12.復讐
本編には残酷な表現が含まれます。
苦手な方は飛ばしてください。
後書きに粗筋を書いておきます。
Iが出所した。
それから二週間たった。
裕子へ手紙も何もなかった。裕子は、お墓の管理者に聞いても、誰も来ていないといっていた。
祐子はいよいよ決意を固めた。
裕子は復讐計画を練り続けていた。
そのために看護師になったし、父と母の写真を見続けて怒りを風化させなかった。
祐子は探偵事務所に依頼して、Iの行方を追った。Iは日雇いのアルバイトで稼いでいるらしい。
裕子への賠償金を稼いでいるわけもないらしかった。
祐子は、復讐のために体を鍛え続けてきた。看護婦になったのも、薬品を手に入れるためだった。
職場から昏倒剤をくすね、夜道を一人で歩いていたIを眠らせた。眠らせたIを車に乗せ、人の誰も来ない山奥に連れて行った。この山奥は、誰も来ない秘境で、いくら叫んでも助けはこないだろう。
予め用意していた鉄製の椅子にIをロープで縛り付けた。手足を固定した。もう、逃げられないし動けない。
祐子は、Iが起きるまで車で待機していた。Iが起きたらしい。叫んでいる。
「くそが! 何しやがる! 誰だてめえ! 殺すぞ!」
「バカね、私がわからないの?」
「おめぇみたいな女しらねぇ! 何かの間違いだろ! 離せ!」
「そう、おまえ起こした事故で生き残った娘が私よ。この日を心待ちにしていたわ。何か言うことがあるかしら」
「はっ、おまえがあのクソガキか! 思い出したぜ、法廷で吐いてた情けねぇクソガキが! 親もクソなら娘もクソだな! 俺に迷惑ばかりかけやがる」
「何か私に他に言うことはないの? 私はおまえを恨んでいるのよ」
「ねぇよ、よくも俺の人生を壊してくれたな! 刑務所では苦労したぜ! 俺をこんなところに連れてきて、訴えてやるからな! ははっ、金をぶんどってやる!」
「そう」
裕子は薬品と取り出し、Iを再び眠らせて猿轡をつけた。舌でも噛まれたら大変だからだ。
これから死ぬよりもむごい目に合わせるつもりだ。
裕子は車からハンマーを取り出して、眠っているIの指におもいきり振り下ろした。
Iは猿轡からうめき声を発する。
「もう喋らなくていいわ。おまえはこれから、私の気が済むまで苦しんでから死ぬのよ」
Iは目尻に涙をためている。裕子は、針を取り出して、Iに見せた。
Iは脅えたような顔押してなにかうめいている。
裕子はハンマーで、Iの折れた指の爪に向かって思い切り刺した。
Iは体をのけぞらせ、暴れている。だが、鋼鉄製の椅子と分厚い拘束具はびくともしない。
祐子は、次にガスバーナーを取り出した。針で刺した出血部位を炙った。
止血しないと死んでしまうからだ。全ては長く苦しめるため。
「私は看護師なの。おまえは簡単には死ねないから安心して苦しみなさい」
Iが何か言っているが、祐子には届かない。
祐子は次に足を分厚いたこ焼き用の針で刺した。
そして、針をガスバーナーで炙り始める。熱が伝わり、刺した足が焼けていくのがわかる。ブスブスと肉の焦げる匂いと呻き声が聞こえる。
「おまえさえいなければ、私は幸せだった。進学や結婚、そんな時、父と母がお祝いしてくれるはずだった。学校や社会の生活も豊かで明るくなるはずだった。おまえは私から全てを奪った。それなのに、おまえは何故のうのうと存在できるんだ? 何故産まれてきた? この化けものめ!」
◇◇◇
祐子は三日間かけて、Iを陵辱しつくした。とても書ける内容ではない。
裕子はIに点滴を打ち、生きながらえさせた。絶えずIを攻め抜いた。
Iは息絶え絶えで、満身創痍だ。もう限界が近い。
裕子はIに強心剤を打ち、無理矢理意識を覚醒させたIの猿轡を外した。
「さて、もうおまえを殺すわ。何かいうことは?」
「た、たふけて……」
「そう、それが最後の言葉ね。安心しなさい、おまえが死んだ後も、たっぷり辱めてやるから」
祐子はナイフを取り出して、Iを滅多差しに刺した。
Iは何も言う事もできず、絶命した。絶命した後も祐子は持ってきたハンマーでIだと判別がつかないほどぐちゃくぢゃに叩き潰した。Iの尊厳は失われた。
その後、祐子は警察に出頭して自首した。
裕子は逮捕され、留置所に送られた。
裕子は出所したIに復讐をする。
父と母を見送ったあの日から、この復讐の炎を燃やし続けていた。
看護師の職場から薬をくすね、Iを眠らせて、山奥へとさらった。
そこで、Iへ拷問紛いの復讐を重ね、殺害した。
裕子は復讐を果たした後、すぐに自首した。




