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Festival in Crime -犯罪の祭典-  作者: 柿の種
Season 1 第3章 オンリー・ユー 君だけを
103/194

Episode 34


--第二区画 第二階層ダンジョン 【決闘者の墓場】 3F

■【印器師A】ハロウ


--System Message 『レベルが上がりました』


「あ、8に上がったわ。とりあえず今のコレで終了ね」

『了解~('ω')ノ見えてると思うけど、ハロウがレベル上がったってー!(゜д゜)!』

『了解です。じゃあこっちは先輩と早めに終わらせますね』


印器によってバフを重ね掛け、尚且つスケルトンたちに対してデバフを掛けながら戦っていると、私のログにレベルが上がったメッセージが流れた。

それと共に、インベントリの中に仕舞っていたメインの装備である【HL・スニッパー改】を始めとする装備達を出現させ装備しながらメアリーにそう言った。


こういう時、パーティチャットを使って会話しているメアリーの存在は便利だ。

何せ、離れていたり物理的に会話ができない状態だったとしても連絡を取り合う事が出来るのだから。


「これで終わりッ」


私はチャットの返事を横目で見ながら、久々に持つ【HL・スニッパー改】をハサミの状態のまま振り回し、スケルトンの中の1体をその重量で圧し潰すようにして破壊する。

私自身に攻撃の印によるステータスアップが入っているからか、前に使っていた時よりも軽く、使いやすい。


ただ、やはり効果量のバグが起こっていた時以上の威力は出ていないのが少しだけ寂しいというか……まぁ今使っている印はどれも初心者が使うものだ。

これから先、中級者、上級者用の印を使えばあの時の火力が戻ってくるんじゃないかと考え、今は諦めることにした。

どう考えてもあの時がおかしかったのだから。


「あは、ごめんよ少し遅れた」

「こっちも丁度終わったところだから大丈夫よ。とりあえずそれぞれの消耗品の在庫確認して戻るか進むか考えましょうか」

「りょうかーい。って言っても、これからの攻略に直接関わりそうなのは私くらいだろうけど」


CNVLとマギの方の戦闘も終わったらしく、部屋の中からこちらへと合流した。

楽な戦いだったとはいえ、消耗するものは消耗するし、精神的な疲れも溜まる。

とりあえず、ということで私達は今さっきまでCNVL達が戦っていた小部屋の中で確認がてら休憩をとることにした。

幸い、レベリング中に次の階層へと移動出来る階段を発見しているため、このまま攻略を続ける場合でも、しない場合でも素早く移動できるのだ。




--第二区画 第二階層ダンジョン 【決闘者の墓場】 4F


全員消耗品などは問題なく、それこそ一番使っていそうなCNVLに関していえば、私と2人でレベリングしていた時に獲得したゾンビの腕が大量に余っているらしくまだまだ戦えるということで、そのまま進むことにした。


「グレーターゾンビはどうする?」

「まぁ見つかったら討伐で、それ以外は基本やり過ごす形にしましょう。アレ結構時間かかるのにこっちの消耗激しいだけで割に合わないから」


そんな会話をしつつ、私達は5Fへ繋がる階段を探し奥へと進んでいく。

ボス前にテレポーターで移動したいものだが、恐らくは運営がそれを良しとしていないのだろう。

仕様上ボスを討伐した後……ダンジョンを攻略した後でもボスの階層の1つ上の階層までしかテレポート出来ないのが全てを物語っている。


まぁ私達のパーティに関して言えば、マギの感覚強化系の薬や新しく加わった私の印章による移動速度強化などがあるため、戦闘をしないと決め込んだ場合の探索速度はかなりのものとなる。


「よっし、発見ね。マギ、視覚強化頂戴」

「了解です、【散布】」


そうしてそこまで時間も掛からず、パーティ単位で戦えるほどの十分な大きさの部屋とその奥に次の階層への階段を見つけることが出来た。

普通に考えれば、ここにはまたヨハン……メフィストフェレスが出現するのだろうが、


「うん、炯眼にはトラップはどこにも見えてないわね。そっちは?」

「音に関しても同様ですね。どこかにスペースがあるとかそういったものじゃないみたいです。進みますか?」

「……そうね、行きましょう。この階層じゃ幸い戦闘はしてないから資材は余るくらいは持ってるし、ヨハンが出てきても何とかなるでしょう」


警戒はマックスで、何が出てきても対処できるよう、その部屋の中へと足を踏み入れた。

そのまま全員、自分の得物を構えたまま部屋の真ん中まで何が起きても対処できるよう警戒しながら進んでいき。

真ん中を超え、階段の目の前に着いた瞬間私達全員は息を吐いた。


緊張、というわけではないものの、やはりいつ襲われるか分からない状況で集中しているといつも以上に精神的に疲れが生じる。

まぁそれもそこまでのものではないため、再度所持品や装備の状態などを確認した後私達は先へと進んだ。

ボスの待つ5Fへと。



--第二区画 第二階層ダンジョン 【決闘者の墓場】 5F


『んん?これはこれは。またも来たようだなお客人。懲りず実験にさんかしてくれるその姿勢に敬意を抱かざるをえないなぁ』


階段を降りていく。

階層移動中、ローディングのような事をしているのかやはり周囲は暗く。一寸先も見えないほどの暗闇の中、うざったらしい男の声が響き渡る。


『では再度相手をしよう。私の失敗作がどれほどに真に迫っているか!確かめるために!!』


声の内容に関しては特に思う事はない。

ファウストにもバックストーリーが存在し、その中でグレートヒェンが死亡した。それを生き返らせようとしている……という程度の事はファウストの声の内容から分かることだし、4FでCNVLが見つけてきた資料にも軽く書かれていたことだ。

ゲームの設定のためにそんなストーリーを与えられてしまったのは少しだけ可愛そうだとは思うが……こちらに襲い掛かってきている以上、それ以上の感情は浮かんでは来ない。


そうして暫し、そんな声を聴きながら下へ下へと下っていくと。

突然光が差し込み、一気に視界が開けた。

場所はコロッセウム。前回と同じ決闘場。


そして私達の正面からは、1人と1体のボスがこちらへと向かって歩いてきていた。


「では、実験開始だ。今度はもっと保ってくれよお客人」


戦闘開始だ。


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