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Festival in Crime -犯罪の祭典-  作者: 柿の種
Season 1 第2章 【食人鬼】は被食者の夢を見るか?

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Episode 32


--イベントフィールド 【収穫者の廃都】

■【食人鬼A】CNVL


結局の話をすれば、私は決闘イベントでは第4位と言う結果となった。

というのも、手持ちのアイテムをほぼハロウとの試合で使い切っていたために、自己強化バフすらまともに使えない状態だったのだ。

そんな状態で戦った相手は、まさかの酔鴉。


気が付いたら空中に放り出され、さながら格闘ゲームの空中コンボを決められHPバーは0になっていた。

一体彼女の【犯罪者】は何なのだろうかという疑問と共に、そんなやっているゲームを間違えているような人物に勝ったソーマという人物は一体どんなプレイヤーなのかも気になった。

……いやぁ。やっぱりまだまだ上には上がいるねぇ。本格的に強化を考えないと。


その後に行った敗者復活戦はといえば……まぁ、順当に。

相手の身体の一部を何とか喰らう事で自己強化し、そのまま【解体丸】と【菜切・偽】による連撃によって勝利、という別段語る事もないくらいにはあっさりした内容だった。

まぁ実際、スポットライトが当たらない所の話なんてそんなものだろう。


そして現在。

私はマギとメアリーの2人と合流し、もう1つのイベントフィールドである【収穫者の廃都】に訪れていた。

まぁ特に探索をするわけでもなく、公園のような場所でまだ辛うじて座れるベンチに3人で腰掛け適当に雑談をしているだけではあるのだが。


「いやぁ、こっちはモブがたくさんだねぇ」

「イベント終了まではこれが続くみたいですよ。考察しているプレイヤー達が、何かしらイベントストーリーっぽいものが書かれた手記とかも発見してるみたいなんで、まだ他にも色々起きそうですけどね」

『掲示板見る限りだと、幽霊系のボスが出るかも?って話だねー('ω')ノ』


フィールド自体はほぼほぼ【決闘者の廃都】と変わらずに。

しかしながら、決定的に違う点は周囲にカボチャの頭を被ったゾンビや半透明の何かが居たりする点だろうか。

こちらに攻撃せずにその辺をうろうろと徘徊しているのもいれば、こちらへと近づいてきて襲ってくるのもいる。


人型のモブに関しては、私のアイテム補充に使えるためこちらから積極的に倒しにいくのだが……。


「所で、あの幽霊っぽいのって攻撃通るのかい?襲われたらそれこそホラーじゃない?」

『一応通るよ!('ω')でもやっぱり銀製の武器とか、所謂魔除けに纏わるものは効くみたいだよ(;´Д`)』

「成程ねぇ。……【ラミレス】のプレイヤーは大変そうだ」

「【ラミレス】……あぁ、悪魔憑きの。確かに魔除けの影響は受けそうですね。弱体化とかしそう」


まぁ倒せるのならば、という事で私達のパーティは特に魔除けに関係するアイテムを持つことはしないことになったのだが。

実際、そう言ったアイテムが作れるかどうかもわからないというのが本音だったりもする。


『……それにしても(;´Д`)』

「あぁ、コレねぇ……対峙してる時は私も気が付かなかったけど、改めて観戦側で見てみると危ない人にしか見えないよ。言っても直らないのも問題だよねぇ……」


ただ話すだけではつまらない、ということで。

現在進行形で行われている決勝戦を見ているのだが。

やはりというかなんというか、ハロウが連続殺人鬼やホラー映画に出てくるキラーにしか見えてこないのだ。


相手であるソーマもソーマで、言っては悪いがホラー映画の序盤で犠牲になりそうな見た目をしているために、その印象がより強くなってしまっている。

……本当、ハロウ自身も気が付いてないのが一番頭が痛い……。

恐らく、彼女はこのイベントが終わった後に掲示板の反応を見て首を傾げることになるのだろう。

そこで気が付いてくれればいいものの……おそらく彼女は気が付かない。


「まぁ、実害はない……と言い切れるものだし、放っておこう。デンスがヤバイ奴らの巣窟みたいに扱われるのは心外だけどね」

「それはまぁ、仕方ないんじゃないですか?先輩もその一因を担ってますし」

「あは、それは心外だなぁ」


私は私で、自身の評価というのは理解している。

理解している上で楽しんでいるのだ。

娯楽なのだ、楽しまないと損だろう。

……あぁ、もしかしてハロウもそんな考えだったりするのかな。

そう考え、少しだけ笑ってしまう。


『それにしても、この人の【犯罪者】なんだろうねぇ……('ω')』

「何かしてるようには見えないよね。使ってる片手剣が光ってるから何かしらの強化くらいはしてるんだろうけど……ランクアップしてるにしても、元が分からないな……」

「ソーマさんって確かネースの方ですよね。ダンジョン初攻略組の中でも、パーティメンバー公開されてないから、本人の立ち位置もわからないっていう」

「……あぁ、成程。メンバーの開示をしてないのってそういう理由もあったりするのか。見る限りはアタッカーかな」


映像だけではわからない事が多いために、この場での【犯罪者】の特定はできないという結論に至った。

試合後に実際に戦ったハロウに考察を聞くのが良いだろうということで、単純に彼女の試合を楽しんで。

結果、主観では短かった決闘イベントは終わりを告げた。


優勝は、ハロウ。

最後まで狂ったように笑っていた彼女は、優勝し運営のグリンゴッツに称えられた時は少しだけ恥ずかしそうに笑っていた。



ーーーーーーーーーー

PLName:CNVL Level:8

【犯罪者】:【食人鬼A】

所属区画:第二区画 デンス


・所持スキル

【あなたを糧に生きていく】、【人体蒐集家】、【祖の身を我に】、【アントロポファジー】、【暴食本能】


・装備品

【菜切・偽】、【解体丸】、平凡な囚人服【上】、平凡な囚人服【下】、【革造りの網】


・称号

【第二区画所属】、【娯楽を解放した者】、【本当の娯楽を知った者】

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