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Festival in Crime -犯罪の祭典-  作者: 柿の種
Season 1 第3章 オンリー・ユー 君だけを

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Episode 15


--浮遊監獄都市 カテナ 第二区画 デンス 第二階層

■【偽善者A】ハロウ


現在私は頭を抱えていた。

理由は簡単。

グレーターゾンビを倒せる策を考えている時に突然現れたシステムメッセージの所為だ。


「【強欲性質】……特殊スキルよねぇ……」


特に戦闘行動を行ったわけでも、生産していたわけでもなく。

本当に突然、取得メッセージが出てきたために困惑しているのだ。


……確か、CNVLが取得した時は制限云々の話はしてなかったわよね。

彼女の性格や、このゲームに対する姿勢を考えるにこういった『制限』なんて単語が出てくれば、私やマギ、メアリーに話をするだろう。

つまり、この時点で既に彼女の持っている特殊スキルとは少し違うのだと考える。


「お、いたいたー……ってどしたのハロウ」

「あぁCNVLね……ってあー、ごめんなさい。時間見てなかったわ。遅れてるわよね、すぐ行く」

「ん、まぁそれは良いのだけれど……全員で聞いた方が良い話かい?」

「そうね、一応は」


突然背後から掛けられたCNVLの声に一瞬ビクつきながら、時間を確認すれば元々予定していた集合時間は既に過ぎていた。

慌ててセーフティエリアから出て行こうとする私に何かを察したのか、CNVLは何も聞かず。

ただ私に着いてくるだけだった。



それから少しして。集合場所にしていた、酔鴉との決闘を行った広場にたどり着いた。

きちんと時間通りに集まっていたのであろうメアリーとマギが雑談している姿をみて、少しだけ息を吐きながら遅れた事を謝りつつ、遅れた理由……原因となったものについて話していった。


「特殊スキル……それに、部分達成に制限ですか」

「【暴食本能】の次は【強欲性質】かぁ。成る程、七つの大罪に掛けられてるんだねぇ。って事は反対に美徳系のスキルもありそうだ……それらが制限された場合も気になるねぇ」

『でもこれ、制限付きなの?(°_°)?強くない?(´・ω・`)』

「そうなのよねぇ……いやまぁ、強い分再使用時間が長いのだけど」


スキルを見たメンバーの反応はそれぞれだが、それでも目を引くのは制限の所らしい。


ーーーーーーーーーー

【強欲性質】 ※制限!

任意発動型スキル。発動時間:1分間 再発動時間:100分後


発動中、相手に与えたダメージ×1/10の値分、発動者のステータスを増加させる。

使用後、(【犯罪者】レベル)%のHPを減少させ、強化されたステータスは元に戻る。


※一部取得条件が未達成のため、機能制限が掛かっています

 --【■■■■を手に入れる】(0/1)

※特殊スキル。【犯罪者】の系統、ランクアップによるスキル使用制限、スキル変更の影響を受けず、どの【犯罪者】、系統でも使用可能

ーーーーーーーーーー


スペック的にはこの通り。

私がダメージを与えれば与えるほど、ステータスが強化されていく特殊スキル。

アタッカーならば喉から手が出るくらいには欲しいタイプのスキルだろう。


同格の相手ならすぐに、格上だとしてもうまく使えばジャイアントキリングが狙える性能で。

私の持つ【HL・スニッパー改】とも相性がいい。


「問題は、何故このタイミングでって所なのよね」

「確かにね。……確か検証班も特殊スキルの取得条件は確立出来てないんだっけ?」

「そうですね。僕の知り合いに聞いた時はまだ出来ていないと言っていました」

『私がよく見てる検証スレでも結構頑張ってるっぽいのは分かるんだけど……(´・ω・`)まだらしいねぇ(°_°)』


前回の【暴食本能】の方はまだ理解できる。

なんたって、取得したプレイヤー(CNVL)がアレなのだから。

だが今回は本当にわからない。


【強欲性質】……強欲とされるような事を行った記憶はないし、その直後に考えていた事といえば……確か、もう少し手札が欲しいとかなんとかだったはずだ。


「……はぁ。とりあえず考えても仕方なさそうね。実際にこれで困ったら運営に問い合わせすればいいんだし」

「あは、じゃあそろそろ行くのかい?」

「えぇ、元々私が遅れたから時間の猶予もあんまりないし。明日も早いんでしょう?あなた達」

「助かります。1コマ目から入ってるんで、いつもより早く起きないといけないんですよ……先輩も」

『若人よ、がんばりたまへ(゜∀゜)』

「一番小さいメアリーさんから言われるのすごい違和感ありますね」


そんなことを言い合いながら。

私達は再びダンジョンへと向かう。


あと何階層ほどあるのかはわからないものの、今回の補給だけでなんとかできればいいなぁ、と思いつつ。

ダンジョンの入り口が目の前に来た時には、さっきまで頭を抱えていたほどに悩んでいたものなど気にならなくなっていた。


「よし、じゃあ今回でクリアするわよ」

「オッケーオッケー。まぁ見てなよ、私もハロウみたいな爆弾じゃあないけれど考えてきたからね、対処法」

「ほう、楽しみですね。期待してますよ先輩」

『ハロウもCNVLさんも、どっちも無理だった時用の爆破ボルトは大量生産してきたから任せてね~!(';')』


そしていつも通りに声を掛けあった後。

私達は【決闘者の墓場】の中へと再び足を踏み入れた。


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