は今変わりゆくサハラ王国をこの目で見つめている。

はるか高い空の上から見ていると、自国の砂漠の広がっていた場所をいく本もの大河が流、緑の大地が大小幾つも見える。

生まれ変わったのだ。


その後ファーストに抱かれたままクリスティーナ王女は、王城に。

ファーストは

「これでお前の願いは叶えた、後はお前たちの努力次第だ。」

と言うと飛び去った。

クリスティーナ王女はその姿を何時迄も見つめていた。


その後父である国王に報告に向かう

「国王に申し上げます。ファースト様の手により我がサハラ王国は緑と水に溢れる王国と、なりました。

しかしこの後は私たち王国の者が、国を作り上げろとのお言葉でした。」

と話した

「そうか、そこまで変わった姿をお前は見たのだな。分かったこれからはわしが力を尽くそう。」

と答えて娘の労をいたわった。


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