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積ん読始末記  作者: 夏生由貴
2018年/119冊(消化本105冊、再読本14冊)
6/36

2018年1月/8冊 本様たちの住宅事情

 確かに、私は積ん読がお盛んだ(なにこの表現)。しかし、部屋に入ると山脈のように本が積んどかれてる、という光景は残念ながら見られない。

 むしろ図書館並みの秩序さをもって、本棚に並んでいる。

 そして、それをじっくりと………………………でる(読めよ)。



 ゆえに書架にも相当なこだわりがある。本様ほんさまたちに失礼だからとプレハブ小屋(※カラーボックス)は使わない。ちゃんとした家宅に住んでもらう。

 ただし、ランクがあって、安普請の賃貸アパート(※組み立て式量産型ブックシェルフ)から、高級分譲マンション(※1920年代イギリス製一点ものアンティークブックケース)まで、我が家の本様たちは、格差社会を強いられている。不憫。



 高級分譲マンションにお住まいのセレブ郡筆頭は、最上階に鎮座する『山尾悠子作品集成』、華麗な函入り貴婦人だ。我が家で最高値を誇る書籍でもある。

 そして、2011年代【ツン地層】に埋もれている(セレブなのに)。



 同女史の単行本はどれも装丁が麗しく、所蔵4冊のうち3冊は函入りだ。

『ラピスラズリ』のときなどは、はこからすうっと出して、パラフィン紙をそおっとめくったとたん、目の醒めるようないろに心を撃たれ「うひゃあ!」と叫んでしまったほどである。

 背表紙を向けて立てておくより、表紙を向けて並べておくのが、断然ふさわしいお方なのだが。



「そんな空間的余裕、うちにはないんだよ。オレが不甲斐ないばっかりに……

すまんな、おまえ」(誰?)。



  六道ヶ辻ウンター・デン・リンデンの薔薇/栗本薫 2016年3月

  神様がくれた指/佐藤多佳子 2015年6月

  文学賞メッタ斬り!/大森望・豊崎由美 2017年8月

  キスキスキス 3時15分いつものカフェで

        /シャノン・アンダーソン エリン・マッカーシー

                  モーガン・リー 2017年12月 

  キス・キス・キス 聖夜に、あと一度だけ

        /シャノン・マッケナ ドナ・カウフマン 

                ナンシー・ウォレン 2017年12月

  断食が健康のための最高の方法だ!/石原結實 2017年

  ローフードダイエット!酵素でやせる/笹生暁美 2017年12月

  糖質オフ!健康法/江部康二



 今月も健康本がちらほらと……大丈夫なのか、自分。

 代謝とともに冊数までガタ落ちなんだけど……大丈夫なのか、今後。


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1月の「ちょっと一言云わせて本」


『六道ヶ辻 ウンター・デン・リンデンの薔薇』


 全5冊からなる六道ヶ辻シリーズのうち、唯一の百合テーマ。

 ってことは「吉屋信子や松田瓊子みたいな世界かしらーん♡」と、ふわふわマシュマロの気持ちで読み始めたのだが、トンデモなかった。

 読了語は超完熟バナナの気持ち。確かに、甘すぎるほど甘い世界なのだが、その甘さは決してふんわりとした白い真綿にくるまれているのではなく、どす黒いただれた闇につつまれているということ。



 ニコラウス・ガッターの『乙女の祈り』や、朝倉かすみの『ほかに誰がいる』も《重い・暗い・しんどい》の三重苦を感じながら読んだものだが、本作は、それをあっさりと凌駕する。これから読もうという方は覚悟のほどを。



 ちなみに、しをん女史の『秘密の花園』は、その中間といったところ。

重すぎもせず、軽すぎもせず、甘すぎもせず――って、あれ、褒めてる、これ?

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